「なんてよばれるのがすき?」ーごはんを食べながら、7日目。
たっぷり遊び、笑い、泣き、戸惑い、時にぶつかりあって、また遊ぶ。そんな子どもたちが一日のなかで一度立ちどまる、「お昼ごはん」の時間。
仲間と食卓を囲み、ごはんを食べながらおしゃべりをする。その時間で子どもたちは、お腹だけでなく心も満たす。
『ごはんを食べながら』は、そんなお昼のおしゃべりに耳を澄ませる企画です。
「いただきます」のその先に。どんなやりとりが広がっているのだろう?
「なんてよばれるのがすき?」
4月26日(月)。
第7回目の「ごはんを食べながら」。
新年度が始まって約3週間。
新入園の子どもたちも、進級した子どもたちも、それぞれのペースで、新しい環境、関係性、生活に出会い、自分を馴染ませてゆく姿が見られます。
涙を流している人を見かけると、
「どうしたの?ママがいいの?わたしもさいしょはそうだったの。でもだいじょうぶ、うみのこってたのしいよ。」
と、声をかける人もいたりして。
たしかに、1年前はエンエン泣いていたあの子が、いまは毎日たっぷりと遊び、笑い、過ごしているということに改めて気づかされ、そう言われた子と一緒に、なんだか私まで励まされたりしています。
今回の「ごはんを食べながら」は、これから始める当番グループごとに初めて集まって給食を食べた日のエピソードです。
基本的には好きなテーブルで好きな人とごはんを食べているのですが、自分の気の合う人と出会い、関係を築いてきたこの3週間を経て、もう一歩先へ出会いを広げてみたらどうなるだろうという大人側の気持ちもあり、このような環境でごはんを食べてみました。
***
私「このグループは何グループなんだっけ?」
ハンタ「ほのおぐるーぷ!」
ゼン「あと、イトもいるよ!!」
ユウト「ひかちゃん、れおっちのとなりのおともだちはなんだっけ?」
私「だれだっけ?あの子の名前…」
ハンタ「エユ!!」
ユウト「エユかぁー。エユちゃん いま バナナおとしちゃってたよ」
ゼン「あ、イト。まってたよー!」
ユウト「イノウエ イトちゃんのとなり、いえーい!!」
私「うれしいね。初めて一緒にごはん食べた?」
ユウト「イノウエ イトちゃん、はじめてだよね。ゼンはきょうどこいった?」
ゼン「うみいったよ。みんなうみだったじゃん」
ユウト「やまのひとは?」
ハンタ「きょうは、みんなうみだったよね。イトちゃんも」
ゼン「イトちゃんじゃない!イト、だよね」
ユウト「イノウエ イト?」
私「ちゃんって付けるかどうか、ということ?イトはどういう風に呼ばれると嬉しいとかあるのか聞いてみたら」
イト「どっちでもいい」
ゼン「ゼンは、ふつうにゼンってよばれるのがいい。ハナコちゃんはなんてよばれるのがすき?」
ユウト「ハナコちゃん?がいい?」
ハナコ「ハナコがいい」
ユウト「ハナコ!」
ハンタ「ハナコ!!」
私「そうか、ハナコはハナコって呼ばれるのが好きなんだね」
イト「ユウトくんは、なにがいいの?」
ユウト「ユウトくん!イトちゃんは?」
ゼン「イトは、いっちゃんって呼ばれることもあるよね。ハンタはハンちゃん!」
ハンタ「でも、ぼくはハンタって呼ばれるのがすき」
私「へぇー。知らなかったなあ」
ハナコ「ハナコのにいには、タロウっていうんだよ。タロウくんはいやなんだって。ハナコはきのこだいっきらいなんだよねぇー」
私「え、でもたべてるじゃん!」
ハナコ「このバナナはひかちゃんの?」
イト「これがハナコので、これがひかちゃんので、これがいっちゃんの!」
ハナコ「あとでいっしょにたべようよ」
***
【今日の献立】
・豆腐丼(カレー風味)
・小松菜ともやしの胡麻和え
・バナナ
あー、美味しかった。
ごちそうさまでした。
ごはんを食べながら、の舞台:「うみのこ」
http://sokka.world/projects_list/uminoko/
「今日は、どこで何をして過ごしたい?」そんな問いから、一日の生活をはじめる、認可外保育施設。神奈川県逗子市の森里川海と海のじどうかんを生活のフィールドに、暮らし、遊び、日々を重ねています。
連載「ごはんを食べながら」
「まあね!」ーごはんを食べながら、5日目。
第5回目の「ごはんを食べながら」。
『うみのこレストラン』でおでんをつくる予定の子どもたち。今日はその修行で「ふろふき大根」を料理しました。
さて、どんな「ふろふき大根」ができたかな?
「おにさん、かなしそうだった」ーごはんを食べながら、6日目。
先週の金曜日鬼から子どもたちに届いた手紙には、こうありました。
「つたえたいことがある うみでまってるぞ 2.2 」
そこで今日は、海に鬼がいるかどうかを確かめに行きました。
襲われた時のための豆と、何人かの子が鬼宛てに書いた手紙を手にして。