「なんでもごっこに、はいるひと〜?」ーごはんを食べながら、10日目。
たっぷり遊び、笑い、泣き、戸惑い、時にぶつかりあって、また遊ぶ。そんな子どもたちが一日のなかで一度立ちどまる、「お昼ごはん」の時間。
仲間と食卓を囲み、ごはんを食べながらおしゃべりをする。その時間で子どもたちは、お腹だけでなく心も満たす。
『ごはんを食べながら』は、そんなお昼のおしゃべりに耳を澄ませる企画です。
「いただきます」のその先に。どんなやりとりが広がっているのだろう?
「なんでもごっこに、はいるひと〜?」
1月24日(月)。
第10回目の「ごはんを食べながら」。
・この場所で遊びたい ー【ばしょ】
・昨日のつづき。□□をしたい ー【こと】
・〇〇と一緒がいい。〇〇の気持ちを大事にしたい ー【ひと】
「〇〇したい」という人間の意思は、その人自身の内側だけで決められているのではなく、周りの環境や人に大きく影響を受けているということを、日々子どもたちの姿から感じています。
しかもそれは一つの物事だけが要因となるような単純なものではなくて、特に複雑に絡み合い、いくつもの(特に周りの大人から見たら整合性が取れていないように感じるような)気持ちを本人は抱えていることもあるし、他者と「〇〇したい」がうまく重なり合わないこともあります。
この日、「給食を食べ終わったあとに何してあそぼう」ということをおしゃべりしていた5歳児のライカ・イト・ユカ・メイコも、そのことで揉めているよう…。
***
ライカ「えー、どうしよう」
イト「いっちゃんは、ライカとあそびたい!」
ユカ「ユカだって、ライカとあそびたいんだもん。ライカ、あそぶってやくそくしたでしょう」
イト「でもいっちゃんだって、ライカとあそんでたんだよ!!」
ライカ「んー、でもーーーー」
メイコ「どっちかのあそびに、はいるのはどう?」
ライカ「そうだ!そうしようよ!!」
イト・ユカ「やだ」
ユカ「そうしたら、ユカはいっしょにあそべないってことでしょ」
(涙ぐむユカ)
ライカ「どうしよう…泣いてるユカもいっしょにあそんであげたいし、でも、そうするとイトがかわいそう。えーーー、どうすればいいのかわかんないよ〜」
私「どうしようねぇ。ライカはどうしたいの?」
ライカ「ライカは、どっちともあそびたいけどー、でもだってどっちもヤダっていうしなぁ」
メイコ「ユカ、イトのごっこにはいるのは?たのしいかもしれないよ」
ユカ「やだ」
メイコ「イト、ユカのごっこにはいってみるのはどう?」
イト「いっちゃん、それはやなんだもん」
ライカ「どっちもあいてのごっこにはいるのはいやなんだよね。んーーーーー」
メイコ「じゃあ、ライカがあたらしいごっこをはじめて、それであそべばいいんじゃない?」
ライカ「いいかも!!ライカのなんでもごっこにはいるひと〜?」
ユカ・メイコ「はーい!」
ライカ「イトもはいらない?」
イト「いいよ」
ライカ「じゃあ、なにになりたい?なんでもごっこだから、みんな、なにになってもいいんだよ」
***
え、それだったらいいの?!…と彼女たちが出した結末に思わずツッコミをいれたくなる気持ちもありながら、それぞれが「どうすればいいのか」を考えながら、自分の気持ちに区切りをつけ、変化をさせたり、アイデアを出す姿を感心しながら眺めていました。
(大人よりもずいぶんと柔軟な子どもたち。すごいなあ)
ちなみに給食後、「ライカのなんでもごっこ」はほかの人も入って、賑やかに繰り広げられていましたよ。
【今日の献立】
・ごはん
・もやしとさつまいもの味噌汁
・肉豆腐
・ほうれん草と人参のおかか和え
あー、美味しかった。
ごちそうさまでした。
ごはんを食べながら、の舞台:「うみのこ」
http://sokka.world/projects_list/uminoko/
「今日は、どこで何をして過ごしたい?」
そんな問いから、一日の生活をはじめる、認可外保育施設。神奈川県逗子市の森里川海と海のじどうかんを生活のフィールドに、暮らし、遊び、日々を重ねています。
連載「ごはんを食べながら」
「わたしのねがいごとは…」ーごはんを食べながら、8日目。
子どもたちがじっくりとこの季節の行事を味わえるといいなと思い、七夕の日以降も、しばらく笹の葉を室内に飾ったままにしていました。
今日のおしゃべりは、そんな笹の葉の願いごとを見ながらはじまりました。
「自分のからだの好きなところ」ーごはんを食べながら、9日目。
大きくなったかな、元気かなと診てもらった「自分のからだ」について、みんなにあることを質問してみました。