「なまえ、なに?」 ーごはんを食べながら、1日目。
たっぷり遊び、笑い、泣き、戸惑い、時にぶつかりあって、また遊ぶ。そんな子どもたちが一日のなかで一度立ちどまる、「お昼ごはん」の時間。
仲間と食卓を囲み、ごはんを食べながらおしゃべりをする。その時間で子どもたちは、お腹だけでなく心も満たす。
『ごはんを食べながら』は、そんなお昼のおしゃべりに耳を澄ませる企画です。
「いただきます」のその先に。どんなやりとりが広がっているのだろう?
「なまえ、なに?」
4月16日(木)。
新年度が始まって、ちょうど2週間が経ちました。
新型コロナウイルスの影響でなんだかバタバタと落ち着かない毎日。(じゃなくても、4月はバタバタするのだけれど)でもそんな中でも、日々、自分のこころに真っ直ぐに生きている子どもたち。
いやぁ、すごい。こちらがパワーをもらい、励まされてばかりです。
さて、第1回目の「ごはんを食べながら」。
今回は、春ならではのやりとりをお届けしようと思います。
***
ユウ:「さいしょにいちごいっこたべちゃおう」
私:「今日ハヤトは、どこ行ってたんだっけ?」
ハヤト:「やま。むしさんいた」
ナツ:「ナツくんうみいった。うみでじゅううってた」
私:「そうだったね」
ナツ:「あと、かに!」
チヒロ:「ちぃくんはなんと、ちいさいおさかなみつけた!!ごひき!」
ハヤト:「はやと、パパとやどかりみつけたぁ」
私:「パパと海に行った時、やどかり見つけたんだ。今日はやどかり見なかったなぁ」
ナツ:「ナツくんもパパとまえうみいったとき、でっかいやどかりみつけた」
*
ナツ:「ねぇひかちゃん。ナツくんきょうはママがおむかえ?」
私:「うん、朝ママがそう言ってたね」
ナツ:「ねるのは、ナツくんだけ?」
私:「他にもいるよ。このテーブルだと、ユウと、ミカと…」
ミカ:「ハルカは?」
ユウ:「ハルカは、ごはんたべたらおむかえだよ」
ナツ:「このひと、だぁれ?」
私:「聞いてみたら?」
ナツ:「なまえ、なに?」
チヒロ:「ちぃくんだよ」
ナツ:「ちぃくんはねるの?」
チヒロ:「ねないよ。あ、まちがえた。ちぃくんきょうからなまえかわったんだった。ぼくのなまえは、エスエル(SL)だった」
***
いろんな人の名前がでてきた、今日のお昼のじかん。
園で一緒に生活している人に、少しずつ興味を持ち、「あなたはだれ?」「この人はこういう人って知ってる」と、声をかけ、関わりが生まれている。
君のことを教えて。
ぼくのことも知ってね。
そんな子どもたちの気持ちを感じました。
【今日の献立】
・たけのこごはん
・麻婆豆腐
・ほうれん草ときゃべつのナムル
・いちご
あー、美味しかった。
ごちそうさまでした。
ごはんを食べながら、の舞台:「うみのこ」
http://sokka.world/projects_list/uminoko/
「今日は、どこで何をして過ごしたい?」そんな問いから、一日の生活をはじめる、認可外保育施設。神奈川県逗子市の森里川海と海のじどうかんを生活のフィールドに、暮らし、遊び、日々を重ねています。
連載「ごはんを食べながら」
「じゃあ、なんだとおもう?」 ーごはんを食べながら、2日目。
自粛期間もあけ、子どもたちの賑やかな声が一日中響き渡るようになってきました。
さて、第2回目の「ごはんを食べながら」。
今回、同じ食卓に集まったのは、5歳児のユウとケン、4歳児のメイ、チヒロとナオト。午前中にでかけた散歩にまつわるおしゃべりが始まります。