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「子どもの力って、大人が思うよりずっと凄い」おもちゃデザイナー 和久洋三さんが見つけた子どもの本当の姿

三輪ひかり
掲載日:2017/08/24

大人が見守ると出てくる、子どもの姿

あとは、「どうするんだろう」って子どもを観察すればいい。

大人って自分のほうが知識があるからって、どんなことでも子どもに教えようとしてしまいがちだけど、それは子どもたちにとって余計なお世話なんだよね。

見守る和久洋三さん

ぼくはね、子どもたちの絵を見に園に行くこともあるんだけど、ある園で、5歳の子が絵に向き合う工程を見た時に、教えたり、指導したりしないことの大切さを改めて感じたんだけど。

これ、これね。モチーフが果物だったんだけど、大きな紙にね、これしか最初描かなかったんだよ。

ほぼ白い紙
ほぼ白紙の作品。左上に小さく果物の絵がならぶ

でね、保育者がぼくにね、「先生、これはいくらなんでも小さすぎるから、子どもに声をかけましょうか」って言ったから、「いや言わないで、ほっといてあげて」って言ったんです。

それで、どうなったか。こうなったんだよ。

色が広がる作品
画用紙いっぱいに色が広がる

すごいでしょ。
ぼくは、描き終えた時のその子の表情が、今でも忘れられない。人間ってこんなに美しい表情をできるんだって思えるくらいに、幸せそうな表情をするんだよね。

正直、30年前のぼくだったら絶対ね、「もっとスイカは大きく描きなよ」って言っちゃってたと思う。だってこんなに紙いっぱいあるんだからって。

−え、本当ですか?和久さんにもそんな時代があったと聞いて、なんか勇気づけられます。

そう、言っちゃってたの。でも今はもう言えないんだよ。だって、こうなることを知ってきちゃったから。

こういう子どもの姿を見るとさ、今までの子ども観が変わるでしょ?

これが、子どもたちが本来持っているものなんだよね。大人が見守ると出てくる子どもの姿なんです。

子どもと過ごす日々に、感動する


笑顔の和久洋三さん

−和久さんのその“子どもたちに向き合う姿勢”は、どこからきているんでしょうか?

ぼくは子どもたちより自分が優れているなんて一度も思ったことがないんだよ。

むしろ今は、子どもに負けてるって、かなわないって思ってる。だから受け入れるよな。こっちも素直に受け入れる。子どもに対して謙虚であるっていうのかな。

そうするとね、子どもの凄さというか尊さみたいなものが見えてきて、感動するんだよ。すごいなぁって。子どもと過ごしていると、心が動く、動かされることばかりなんだよ。

保育士のみなさんにも、ぜひそういう一日一日を送ってほしい。こっちがもっともっと感動しなくちゃ。そして子どもたちは、そんな大人との関係のなかで、無我夢中になる快感をいっぱい味わってほしいね。

そうしたらさ、子どもたちはきっと「自分がしていることを面白がる子」に育っていくと思うんだよ。

和久洋三さんと子どもたち

和久洋三さんプロフィール:
童具デザイナー/ 童具館館長 / 和久洋三のわくわく創造アトリエ代表。1942年 東京生まれ。東京芸術大学美術学部工芸科工業デザイン卒業後、同大学大学院修了。保育園での保育体験、大学講師等を経て、創造性を伸ばす童具づくりに専念する。以降、「童具館」や全国の「わくわく創造アトリエ」で新しい創造共育活動を展開するかたわら、幼児教育についての講演・講座活動、美術大学や幼児教育者養成校での指導にあたる。おもな著書に「子どもの目が輝くとき」、「遊びの創造共育法・全7巻」、「親と子の共育①・②」などがある。
http://www.dougukan.com/


取材:雨宮みなみ
取材・文・写真:三輪ひかり

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