ドキュメンテーションと写真、動画〜『エデュカーレ』2025年1月号より〜#05
今年度より、その一部をHoiClueにてご紹介しています。
今回お届けするのは、『エデュカーレ』2025年1月号より「ドキュメンテーションと写真、動画ー本末を転倒させない配慮を」です。
『エデュカーレ』
東京大学名誉教授の汐見稔幸先生が責任編集を務める、保育者と親のための学び&交流誌。
「保育のことをもっと勉強したい!」「悩みについてみんなの意見を聞きたい!」「自分の思いを発信したい!」そんな人たちのための雑誌です。
https://ikuji-hoiku.net/educare/index.html
『エデュカーレ』2025年1月号「Shiomi's eyes「保育のスピリット」」 第23回より
ドキュメンテーションと写真、動画ー本末を転倒させない配慮を
最近、あるカメラマンから、保育者が保育中の子どもの写真を撮るのはいいけれど、撮ることに気を取られすぎて、肝心の子どもと体ぐるみで関わっていないことに気がついていない保育者が多くなっているのではないの?と聞かれました。
現場で子どもの観察がとても大事と言っていたある保育者にそのことを聞くと、私もそのことがとても気になっていたとの返事。勤めていた園でも、カメラ(スマホ)を持って、今日のドキュメンテーション用の写真を!ということに気が向きすぎている保育者が何人かいて、肝心の保育の実践をその場その場でどうすればいいか、子どもの言葉、しぐさ、表情などから体で感じ取って対応を考えていく、ということをあまりしていないので気になっていた、と言うのです。
ドキュメンテーションという言葉を広げたレッジョ・エミリアでも、ドキュメンテーションは、保護者に見せるために作るのではなく、自分たちが保育の振り返りをするときの大事な資料を作るのが目的、とある専門書に書かれています。実践の中で、子どものどういう態度が気になったのか、それはなぜか、などを事後的に仲間と深めるための作業なのです。
園によっては、撮った写真の自慢をしあっているとか、写真をどう並べたらかっこいいドキュメンテーションが作れるか競っていることもあると聞きました。保育雑誌に負けない写真のレイアウトを!とでもいうのでしょうか?
保育の実際には正解はありません。
あのとき私はこうしたけれどそれでよかったのかしら、あの子のあの遊びは何を意味していたのかしら、など、子どもの行為を人間学的に意味づける作業が振り返りの目標です。
そこで大事なのは、子どもをしっかり観察すること、考えながら保育すること、後でそれを振り返って反省することなどでしょう。そこに写真があれば助かる、ということなのです。その一部を保護者に見てもらうことはあってもいいのですが、本末を転倒させない配慮が大事になっていると思います。
文:『エデュカーレ』編集長、白梅学園大学名誉学長 汐見稔幸
もっと知りたい方へ
今回ご紹介した記事は、 『エデュカーレ』2025年1月号に掲載されています。
【特集】
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たとえば、「子ども主体の保育」は、いま
エデュカーレ『保育のスピリット』
エデュカーレの汐見稔幸編集長の連載、「保育のスピリット」。2025年度より、その一部をHoiClueにてご紹介しています。
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エデュカーレ
