第6回 「失敗」に学びあり〜中瀬泰子先生(おおぎ第二保育園園長)の場合〜
保育が本格的にスタートする春、ドキドキしているのは子どもだけじゃないかも…。
保育者もまた新しい環境、新しい園児との出会いに、ドキドキしていることでしょう。
特に新人保育者のみなさんにとっては、なおさらでは、と思います。
そこでこの連載『「失敗」に学びあり』では、先輩保育者たちからの「失敗を恐れないで」という熱いメッセージをお届けしていきます。
第六回目は、おおぎ第二保育園園長・中瀬泰子先生のおはなしをご紹介します。
この記事は『新 幼児と保育』(2018年 4/5月号)に掲載された記事『「失敗」に学びあり』を、6回連載でお届けしていきます。
厳しい園長とめげない同僚
お話:中瀬泰子先生(埼玉・入間市 おおぎ第二保育園園長)
子どもの通っていた園の園長から声をかけられ保育士になる。赤ちゃんの保育に深い関心を持ち、現在の法人に移り園長となる。2年後の1982年におおぎ第二保育園を立上げ、現在に至る。当時の写真。
知人が保育園を設立すると同時に、保育園にかかわったのは29歳くらいだと思います。
あるとき、保護者を招いて「舌切り雀」の劇のリハーサルをしたことがありました。
そのころは劇の配役は、子ども同士で話し合って役割を決めるということはなく、先生が決めていたのです。私が舌切り雀のお婆さんに配役した子は、園長が思っていた子と違っていました。
それで、リハーサル当日、その子が舞台で失敗したのか何か覚えていませんが、いきなり園長がその子を舞台から下ろして、私に「この子はムリだから代えなさい」といったのです。
私は納得がいかず、その子をまた舞台に上げました。それでも園長はまた下ろし、子どもが泣いてしまいました。それを見ていた保護者は唖然としていました。そんなことがありました。
今、私も園長になって、ふりかえると、その園長の思いがわかり、悪いことしたなあって思っています。同時に子どもを思ってやったつもりが、泣かすことになってしまって…。自分からやりたいといった役でもないのに、ふたりの大人に上げられたり下ろされたり、今さらながらその子にも悪いことしたなぁと思います。
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失敗といえば、同僚で愉快な人がいました。
聞き書き/宮川 勉
イラスト/ホリナルミ
この記事の出典 『新 幼児と保育』について
新 幼児と保育(小学館)
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この記事の連載
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保育者もまた新しい環境、新しい園児との出会いに、ドキドキしていることでしょう。
特に新人保育者のみなさんにとっては、なおさらでは、と思います。
そこでこの連載『「失敗」に学びあり』では、先輩保育者たちからの「失敗を恐れないで」という熱いメッセージをお届けしていきます。
第一回目は「新 幼児と保育」✕HoiClueコラボのアンケート企画。HoiClueの先輩保育者のみなさんから寄せられたおはなしをご紹介します。
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