誰でも通園制度をどう評価したらいいの?〜『エデュカーレ』2025年11月号より〜#06
今年度より、その一部をHoiClueにてご紹介しています。
今回お届けするのは、『エデュカーレ』2025年11月号より「誰でも通園制度をどう評価したらいいの?」です。
『エデュカーレ』
東京大学名誉教授の汐見稔幸先生が責任編集を務める、保育者と親のための学び&交流誌。
「保育のことをもっと勉強したい!」「悩みについてみんなの意見を聞きたい!」「自分の思いを発信したい!」そんな人たちのための雑誌です。
https://ikuji-hoiku.net/educare/index.html
『エデュカーレ』2025年11月号「Shiomi's eyes「保育のスピリット」」 第28回より
誰でも通園制度をどう評価したらいいの?
2026年4月から、誰でも通園制度が始まります。子ども家庭庁は、そのための「実施に関する手引き」をかなり詳しく作っています。
これに対して、保育の現場では部屋も人もそのために特別に取れないところが多いし、週2、3時間しか来ないと、毎回泣いて終わってしまう子もいて、保育の本体が妨害されるのでは?などの不安や批判が出ています。
しかし幼稚園の中には、対象年齢を下げていくいい機会になるということで、前向きに取り組もうとしているところも出てきているようです。極端に少子化が進んでいる地域にある保育所でも期待するところがあるといいます。
国が誰通制度を進めようとしているのには、こうしたこととは少し異なる理由もありそうです。
世界の保育所は、次第に教育機能が重視されてきて、日本の認定こども園のように教育施設と福祉施設を統合する新たな施設への移行が進んでいます。
日本でも認定こども園が増えていることは周知でしょう。ところで教育組織、たとえば幼稚園は、親が働いていないと入れないというような条件はありません。認定こども園はそれに近く、1号で入園しても途中で親が働きだしたら2号に変わることで就園を維持させるようになっています。
3号はまだ就労が条件になっていますが、この0歳から2歳の子どもの就園に、親の就労という条件をはずしていったらどうなるでしょう。認定こども園の教育組織という側面を0歳まで下ろすのです。
実際にはまだ、0〜2歳は教育組織として法的に認定されていませんが、現場をあずかっている人間には、現状で十分0〜2歳児保育も教育という認識があります。だとしたらこの側面を一般化するために、誰もが0〜2歳段階で保育を受けることができるという制度をつくったらどうか、となるはずですね。
誰通という制度は、その意味で、保育を就労と関わりなく誰もが利用できる組織としていく一歩になるわけです。それは大きな歴史の進歩になるはずです。
文:『エデュカーレ』編集長、白梅学園大学名誉学長 汐見稔幸
もっと知りたい方へ
今回ご紹介した記事は、 『エデュカーレ』2025年11月号に掲載されています。
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エデュカーレ『保育のスピリット』
エデュカーレの汐見稔幸編集長の連載、「保育のスピリット」。2025年度より、その一部をHoiClueにてご紹介しています。
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