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しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記II (第十一回)「smallvillage10歳の誕生日」

齋藤美和(さいとうみわ)
掲載日:2025/02/12
しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記II (第十一回)「smallvillage10歳の誕生日」

1月、法人内で私が今身を置く保育園「しぜんの国保育園smallvillage」の10周年パーティーを行った。園自体は1979年に設立され、10年前の2014年に増改築したのが今の園舎だ。

あっという間の10年。早いような、まだ10年か、と思うような不思議な心持ち。法人各園から有志の保育者が集まってくれた。建築士の中佐さんと理事長(紘良さん)のトークセッション、そこから当時を語る保育者が集まり、今までの物語を語り合った。

会のフィナーレは、紘良さんが作詞作曲をした園歌『しぜんのうた』と、私の敬愛する電気グルーヴの名曲『虹』を紘良さんの管楽器アレンジで演奏した。ホルン、テナーサックス、フルート、バイオリン、ドラムと、ギターとベース。卒園児であり、息子でもあるハルトはエレキギターで参加した。

合唱部、アカペラ部でもあった、保育者のはづきちゃんと上島くんと一緒に、マイクで大きな声で歌った。人前で歌うなんて、ちょっと前の自分では考えられない行為だ。けれど、この人の輪で、安心できる演奏の中、10周年だし歌っちゃおう!という気持ちになれた。

目の前にいる保育者のみんなからもらった勇気が力になる。私が私であることができるのは、周りの人の力だと思う。歌の上手な二人の間で、私のヨロヨロのボーカルが浮遊する。はづきちゃんが「美和さんの声が聞こえてきて楽しかった」と笑ってくれた。私も一緒に歌えて楽しかった。

「ふりかえることもたまにある」という一節から始まる、この曲。少しセンチメンタルな気持ちになりながらも、ふとどこか力が抜けていて美しい。この曲の歌詞のように、たまにふりかえりながら、私のボーカルみたいに、ヨロヨロしながらも、ずっともっと進んでいく。

(写真は最後の挨拶をしているところ。久しぶりにうるっとしてしまった自分に驚きました。イラストはピクセルアーティストのヘルミッぺさんによるライブペインティング。建築の園の顔はどこですか?と聞かれて、道路側から見える園舎ではなく、いつも子どもと保育者が見ている風景を「顔」にしたいと思い、園庭側(内側)から見える園舎を提案しました。過去と未来と今がつながるような美しい絵をありがとうございました!)

ー このコラムは『しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記II』の連載第十一回です。

園長美和さんのわっしょい日記

園長美和さんのわっしょい日記

しぜんの国保育園の暮らしについて、園長という視点から綴られているコラム連載。“タイトルの「わっしょい」はさまざまあるようですが、語源である「和を背負う」という意味と、なんだか口に出すとうれしい気持ちになるところから名付けました。悩み揺れながら感じる日々の小さなあれこれを綴っていきたいです。”(園長美和さんより)

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