大豆から味噌を作ってみよう!〜素材/大豆〜
寒い中、茹でたてほかほかの大豆を手でつぶす作業は、なんとも心地よく楽しいです。出来上がった味噌の美味しさに、きっと驚きますよ。
エピソード
我が家では10年ほど前から味噌を大豆から手作りしています。茹でたての温かい大豆を、コネコネとつぶしたり、麹や塩を混ぜてボールにする作業はなんとも心地よく、毎年の楽しみの一つです。
粘土遊びのようで楽しいからか、子どもたちも小さい頃、喜んでお手伝いしてくれていました。
1-2月の寒い時期に行う味噌作りを「寒仕込み」と呼びます。雑菌が入り込むのを防いだり、低温でじっくりと熟成させるためにも、この時期仕込むのが良いようです。
仕込んでから10-12ヶ月熟成させて、完成です。お味噌のおいしさと共に、普段は買っているものが「作れるんだ!」という発見にもなるかもしれません。
材料
- 大豆 1000g
- 水 分量外
- 乾燥米麹 2000g
- 塩 511g
- 大豆の煮汁 500ml
- 酒粕 1袋
- チューブワサビ 1つ
※生の米麹を使う場合、大豆の煮汁は入れません。
使うもの
- 鍋(大豆を煮る)
- 大きな容器(大豆と麹を混ぜる。たらいや漬物樽など)
- ビニール袋 (30リットル以上の大きさのもの)
- 味噌ボールを並べる大きめの容器(たらいなど)
- 味噌を保存する容器(我が家では6.2リットルのプラスチックの蓋付き・琺瑯容器を使用しています)
- ザル
※火を使う工程は安全面に配慮し、子どもの姿に合わせて大人が行ってください。
作り方
大豆を水に浸そう!
1. 1日目、まず大豆を水で洗い、大鍋に入れ、24時間水に浸け吸水させます。水から大豆が出てきてしまったら、水を足します。
2. 2日目、24時間経ったら、子どもたちと一緒に大豆をのぞいてみてください。大豆は大きく膨れています!
3. 水に入れる前の大豆を一粒取っておいて、子どもたちと大きさを比べてみましょう。こんなに大きくなっています!
4. 大豆を二つに割ってみて、中がこのように平らになっていたら吸水完了です。凹みがあれば、吸水の時間を延長しましょう。
大豆を茹でよう!
5. 「2」の鍋の水を入れ替え、大豆を中火で茹でます。沸騰したら弱火にして3時間煮ます。
水の量は、常に大豆がひたひたに浸るようにしましょう。
6. 火にかけて30分ほどすると、雲のようなアクがモコモコと出てきます!この様子が面白いので、子どもたちと一緒に観察するのがおすすめです。このアクはすくい取ります。
7. 3時間経ったら茹で具合を見てみましょう。大豆を親指と小指で挟み、軽い力でつぶれるようになったら煮上がりです。忘れずに分量の煮汁を取ってから、ザルにあけ、人肌くらいまで冷ましましょう。冷水をかけてもOKです。
8. 大豆を冷ましている間に麹を塩切り(塩を混ぜる)します。たらいなどの大きな容器に、麹と塩を入れ、まんべんなく混ぜます。固まっている麹や塩があれば、ほぐしましょう。
茹でた大豆を潰そう!
9. 大豆が冷めたら、ビニール袋に入れ、口を軽く結びます。
10. ここからが楽しい作業です。ビニール袋の上から、子どもたちに手で大豆をつぶしてもらいましょう!温かい大豆をつぶす作業は、粘土遊びのようです!
ビニール袋が破れない程度の優しい力であれば、どんなつぶし方でもOK。指先でぷちぷちとつぶしたり…
優しくパンチしてみたり…
ギュッギュと握ってみたり、色々なやり方で楽しくつぶしてみましょう。
11. 大豆のお豆の形が無くなったかな?と思ったらビニール袋を開けてみてください。全体がペースト状になっていたらOKです。何粒かお豆の形が残っていても大丈夫です。
味噌ボールを作ろう!
12. 「8」の容器に、つぶした大豆と、「7」で取っておいた大豆の煮汁を入れ、手を使ってよく混ぜます。この作業も、砂場遊びのようで楽しいです!
13. 全体が混ざったら、子どもたちに味噌ボールを作ってもらいましょう。「12」を両手を使ってボール状に丸めます。空気が入らないよう、ギュッギュとよく握りましょう!
14. 出来上がった味噌ボールは1箇所にまとめておきます。たくさんの味噌ボールができました!
容器に入れて熟成させよう!
15. 味噌ボールを保存容器の底から、隙間が無いように詰め込みます。こぶしでギュッと押して…
角に詰めるとやりやすいですよ。
16. 味噌ボールを入れながら、表面を平らにしていきます。どんどん積み上げていきましょう。
17. 味噌ボールが全て入ったら、こぶしでギュッギュと押して、表面を平らに整えます。
18. ここからは、作った味噌をカビさせないための作業です。酒粕を表面にビッチリと、敷き詰めましょう。酒粕にはアルコールが含まれますので、この作業は大人が行なってください。
19. その上にラップをぴっちりと敷き、更にその上に、ワサビで好きな模様を描きます。今年はヘビ年なので、ヘビを描いてみました。
20. 保存容器の内側に付着した味噌をきれいに拭き取り、ふたをしたら、ついに完成です!分かりやすいように、仕込みと開封の時期をメモしてもいいですね。
直射日光の当たらない、風通しの良い場所で熟成してください。このまま10-12ヶ月寝かします。
21. 昨年同じ方法で、12ヶ月熟成させた味噌です。とても美味しい赤味噌が出来上がっていました!食べるときは、酒粕・ラップ・ワサビを外して、お味噌をいただきます。
ポイント
- 茹で上がった大豆や麹を触る前に、手をよく洗いましょう。
- 味噌が出来上がったとき、蓋にした酒粕の際に白いカビのようなもの「産膜酵母」が生えることがあります。身体に害はありませんが食感が悪いため、周りを5mm程度取り除いてください。
(産膜酵母について詳しくは[食べ物質問箱/農研機構]または[お味噌の特徴/マルカワみそ]をご覧ください。) - 蓋に使用した酒粕のアルコール分が気になる時は、味噌を加熱してアルコール分を飛ばす、酒粕に触れていた味噌の表面は大人がいただくなどしてください。
- 蓋に使用した酒粕には味噌の旨みや塩分が染み込み、取り除いた後は「味噌粕」という調味料として使用できます。味噌漬けの要領で、鮭や鶏肉などを漬け込み、焼いて食べると美味しいですよ。
- 味噌づくりを検討する際には、大豆アレルギーのお子さんがクラスや学年にいないかなど園で必ずご検討ください。大豆アレルギーについて詳しくは[食物アレルギーの子どものための食事の基礎知識/独立行政法人 環境再生保全機構]をご覧ください。
参考資料: