保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

やぶいて見立てる「なんのかたち?」〜かたちあそび〜

田中 令
掲載日:2023/06/08
やぶいて見立てる「なんのかたち?」〜かたちあそび〜
本物そっくりに、じょうずにつくることよりも、イメージすること。
芸術は、想像を楽しむ世界!

たまたま生まれた、ふしぎなかたち。
「◯◯にみえる!」とスイッチが入ったら、どんどんイメージが広がります。

今回は、シンプルだけど奥深い、かたちあそびをご紹介します。


材料

・おりがみ(色数の多いものがオススメです)
・画用紙(最初はA4サイズくらいから)

使うもの

のり

あそびかた

1. 好きな色の折り紙を、1枚えらぶ。


2. なにも考えずに、やぶく!ちぎる!
勢いよくやぶくと、まっすぐに…
ちまちまゆっくりちぎると、まあるいかたちに。
指の動きによって、生まれる形の違いも楽しんで◎ 


3. たくさんうまれた、ふしぎなかたち。
この中から、お気に入りを一つ選びます。
ここではそれを、「はじまりのかたち」と呼ぶことにしましょう。


4. 画用紙の上に、「はじまりのかたち」をいろんな向きにしながら置いてみて。
何に見えるかなー??


5. 「◯◯に見える!」「△△だ!」
スイッチが入ったら、その向きにきまり★
のりを使って、画用紙に貼ります。
(わたしは、しっぽを振っている犬に見えました)



いろいろあそびかたプラス!

その1:かたちから、世界を広げてみよう。

なにかに見えた、はじまりのかたち。
そこからさらに世界を広げるべく、2で生まれたほかの形も画用紙に貼ってみよう。
(わたしは、犬の目の前にごはんと、「待て!」している人間の手を追加!)


その2:一緒にあそぶお友達が、生んだ「かたち」も見てみよう!

欲しい かたち があったら、交換してみてもいいね。
新しい色の かたち が加わると、世界がまた広がります。


その3:じぶんの世界を、よりかっこよく!

ペンやクレヨンで描き足したり、欲しい形をハサミで作っても◎


その4:想像は人それぞれ。

できあがった作品を並べて、みんなの世界について話し合ってみよう。
同じかたちでも、見える世界はみんなちがうかも!?

***

今回のベースになっているのは、こどもたちが大得意な「見立て」あそび。
目の前の何かから、実際には目の前にないものを想像してあそぶことです。

「見立て」ることが大切なので、スタート時にハサミなどは使いません。
抽象的な、ふしぎなかたちから発想することが大切です。

そして、想像がふくらむと、より具体的に表現したくなってきます。

こどもたちの様子をみながら、ハサミやクレヨンなどの道具を出してみてくださいね。
「作りたい!」という気持ちがエンジンになり、もりもり制作すると思います。
このあそびを重ねることで、こどもたちの想像力はどんどん鍛えられていきます。

一方で、「何か」に見立てない子がいても、大丈夫。
やぶくだけ、貼り重ねるだけ、その行為を楽しむだけでもきっと、その子独自の創造の世界ができあがります。
紙をちぎる時の、いろんな指使いや力加減も、発達練習になるはず!

想像/創造の世界は、みんな違うことを体験し、その違いを、おとなも一緒に面白がる時間になったら素敵だなあと思います。