今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは〜第3回 安心して眠れるために気持ちを安定させる5つの心得〜
新学期、新しい環境の中で子どもたちが安心して眠れるようになるために、保育者はどんな点に気をつければいいでしょうか。乳幼児保育歴の長い今井和子先生に聞きました。
シリーズ第3回は「安心して眠れるために気持ちを安定させる5つの心得」です。
(この記事は、『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2018春 に掲載されたものを元に再構成しました)
監修
今井和子先生
「子どもとことば研究会」代表。二十数年間公立保育園で保育者として勤務。その後、東京成徳大学教授、立教女学院短期大学教授などを歴任。現役保育者であったころからの経験をもとに、全国の保育研修なども行っている。著書に『0・1・2歳児の担任になったら読む本 育ちの理解と指導計画【改訂版】』、『0歳児から5歳児 行動の意味とその対応』(ともに小学館)など。
1. 不安な気持ちを受け入れ、泣かせてあげる
泣いたらまず、無理に泣きやませようとはせず、「泣いていいんだよ」と、不安な気持ちを受けとめます。そして、その子がどうしてほしいのか、泣いている理由を探します。
「おむつがぬれて気持ち悪かったね」
「おなかがすいちゃったのね」
と、その子の身になって話しかけるだけで、子どもは安心するものなのです。
また、一人ひとりの保護者から、子どもが家ではどんなときによく泣き、どのようなあやし方をしているかを詳しく聞いておくのもよいでしょう。
泣いている子の気持ちが和らいできたら、抱っこは向き合うのではなく、前向きにして、一緒の方向を見るようにします。まわりが見えるようになることで子どもの世界が広がり、いろいろなものに興味を持つようになります。
2. 戸外に出て、自然に触れる
戸外に出て自然に触れることで、開放感に浸れ、情緒が安定することで安心して眠れるようになります。
園庭でブランコに乗っている他児をじっと見ていたり、散歩の途中で電車に見入っていたりと、特に戸外ではまわりのことに興味津々。そんなとき、その子が何に見とれるのか、子どもと同じ目線で観察します。興味のあるものを見つけたら、「Aくんは電車が好きなのね」などと言葉をかけると、自分の気持ちがまわりの人に伝わったことを喜ぶとともに、人を信頼し、その人に心を開いていくきっかけにもなります。そうすればやがて「今、電車で遊びたかったの」と、自分の気持ちを言葉で表現できるようになっていきます。
3. 生き物を飼う
文/大石裕美 イラスト/奥まほみ
この記事の出典 『新 幼児と保育』について
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この記事の連載
今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは〜第1回 家庭での生活リズムを把握して子どもに合わせた環境をつくる〜
そんな環境の中で乳幼児が安心して眠れるようになるために、大切なことは何でしょう。
乳幼児保育歴の長い今井和子先生に、ヒントを教わります。
第1回は「家庭での生活リズムを把握して子どもに合わせた環境をつくる」です。
今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは 〜第2回 睡眠リズムの変化と環境構成の工夫~
乳幼児保育歴の長い今井和子先生に、ヒントを教わります。
第2回は「睡眠リズムの変化と環境構成の工夫」です。