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今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは 〜第2回 睡眠リズムの変化と環境構成の工夫~

新 幼児と保育
掲載日:2021/04/20
今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは 〜第2回 睡眠リズムの変化と環境構成の工夫~

乳幼児にとって睡眠はなぜ重要なのでしょう。保育室で安心して眠れるようにするために、保育者が気をつけることは……?
乳幼児保育歴の長い今井和子先生に、ヒントを教わります。

第2回は「睡眠リズムの変化と環境構成の工夫」です。

(この記事は、『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2018春 に掲載されたものを元に再構成しました)

監修

今井和子先生
「子どもとことば研究会」代表。二十数年間公立保育園で保育者として勤務。その後、東京成徳大学教授、立教女学院短期大学教授などを歴任。現役保育者であったころからの経験をもとに、全国の保育研修なども行っている。著書に『0・1・2歳児の担任になったら読む本 育ちの理解と指導計画【改訂版】』『0歳児から5歳児 行動の意味とその対応』(ともに小学館)など。

子どもにとって睡眠が重要なわけ

睡眠を中心にして、なぜ生活リズムを整えなければならないか。
「寝る子は育つ」というように、睡眠には、脳をつくり、育て、守り、よりよくするという働きがあります。大人の睡眠は身体や脳の機能を維持するためのものですが、乳児期の睡眠は身体や脳の機能をつくります。赤ちゃんは起きている間、五感をフルに働かせてさまざまな情報を得て、眠っている間にそれら情報を記憶として整理し、大脳を発達させているのです。

それに加え、生後3か月ごろから睡眠中に成長ホルモンが分泌されるようになります。
これにより、身体の新陳代謝を促し、細胞組織を修復し、再生します。そして、この時期の睡眠が、昼と夜の区別がつくようになる生活リズムをつくっていくためにも、重要だからなのです。

※月齢・年齢はあくまでも目安です。

新生児~2歳の睡眠リズムの特徴

新生児

1日あたりの睡眠時間が多い(1日の約3分の2)。
大人に比べてまどろみ(後のレム睡眠=浅い眠り)の割合が大きい。

生後2〜3か月

1日の半分以上眠って過ごす。 

3〜6か月

睡眠時間は1日の約半分になる。生活リズムを身につける。
臨界期。朝決まった時間に起き、規則正しい授乳、昼間は起きて遊び、夜休むことを規則的にくり返す生活が重要。 

6か月〜1歳

1日の睡眠時間は12〜13時間。
夜まとめて眠るようになる。脳の発達とともに、ノンレム睡眠(レム睡眠ではない深い眠り)が現れる基礎ができる。夜泣きが多くなる。 

2歳〜

ノンレム睡眠とレム睡眠。
日中の運動量が増えるなどにともない、ノンレム睡眠が増え、夜の熟睡量が一生のうちで最も多くなる。

 

生活リズムの自立への第一歩

子どもの育ちとともに、1日の睡眠時間や睡眠リズムも変化しますが、それも脳の発達にともなって生じるものです。ですから、乳児期の睡眠不足や睡眠リズムの乱れは、この時期の子どもの心と身体の発育・発達に、とても大きな影響を及ぼしかねません。

家庭ではまず、夜更かしさせないこと。照明を暗くしたり、入浴時間を一定にするなど、眠りに必要な環境を整え、絵本を読んだり、子守唄を聞かせたりして、眠りにつくまでの間、温かなふれあいの時間をともに過ごすようにします。

園でも、「寝かせる」ではなく、家庭での生活に沿って、子どもが安心して生活できる状況を作っていくことが大切です。こうした条件が揃って初めて、子どもは眠りにつくことができるのです。
 

1・2歳児の1日の睡眠リズムの例

夜の睡眠

7:30 起床 
1〜2時間、天気のよい日は外遊びを!

12:30 昼寝
1時間30分〜2時間

14:30
1〜2時間、天気のよい日は、外遊びを!

20:30 就寝
夜の睡眠


子どもが安心して過ごせる環境構成

保育室の環境も、家庭の延長としてなじみやすい雰囲気づくりを心がけます。子どもがホッとくつろげるよう、家で遊んでいるおもちゃと同じようなものを置くことも重要です。

0歳児の場合、月齢の差もあり、一人ひとりが違う生活リズムで過ごしているため、寝る時間、目覚める時間はさまざまです。寝ている子もいれば、遊ぶ子も、食事をする子もいて、同じ空間ではお互いに心地よい時間が過ごせません。気持ちよく寝かせてあげるために、眠くなった子がいつでも静かに眠れる場を用意したり、遊ぶ空間、食事をする空間をカーテンや家具などで仕切って部屋を構成したりするといいでしょう。また、明るさ、音、人の動きなども考慮しながら、ベッドや布団の配置を変える工夫をすることも大切です。

明るいと眠れない場合は、日の当たる窓辺を避け、まわりを保育者や子どもが通ることで落ち着いて眠れないという場合は、なるべく人が通らない場所へ移動します。大半がまだ自由に移動できない子どもたちなので、あお向けやうつ伏せで遊んだり、手足をバタバタと動かしたりするスペースも確保しましょう。

0歳児の環境構成の例。一人ひとりの生活リズムが違うので、寝る、遊ぶ、食べる空間を分けて配置する。また、遊ぶスペースも、活発に動き回る1歳に近い子と、自由に移動できない子のスペースを分けるとよい

1歳児になると、一人ひとりが自分のホッとできる場を見つけ、したいことが十分に楽しめる室内空間であることが大切です。そのため、新入園児には、0歳児同様、家庭で遊んできたおもちゃと同じようなものを用意すること。ひとりになれる心地よい居場所をダンボール箱など使って、設置するのもいいでしょう。

かみつき時期でもあるので、子どもたちがーか所に集まってしまうことがないよう、遊ぶ環境を工夫します。このころになると、昼寝は休息にすぎないので、長く寝かしすぎないよう、1時間半ぐらいで起こします。

文/大石裕美 イラスト/奥まほみ

  

この記事の出典  『新 幼児と保育』について

新 幼児と保育

保育園・幼稚園・認定こども園などの先生向けに、保育をより充実させるためのアイデアを提案する保育専門誌です。

 

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