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「実習日誌」の書き方のポイントを教えて!【実習中-Vol.2-】

三輪ひかり
更新日:2021/08/24 掲載日:2017/05/13

「実習日誌」の書き方のポイントを教えて!【実習中-Vol.2-】


実習の中で苦手なことのひとつとして、「実習日誌」をあげる学生さんが多くいます。

たしかに、たくさん書かなきゃいけないし、ただでさえ実習で疲れているのに、そのあと何時間もかけて日誌を書くのは、とても大変ですよね。
また、どのような視点を持って日誌を書けばいいのか、悩む学生さんも多いようです。

ここでは、実習日誌の書き方のポイントをおさえ、みなさんの実習のプラスになるような日誌の書き方を考えていければと思います。



「実習日誌」ってなんのために書くの?

そもそも、なぜ実習日誌は書くのでしょか?
そこが理解できると、苦痛だった日誌も少しは筆が進むかも?!しれません。

1、振り返る

目まぐるしく時間が過ぎていく実習中に、子どもの行動や自分の関わり方について、立ち止まって考えることも難しい。そこで、観察した子どもたちの様子や活動を、書き出しまとめることで、「振り返る」時間をつくるのが、実習日誌のひとつの役割です。

また、保育や子どもの育ちは、点で起こることではなく、線として続いていくものでもあります。
結果だけでなく、プロセスのなかに重要なことが多く含まれていたり、その瞬間だけで切り取るのはなく、実習中の期間で子どもの成長や活動を見ることで、新しい発見や気付きもあるでしょう。

2、共有ツール

実習日誌は、担当保育者からアドバイスや指導を受けるときの材料になります。
担当保育者も、日誌を見ることで、どのような視点を持ってあなたが子どもと関わっているか知ることができ、より的確なフィードバックをすることができます。

3、客観視する

自身で、自分や自分の活動・行動を客観視するときにも、実習日誌は非常に役立ちます。
書き出すことで、自分が保育中にした判断や行動がどのように子どもたちに作用していたのか、他にどんな対応ができたかなどに気付くことができるでしょう。

実習日誌は、記録として残るものだから、実習中だけでなく後日見返したときにも、学びを与えてくれるよね!!



実習日誌を書くときのポイント!

実習日誌は大きくわけて、

・クラスの状況
・日付と天気、保育のねらい
・子どもの活動
・保育者の活動と援助
・実習生の動きと援助
・反省と考察

の6つのパートにわかれます。

ここでは、ひとつひとつのパートの書き方について具体的なポイントをおさえていきましょう!

クラスの状況


毎日クラスの状況は忘れずに書きましょう。
同じクラスでの実習が続いた場合も、あとで読み返した時に分かるように、省略はしないほうがいいですね。

日付と天気、保育のねらい


保育環境のひとつにもなる「天候」は忘れずに記入しておきたいところ。
天気によって子どもたちの遊びや活動にも変化があることに気付けるかもしれません。

また「ねらい」は、学校によって書き方が異なり、

1、実習生自身のねらいを書く(自分で決める)
2、クラスの保育のねらいを聞いて書く(クラスの先生が決める)
場合があります。

実習生が自分で「ねらい」を立てる場合は、今自分が学びたいと思っていることや課題に感じていること、前日の子どもたちの様子を振り返ってたてるのもいいでしょう。

子どもの活動


子どもの活動の様子は、実習生の主観をいれず、事実を書くことを意識しましょう。
(例:嬉しそうに友だちと話している。…もし笑っていたとしても嬉しいかどうかは子どもにしか分からないですよね。「笑顔で友だちと話している」という方が事実を書いていることになります。)

環境構成の図(保育者の位置、椅子の並べ方、道具の配置など)も合わせて描くと、よりその場面が想像しやすくなるのでおすすめ!



保育者の活動と援助


ここには、実習に入っているクラスの保育者の様子を書きます。

・個々の子どもへの関わりかた
・集団への声の掛けかた
・環境設定の仕方

など、具体的に記入すると、自分の学びに大きく繋がっていくでしょう。
また、部分実習や責任実習をする時の参考にもなります。

実習生の動きと援助


自分が
・いつ
・どこで
・何をしたのか

を詳しく、具体的に記入します。

子どもたちの名前の記載方法は園によって違うよ。
実習が始まる前に確認しよう!



反省と考察


最後に、一日を振り返っての反省や考察、特に心に残っている子どもたちや保育者の姿などをまとめて書きます。
その日立てた「保育のねらい」を軸に書くことで、実りのある反省と考察になるでしょう。

実習日誌を書く際に全体を通して気をつけたいのは、
・誤字脱字
・過去形ではなく現在形で書く
・話し言葉や絵文字を使わない
・期限を守る
こと。
意識しよう!



忘れないうちに「メモ」を取ろう!!

記憶だけでその日を振り返って書くと、どうしても曖昧なものになり、具体性に欠けてしまいます。
そこで実習日誌を書くのに、とても役に立つのが実習中に「メモを取ること」です。

特に、ポケットにいれておけるような小さなノートを用意しておくと、どこでもメモを取ることができるのでおすすめです。
ぜひ、これらのポイントを意識して、日誌を書いてみてくださいね!


お知らせ

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