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ここでしか聞けない!新沢としひこさんが保育の現場にいたときの話【番外編vol.2】

ここでしか聞けない!新沢としひこさんが保育の現場にいたときの話【番外編vol.2】

保育と歌についてたっぷり語ってくださった、シンガーソングライターの新沢としひこさん。

前編:考えることをやめないで。」にじ作詞者、新沢としひこさんが語る、“保育と歌”で大切にしてほしいこと
後編:「さよならぼくたちのほいくえん」を生み出した新沢としひこさんの考える、新しい「卒園ソング」の選び方

新沢さんの最後の対談記事になる今回は、新沢さんが保育園で働いていた頃のお話について、大公開します!


子どもたちとの生活の中にある「音楽」


新沢さんの働いていた「りんごの木」」の保育って、型にはめられていない自由な保育というイメージがあるんですけど、歌や音楽ってどのように保育に取り入れていたんですか?

「りんごの木」ね。実は柴田愛子さん(りんごの木代表)もすごくピアノが上手で、楽譜も強いしなんでも弾けちゃう人なの。で、僕もそういうピアノも好きだったんだけど、でも保育の中でピアノ弾いてみんなで歌うってことは、ほとんどしなかったなぁ。

それは「はい、みなさん集まって歌いましょうね」って立たせて歌うっていうのが、あんまり好きじゃなかったっていうこともあって。


あぁ、わかります。
子どもたちが“歌わされて”歌っているのって、なんか違和感ありますよね。

そうそう。3歳児のクラスだったというのもあって、子どもたちと自然に生活している中では、そういう音楽とのつきあい方は出てこないんだよね。

だから、僕が保育のなかで子どもたちと音楽を楽しむのは、例えば子どもが保育室にあるピアノに気付いて「これなあに?」って聞いてきて、それに対して「これはね、音が鳴るんだよ」って言って一緒に弾いたりとか、遊びのなかで「あ、なんか音がしましたね」とかって言って、そしたら「雨が降ってきましたパラパラパラパラパラパラパラ…」「あ、でも、だんだん嵐になってきた〜」とか、そんなやりかたばかりだったかな。


「音楽のチカラ」を感じたある出来事


子どもたちとそうやって音楽を楽しむなかで、印象に残っているエピソードってありますか?

んー、僕が保育士をしていた頃ちょうどオリンピックがあって、子どもたちのなかで、オリンピックごっこみたいなのが流行っていたんだよね。

そしたらさ、ある子が「オリンピックやりたいの。はしるからピアノひいて」って言ってきて。意味がわかんないと思って「なんで?」って聞いたら、「なんかひいたらはしるから」って。

もしかしたら開会式かなにかで、音楽に合わせて走ってる姿を見たのかもしれないと思って、「うん、分かった」って、創作でチャチャチャチャってアップテンポな曲をさ、弾いてあげたんだよね。


そしたら、喜んでダダダーって走り出したの。

翌日も、「としにいちゃんまたオリンピックやって」って言ってくるわけ。昨日どうやって弾いたかな、あぁこんな感じだったなって思いながら、こうやってチャチャチャチャって弾くと、またわーって走るんだよね。

で、毎日テレビでオリンピックやってるもんだから、子どもたちも毎日「オリンピックやって」って言ってきて。
毎日弾いてたらね、最初のうちは3人ぐらいが走ってたのが、だんだんこの曲が流れると5人が走り、10人が走りって、とうとうみんなが走るようになっていったんだよね!もう条件反射みたいに(笑)。

それ、おもしろいですね!!

そうでしょ。この話にはまだ続きがあって。
また別のある日に、3歳の男の子が誰かにおもちゃ取られたとかで愛子さんのところにやってきて、「◯◯くんにとられたぁー」とか言ってわーって泣いてたんだよね。

で、その時は僕そんなことが愛子さんのところで起きているなんて知らなかったから、全然違う子が他のところで遊んでいた僕のところにきて「オリンピックやって」って言うから、いつものようにチャチャチャって、オリンピックのうたを弾き始めたの。


そしたらさ、もちろん部屋のなかにいる子はみんな走り出したんだけど、なんとその愛子さんのところで泣いていた男の子も、「ばかばか。わーん」って泣きながらも走り始めたんだよね(笑)!

あの愛子さんも思わず「なんなのよ、なんだったのよ」って言っちゃったって(笑)

えー、そんなことってあるんですか!音楽のちから、恐るべし!!

本当にすごいなぁと思ったよ。
音楽っていうのは不思議で、言葉の理屈とは違うところにこう届いちゃったりするんだよね。

うんうん。
もしかしたら、保育士なら一度はそういう経験をしたことがあるかもしれないですね。



新沢としひこ


新沢としひこ:シンガーソングライター(所属:アスク・ミュージック)・元保育士
1963年生まれ。
東京の保育所で保育者を経験した後、シンガーソングライターになり、数多くのCDや楽譜集を発表。
代表作『世界中のこどもたちが』は、小学校の教科書に採用され、カバーも多数。
現在は、ソロコンサートやジョイントコンサート、保育講習会の講師として活躍するかたわら、CD制作のほか児童文学の執筆や絵本を出版するなどマルチに才能を発揮している。


雨宮みなみ


雨宮みなみ(あめみやみなみ):こども法人キッズカラー代表
1986年生まれ。
和泉短期大学児童福祉学科を卒業後、保育士として6年間子どもたちと携わった後2010年起業。自身の保育士経験を軸に、「あったらいいな」を形にHoiClue♪の立ち上げを行う。
2014年に第一子を出産し、一児の母でもある。

(執筆・撮影:三輪ひかり)

  • ほいくるライター 三輪 ひかり
  • ほいくるライター 三輪 ひかり

編集者・ライター・保育士

「その人がより、その人らしく生きる」ことを想い描きながら、ワークショップデザイン、企画・編集、執筆をする傍ら、保育園で子どもたちとのんびり暮らしています。関心分野は、家族、子ども、教育や、生きかた。

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