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園長先生に聞いた!「実習」を受け入れる側の気持ちとは?【実習中-Vol.1-】

三輪ひかり
更新日:2021/08/24 掲載日:2017/05/13
園長先生に聞いた!「実習」を受け入れる側の気持ちとは?【実習中-Vol.1-】

ここまで、実習先の選びかたや、準備について学んだり、先パイ保育士のみなさんの意見を聞いてきました。

でも、他にも気になることがありますよね。
そう、「実習を受け入れる側の先生たちの気持ち」。

実習で大切なことって?
実習生に期待することは?
などなど、みなさんが気になるであろうことを質問してきました!


お話をお伺いしたのは、このおふたり

今回お話を伺ったのは、認定子ども園「岩屋こども園アカンパニ」園長の室田一樹 さん。


そして、体験型あおぞら保育「わんぱくしーさー保育園」園長の木内 清佳 さんです。


以前ほいくるで園の取材もさせていただいた、このふたりの園長先生方に、実習について 丁寧にお答えいただきました。

Q1:実習生に期待すること・望むこと

一人の人として、子どもと遊んでほしいなと思います。
そうすると、あなたの中にある“子どもイメージ”が、良くも悪くも覆るはずです。
また、個別具体的な子ども一人ひとりと出逢い、子どもを理解することが大切だと思うので、意識してみてください。

積極的な姿勢ですね。
学びにきているのですから、上手くできないことは、園側も百も承知。上手にできなくても一生懸命子ども達と関わろうとする姿、現場の先生の言葉かけや関わり方や動きを盗み取ろうとする姿、そして、分からないことや疑問を積極的に質問する姿が見られることを期待します。


Q2: 実習生に大切にしてほしいこと(気をつけてほしいこと)


部分実習や1日実習など、子どもの前に立って上手(?)に保育することが求められがちですが、保育は子どもに何かを教えるものではなく、生活者モデルとして子どもとともに保育の場を生きるものです。
たとえ実習生であっても、子どもにとっては“傍にいてくれる大人”であることを忘れないで下さいね。
保育で大切なことは、出逢った子どもが教えてくれます。

「笑顔」と「感謝の気持ち」を持って臨むことですかね。
緊張で表情が堅くなってしまう学生を見かけますが、子どもとコミュニケーションを図る際に笑顔は不可欠です。
また、受け入れて頂いている園、指導して下さる先生、学びの場を与えてくれる子ども達にも感謝の気持ちで臨むことで、実習の意味や価値を感じ取ることができるようになると思いますし、実習先での良い人間関係の構築にも繋がると思うので、ぜひ意識してみてくださいね。


Q3: これから実習をする保育学生のみなさんへ、一言メッセージ


実習は、保育者として生きる道を選ぶか否かを決める大切な機会になることが少なくありませんが、日本にはいろいろな保育観、子ども観を持った園があり、その理念の具体化もいろいろです。
実習だけでなく、ボランティアやアルバイトの機会を利用して、少しでも多くの保育現場を経験してほしいと思います。
また最近、保育士の給与が低いことが話題になっていますが、書類に書かれた労働条件よりも、その園がどのように子どもを大切にしようとしているのか、園長が職員をどのように大切にしようとしているのかのほうが、大事なのではないかと、わたしは思います。
実習は、そこを見極める目を養うためにも良い機会になるでしょう。
子どもの中には、実習生が明日から来なくなることを知り、淋しいと言って泣いてくれる子もいます。それほど実習生であるあなたたちが子どもにとって、影響力を持つことをくれぐれも忘れないで下さいね。

実習は楽しいことばかりではないかもしれません。むしろ思い描いていた楽しさよりも、大変さや責任の重さに直面するかも。私自身、短大の頃に受けた実習の日々は、辛かった思い出の方がはるかに多いです。
しかしそれらの実習での経験が、現場に出た時にどれだけ力になったか、計り知れません。
恐れず、自信をなくさず、素敵な保育者になる第一歩を踏み出してくださいね。



園長先生のお話を聞いて、いかがでしたか?
実習前はもちろん、実習の途中でも思い返したい大切な視点をいただいたのではないでしょうか。
みなさんが豊かな実習の時間が過ごせますように、ほいくるも応援しています!



室田一樹


室田一樹認定こども園「岩屋こどもアカンパニ」
園長
認定こども園「岩屋こどもアカンパニ」


木内 清佳


木内 清佳体験型あおぞら保育「わんぱくしーさー保育園」
園長
体験型あおぞら保育「わんぱくしーさー保育園」


(執筆:三輪ひかり)


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