みんなが園で行っている、震災対策は?〜アンケート結果を元に考える震災対策〜
避難訓練だけで大丈夫?
大きな地震が続いている今、改めて見直したい保育園での震災対策。
アンケートを通して寄せられた結果と併せて、いくつかの園に取材した震災対策をご紹介。
結果から見る、震災対策
今回のアンケートでは、主に下記のような各園での対策方法が寄せられました。
(アンケート実施時期:2016/05/19〜2016/05/25)
子どもたちへの配慮編
・避難訓練
・改めて、実際の避難先に子どもたちを連れて行く
・子どもたちが何も落ちてこないような安全な場所で過ごせる環境配慮
・花瓶を、割れないものに変えるなど安全面の配慮
保護者との連携編
・引き取り訓練
・連絡方法の確認
・一斉メールが届くかどうかの確認
・緊急連絡カードを職場の遠い順に並べておき、その順に連絡できるようにする
・保護者との、避難場所の確認(再周知)
園での管理体制編
・職員全員で地震対策マニュアルの見直し
・避難経路の見直し、確認
・避難方法の再確認
・病院との連携の確認
・保護者への対応の仕方の確認
普段の備え編
・避難リュックの中身確認
・非常食、水の備蓄
(ペットボトル500mlの水: 2本、カンパンの缶: 1個を子ども1人ひとりに配給出来るよう、備蓄)
・オムツ、避難靴、着替え一式用意
・アイス10人分
・行き先など連絡先を書いておく為のボードやペン、ガムテープなどをお散歩バッグに
他園で取り組まれている震災対策
どんな震災対策をしているのか、たくさんの園を運営されている2つの会社さんにご協力いただき、各自で取り組まれている震災対策について直接お伺いしました。
取り組み(その1)
・保護者・職員向けに、一斉配信メール・掲示板の活用
・防災備品として1~2日分位の備蓄品・食料品の備蓄
・全園にAEDの設置
・リスクマネ-ジメント委員会の設置
・危機管理に関する研修の実施
取り組み(その2)
・危機管理マニュアルの見直し&再作成
・一斉メール作動の定期的確認
・災害対策カードの作成&配布(避難先を書いた名刺サイズのカードを、一家庭に1枚配布)
・施設強化対策費を
・新しい園では、空調を蓄電型(ガス)に
・各施設園長で福島へ行き、震災を経験した園より研修を受ける
・帰宅困難者対策に基づく3日分の食糧と水の備蓄(備蓄管理)
当たり前だからこそ意識しずらい、危機管理
取材の中で印象的だったのは、「新年度の震災対策」について。
2016年に熊本・大分で起きた地震は、4月14日のこと。
新年度が始まったばかりのこの時期、「まだ、新しいクラス体制での避難訓練をしていない!」ということがあってもおかしくはありません。
新園では、全員での避難経路の確認すらできていないこともあるかも…
新年度に入ってから、保護者への一斉メールの周知を行ったりすることもありますが、地震はいつくるか分からないもの。
「まさかこんな時期に!」「まだ避難訓練していなかった!」なんてことにならないように常に向き合っておくべきことがあるはず。
“何かあってからでは遅い“という意識はありつつも、つい目の前のことが優先されてしまい先送りになってしまいがちな震災対策。
大事な大事な命を託されているという責任と、いつ何が起きてもおかしくない可能性を改めて考えると、今ある対応に安心せず、定期的な見直しをすることの重要性を改めて感じさせられたアンケート・取材となりました。
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