新しい「あたりまえ」を次々と創りだす!フローレンス駒崎さんの考え方<前編>
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」ことをミッションに、様々な子どもに関する事業を手掛ける、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さん。
保育士の処遇改善や待機児童問題についても精力的に活動されている駒崎さんに、なんとなく知っているけれど改めて聞きたいことなど、さまざまなお話を伺ってきました!
駒崎さんの活動の原点は「母親」にあった
保育業界で働いていて、駒崎さんのことを知らないという人はいないんじゃないかと思うくらい、駒崎さんの認知度は高いので、もしかしたら改めてお聞することがあまりないかもしれないんですけれど。
ありがとうございます(笑)。
でも意外と、駒崎さんがフローレンスを始めた原点は知らない人も多いのではないかと思うので、まずはその原点についてお聞きしてもいいですか?
はい。原点はベビーシッターをしていた母親なんです。
当時母親が、お預かりしていた子どもたちの中に、双子のお子さんがいたんですけど、その子たちは普段保育園に通っていて。
でもある日、熱がでて保育園に行けなかったんです。
はい。
だから、その双子の母親も仕事を休んで、子どもたちのことを看病したらしいんですよ。
結局母親は、看病するために1週間くらい会社を休んだんですけど、そうしたら会社の人が激怒して、母親は解雇されてしまったんです。
そんなことあるんですか…!
ぼくもその話を母親から初めて聞いたときに、「そんな馬鹿なことがあっていいのか」と思ったんです。
子どもが熱を出すのは当たり前だし、子どもを看病する人が他にいなければ、親が看病しなければいけない、ということも考えたら分かることのはずなのに。
それで職を失っちゃう社会っておかしいなと思って。
うん、おかしい…!
そこで、色々調べていったら「病児保育」というものがあると、わかったんです。
しかもインフラとして世の中に全然普及していない。
じゃあ、ぼくがやらなくちゃいけないと思って(笑)。
なるほど。それで始められたんですね。
そうなんです。
13年前フローレンスを始める前に、ぼくはIT企業のベンチャーをしていたんですけど、判然としないというか、あまりやっても意味ないんじゃないかな、という思いを抱いて。
その時に母親からこういう話を聞いていたことを改めて思い出して、世の中の役に立つこと、課題を解決できるこの事業こそ、ぼくのやるべきことなんじゃないかと思ったんです。