保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

保育は、“日本の未来を創る”仕事。だからわたしは園を飛び出した〈前編〉

ほいくる編集部
掲載日:2014/10/06
HoiClue♪を運営するKid Color代表の雨宮と、こどもみらいプロデューサーの小笠原舞さん。

共に保育士を経て子どもに関わる新しいカタチのプロジェクトを始めた二人に、保育士時代の葛藤や、活動を始めたきっかけ、運営を通して感じたことや今後の展開などを聞いてみました。

小笠原さんと雨宮。Kids Color Inc.の新しいオフィスにて。
小笠原さんと雨宮。Kids Color Inc.の新しいオフィスにて。


肩書がたくさんある小笠原さん、どんな活動をしているんですか?

小笠原舞

所属は、合同会社こどもみらい探求社の共同代表。マイプロジェクトで「asobi基地」をやっています。肩書は、自分の役割だと思っている「こどもみらいプロデューサー」です。


「asobi基地」とは、どんなプロジェクトですか?

小笠原舞

保育士が保育園で出来ない楽しい事を、子どもと一緒に行う事です。


保育園だと親との関係や園の教育方針など制約が多く実現できない事を、保育士自身が企画・運営する子どものための遊び場です。

しかし、ただ子どもが遊ぶだけのコミュニティではありません。


遊び場に困っていたり子育ての相談をしたい親御さん、親から少し離れて、自分が好きな遊びを見つけて自由な表現が出来る子ども、そしてこれから親になる学生や社会人たちが、子どもに触れられるという状態がうちの特徴。


保育士、親、子ども、大人の四角形がサードプレイスという場で楽しく交流できるのが「asobi基地」です。


asobi基地 vol.77 × Enijeコラボ企画~歌でガーナとつながろう♪〜
asobi基地 vol.77 × Enijeコラボ企画~歌でガーナとつながろう♪〜

小笠原舞

始まりは2012年7月の表参道のカフェでした。


保育園に勤め始めて親御さんや友達から、子どもの事で相談される機会が多くなり、もっと広く親御さんたちの意見を聞いてみたいと思いました。そして、私が好きだった子どもの力を引き出す保育アプローチ手法を伝えたい、という2つの想いからスタートしました。


当初はどんなものだろうか?という疑問を持ちながら始めたプロジェクトですが、回を重ねる内に評判になり、どんどん参加者が増えて、毎週のように色んな場所でasobi基地を開催するようになりました。


活動を開始して2年、今では300家族位にまでコミュニティが広がり、Facebookページのいいね!も3900を超えました。

当初は、保育士として働きながら、会社もasobi基地の運営もフル稼働でやっていたので、さすがに体を壊しました(笑)。


保育園という場所は誰のためのもの?

保育の現場を離れてみて、感じる事はありますか。

小笠原舞

私の中ではasobi基地が自分の保育園という感じ。保育園というハード(建物)が無くても、日本全国全土が園庭だとイメージして何が出来るかな?と考えています。


面白い人や事を見つければ、子どもたちに体験させてあげたいなぁと。


雨宮みなみ

よく考えてみれば、別に決まった場所が無くてもいいんだよね。固定概念としてある「保育」から視野を広げてみれば、コレ!っていう決まりなんて無いんだなぁと。


小笠原舞

場所があっても無くても保育士は保育できる、これは保育士の特権。


例えば子どもとの散歩。ただぼーっと歩いてるだけではもったいない!もうちょっと声かけた方が面白いよって言いたい。


たんぽぽとかアリとか、子どもの発見に寄り添って散歩すれば、3倍も4倍も楽しくなるし、子どもの心の発達も豊かに出来る。でもこれ、保育士以外はなかなか知る場所がないよね。


雨宮みなみ

その、ほんのちょっとした関わりによって子どもにこんな良いことがあるんだよ、っていう、保育士だからこそ知っている部分がたくさんある。


身近にあるものとちょっとした環境の工夫1つで、楽しめるあそびはたくさん。
身近にあるものとちょっとした環境の工夫1つで、楽しめるあそびはたくさん。