幼稚園教諭・保育士になるまえに知っておきたいこと Vol.2
準備しておくことってなぁに?
幼稚園、保育園、学童保育など、進路先は様々で、保育園一つとっても多様な種類があります。それぞれの特徴を予め少しでも理解しておくことが大切です!
「求人の内容がよかったから」「よいタイミングで求人が出ていたから」「雰囲気がよさそうだったから」「家が近いから」「採用試験が楽そうだから」
そんな理由で決めようとしている方は要注意!
求人情報や保育施設のサイトを見るだけでは、わからないこともたくさんあります。
長時間子どもたちと携わる保育士が子どもに与える影響はとても大きいため、簡単に辞めてしまうことは子どもたちを傷つけることにもなってしまいます。
「こんなはずじゃなかった…」ということのないように、まずはそれぞれの形態の特徴だけでも把握しておくようにしましょう。
実習だけでは、就職先のイメージが浮かびにくいこともあると思いますが、まずは自分がどんな保育施設で働きたいのか、書き出してみましょう。
施設の大きさや園児数、行事の有無や保育方針によっても、保育は大きく異なっていきます。
自分がしたいと思う保育は?働きたい環境は?
書き出して整理できたところで、その条件に当てはまりそうな候補を挙げたら、まずは連絡して見学に行ってみるのが一番良いと思います。自分がしたい保育や働きたい環境がわからなければ、いくつかの保育施設に見学に行って比べてみましょう。
電話をするのも見学に行くのもちょっぴり勇気がいるけれど…。
働き始めると、最低8時間、1日のうちの3分の1は仕事をすることになります。
安易に決断した就職先での苦労を考えると、1時間の見学が今後につながるのであれば、行って損はないはずです。自分の目でしっかり見て、気になる点は聞いて、じっくり考えることを心からおすすめします。働いている職員の様子を見るのもよいでしょう。可能であれば、1日体験やボランティアをさせてもらうと、より園の様子がわかります。
施設により、試験の内容は様々です。
書類選考や面接、論文、ピアノ実技、グループディスカッションなど。
それぞれのポイントやコツなど、学校でレクチャーを受けている方も多いかと思います。ここでは個々への対策レクチャーはしませんが、大切なことを2つお伝えします。
1 余裕を持つこと
何事も時間がないと焦りが出てしまい、「これでいいや」と妥協したり、余裕がないことにより不安な気持ちが出てきたりします。例え自信がなくても、「やれるだけやった!」と後で言いきれるくらいの準備をしておくと、本番で自分の力を発揮しやすくなります。
2 自分の想いを大切に
面接や論文等で、想定される出題に合わせて準備を重ねている方も多いと思います。
その中で大事にしたいのが、言葉や答え方だけに捉われない「自分の想い」です。
想定していた答えだけを覚えていたのでは、もし想定外の質問や出題があった時に、答えられなくなってしまいます。あなたが保育や子どもについてどう想い、どう考えているのか、根本がしっかりしていればそれが軸となり、自然と言葉につながっていくものです。
保育の現場に出た時にも、きっとその想いの軸が自分を強くさせてくれることでしょう。
実習とはまた異なり、いよいよ一保育士として社会に出るための一歩。
あいさつ
しつこいようですが、大切なことの基本はあいさつ。
「おはようございます!今日から研修生としてお世話になります、〇〇です。よろしくお願いします」など、
自己紹介も忘れずに。保護者にもきちんとあいさつを。
顔を覚えられないうちは、「さっきあいさつした人かな…」と戸惑うこともあるかもしれませんが、そんな時は迷わずもう一度あいさつをしましょう。目が合っているのにあいさつをしないよりも、2度目でも良いからあいさつをしたほうが気持ちの良いものです。これは、何人もの保育士の先輩からの経験談です。
メモを取る
実習生の時よりも更に覚えることがたくさん!次回からは一人で任されることもあるかもしれません。
「この間も教えたのに…」なんて言われることのないよう、一度言われたことはしっかりとメモを取っておく
ようにしましょう。
万が一、「聞いたけどまだわからない」「メモを取りそびれてしまったから確認したい」という時は、
「もう一度確認したいので教えてください」と素直に自分から聞きましょう。
わからないことをそのままに…は一番のトラブルの原因になります。
わからないまま放置して曖昧にしてしまい、後で大きなトラブルになるよりは、多少聞きにくくても一度聞い
て理解して おいた方が気持ち的にもスッキリします!
雑務も一つのしっかりした仕事
頼まれたことを一つひとつしっかりとこなしていくことで、少しずつ任せてもらえる仕事が増えていきます。
雑務をしながら先輩たちの姿を見て、自分なりに心の準備を進めていくよい期間でもあるので、着実に学ぶ姿勢で取り組んでいきましょう。
現場に出ると、想像していたよりも大変なことがたくさんあります。 「好きじゃなきゃできないけれど、好きだけじゃできない」。保育はそんなお仕事です。
初めは注意されることも多いかもしれません。「そんなのもできないの」なんて、嫌味を言う人も、もしかしたらいるかもしれません。神経も体力も使う中で、 「あぁ、やめたい…」なんてついつい思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、それは社会に出たらよくあることです。 合わない人の一人や二人くらいどこにでもいるものですし、失敗もつき物。 自分で決断したのですから、嫌なこと、辛いことだけに目を向けず、 広い視野で現場を見て、前向きに向き合ってみてください。
問題や課題に対してウジウジ悩んでいる暇があるならば、 相談したり質問したりしながら、どう向き合っていくかを考える。 わからないなら調べる。 できないなら、できる方法を考える。 何より大切なのは、目の前の子どもに目を向けること。
子ども一人ひとりの笑顔や成長が教えてくれること、 「やりがい」を感じさせてくれることもたくさんあります。 保育士だからこそ感じられる楽しさや学びも本当にたくさんあります。
「ほめられる」「認めてもらう」ために仕事をするのではなく、 「目の前にいる子どもの育ちを保つ」という保育士の役割とプロとしての自覚を忘れずに、 自分自身も子どもたちと一緒に楽しみ成長しながら、保育士生活を謳歌してくださいね。
心から応援しています!
そして、もしよかったら、【2、保育士になるということ】をもう一度読んでみてください。
ちょっとは心構えにつながるかもしれません。
(以下、抜粋)
大事なのは、できることやなくすことではなく、一つひとつに真摯に向き合うことです。
できないこと、わからないことは、経験を重ねていくうちに学び、自然と身についていくから大丈夫。
子どもたちの成長を、心から考えることができれば、きっと行動にも自然とプロとしての意識と責任が伴ってくると思います。
どうか、プロとしての自覚と心構えを忘れずに。
目の前にいる子どもたちの姿を大切に。
明日、子どもたちはどんな顔であなたを待っているのでしょう…子どもたちの笑顔を想い浮かべると楽しみですね♪すてきな出会いと、保育士としてのすてきなスタートを祈っています。