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第5回 プレーリーダーって何だろう?

関戸博樹
こんにちは。

前回のコラムでは、冒険遊び場の歴史や大切にしていることなどを紹介させてもらいました。今回は冒険遊び場で働くプレーリーダーという職業について紹介したいと思います。

とは言っても、冒険遊び場やプレーリーダーを知らない人に簡潔に自分の仕事を説明することは難しく、私自身まだ、「これだ!」というしっくりした説明を見つけ出せずにいます。

そんな一言で表すのが難しいプレーリーダーという仕事ですが、現在の私は、「遊び場の環境づくりをする仕事」や「子どもや環境から遊びを引き出す仕事」と表現しています。

遊び場の環境づくり。この表現だとまだ具体的なイメージが湧きにくいと思うのでもう少し補足させてもらうと、とにかく「子どもたちが自由に楽しく遊べるように様々なことをする仕事」なのです。

具体的な仕事内容はというと…
時に子どもと一緒に遊ぶこともあります。遊びを引き出しやすいような遊具づくりや場の配置を考えたり、材料の調達、危機管理などもします。また、遊び場の近隣住民から理解を得られるように地域との窓口にもなりますし、万一怪我をした場合の応急処置などもします。そして、遊びに来ている子どもや大人が楽しく過ごせるような関係づくりにも頭と体を使います。

この様に様々な役割をこなすことができる力を求められるのがプレーリーダーという仕事です。

ここからが重要な話なのですが、プレーリーダーに必要な資質(職業能力、専門性)についても触れてみましょう。

ここでまた、冒険遊び場創成期のエンドラップ廃材遊び場が登場します(詳しくは第4回のコラムを見て下さい)。プレーリーダーをしていたベルテルセンの言葉です。

『遊び場を引っ張っていくということは、子どもの遊びや時間の使い方を引っ張っていくこととは違う。主人公は子どもであって、やりたいことは子どもから生まれてこなければならない。リーダーの仕事は、提案することであって、子どもに要求するべきではない。リーダーは子どもが必要としたり、要求してきた道具や材料は用意するが、子どもが新しいことを始めた時には、必ずそちらを優先しなければならない。プログラムを組むということは、子どもの想像力や「やってみたい気持ち」を殺してしまうことになり、興味や関心が常にどこからか噴き出そうとしているのを止めてしまうことになる』

続けて象徴的な言葉をもう一つ。この方も前回のコラムで登場しましたが、ロンドンで冒険遊び場を広めたアレン・オブ・ハートウッド卿夫人の言葉です。

『非常に成功しているリーダーは「俳優、大工、鉛管敷設工、夜警、身障児や情緒不安定児を扱った経験者などがあり」、「ユースリーダーや学校の教師の中には、そんな変わった状況でうまくやれる人はきわめてまれである」ことから、リーダーに必要な「人間性」を身につけるためには必ずしも子どもにかかわる職業に就くために行われてきた訓練が有効とは限らず、むしろ「学んできたこと」を「忘れる」必要がある』

私自身プレーリーダーを8年やってきた中で、アレン夫人と似たようなことを感じています。それは、「子育ての経験」は、子どもの遊びに関わる大人としての質の担保にはならないということです。

さて、少し引用の紹介ばかりになってしまいましたが、プレーリーダーの資質のことに話を戻しましょう。
まとめると…重要なことは、

 ・「大人は子どもの遊びを変えてしまう力があるということをしっかり自覚していること」
 ・「遊びの主人公は子ども自身であり、遊びの専門家は子ども自身だということを理解していること」

この二点を仕事の際に意識しているということになります。

このことを意識できなければ、例えいくら遊び方をたくさん知っていても、ものづくりの技術に長けていても、自然と親しむ知恵を知っていても、そして子ども好きだったり、子どもと関わる仕事や暮らしの経験値があったとしても、遊び場に訪れる子どもたちにとって力になる存在にはなり得ないでしょう。

なぜなら、冒険遊び場が大切にしていることは「子ども自身が遊ぶことを大切にしている環境を、子ども自身が遊ぶことを大切にしている大人がつくること」だからです(前回のコラム参照)。

そんなプレーリーダーに求められる資質ですが、私は保育士のみなさんにとっても大切な専門性の一つだと考えています。

冒険遊び場(あさかプレーパーク)にて、子どもたちに泥で足を固められるプレーリーダー
冒険遊び場(あさかプレーパーク)にて、子どもたちに泥で足を固められるプレーリーダー

予告

次回は「保育士だってプレーリーダー?」です。子どもの育ちの中心は遊びにあります。そして遊びは生活の中心にあります。子どもの育ちや遊びを保つ専門家として、保育士のみなさんが持ち得る視点や意識についてのお話です。お楽しみに☆



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