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第4回 冒険遊び場って何だろう?

関戸博樹
こんにちは。

今回のコラムは私のフィールドである「冒険遊び場(プレーパーク)」についてその歴史や大切にしていることなどを紹介させてもらいます。

まず、その成り立ちは1943年と意外と古くにあります。

デンマークの造園家、ソーレンセン教授が、整えられた公園よりもガラクタがころがっている空き地の方が子どもがイキイキと遊んでいることから、デンマークのコペンハーゲン郊外に提案し、「エンドラップ廃材遊び場」をつくりました。

そう、冒険遊び場はヨーロッパ発祥なんです。

第二次世界大戦末期という時代に子どもの遊び場づくりが行われるあたりが、ヨーロッパのすごいところだなぁと感心します。ちょっと話が横道にそれますが、もう一つ、ある言葉を紹介させて下さい。

第一次世界大戦の頃のイギリスの首相をしていたデビッド・ロイド・ジョージの言葉です。「遊びは、子どもがコミュニティで何よりも最初に求める権利となる。そして、遊ぶことは自然に備わった、生きるためのトレーニングであり、この権利をないがしろにするコミュニティは、そこに暮らす市民の心身に影響を与えることになるだろう」

どうですか?

私はこの言葉を読んだ時に、「こんな時代に一国の首相が遊びの本質について発言している!!」と鳥肌が立つほど感動しました。

こういった思想を生むヨーロッパの風土により誕生した子どものための子どもの遊び場が冒険遊び場です。


そしてエンドラップ廃材遊び場ができたことをきっかけに、1945年にイギリスの造園家アレン卿夫人がロンドンの爆撃跡地に冒険遊び場をつくりました。

これを発端に、冒険遊び場づくりはヨーロッパ各地に広まっていきました。

日本では、1973年に上記のアレン卿夫人の著書「都市の遊び場」が世田谷の建築家、大村虔一氏と夫人の璋子氏の翻訳により出版され反響を呼びました。

その後、夫妻は実際に本で紹介されていたヨーロッパの遊び場を視察し、当時生活していた世田谷区経堂で地域の住民たちを集めてスライド上映会を行いました。

結果、「自分たちもこんな遊び場をつくって子ども達に楽しい体験をさせよう!」と空き地を利用しての遊び場づくりが始まり、1979年に行政と市民による協働運営で日本初の常設の冒険遊び場「羽根木プレーパーク」の誕生に至りました。

私が始めて訪れた冒険遊び場も、この羽根木プレーパークです。

学生だった頃のことです。

それまで、学内のサークルで「子どもと遊びを通して関わる」という団体に所属していた私は、児童館などにボランティアとして出入りしていました。

そして、「町中や公園で遊ぶ子どもたちはあまり見ないけれど、大人が用意したこういう場所(児童館)ではよく遊ぶんだなぁ。」という疑問を抱いていました。

私が子どもだった頃は、大人の目の届かない場所で子どもだけで遊ぶ方が楽しかった思い出があったからです。

しかし、羽根木プレーパークを訪れた私は、「この場所は自分の子ども時代の原風景に似て、大人がいても子どもが子どもらしく遊べる場所だなぁ」と朧ながら感じました。

冒険遊び場が大切にしていること、それは「子ども自身が遊ぶことを大切にしている環境を、子ども自身が遊ぶことを大切にしている大人がつくること」です。

プレーパーク初体験で私が感じとったことは、ヨーロッパでの発祥から日本での展開まで一貫されている、この大切な思想に通じていたのだと思います。

最後にもう一つだけ。

イギリスのウェールズ議会政府が2006年に政府としては世界で初めて、子どもの遊びに関する総合政策と行動計画を発表しました。

その中で「議会政府は、子どもを単に閉じ込めるだけの保育支援に関心を持ちません。質の高い放課後ケアには、子どもが自由に選ぶことができる遊びの機会を提供することが必要です。そうした質の高い放課後ケアは、この実行計画に重要な貢献をすることになります」と言っています。

放課後ケアの話が主軸ですが、保育の現場にも相通ずるでしょう。

要は子どもを保育する現場にとって遊びの質がとても重要だということです。


では、遊びの環境の質の高さっていったい何なのでしょう?また、みなさんの関わる保育の現場でどんな風にいかせるのでしょう? 次回以降、触れていこうと思っています。

冒険遊び場(渋谷はるのおがわプレーパーク)で水遊びをして遊ぶの子どもたちの様子

予告

次回は「プレーリーダー(プレイワーカー)って何だろう?」です。指導者ではなく、子どもや環境から遊びを引き出す仕事、プレイワークについてのお話です。

お楽しみに☆



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