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しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記Ⅱ(第一回)「わわわっと2024年がスタート」

齋藤美和(さいとうみわ)
掲載日:2024/04/09
しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記Ⅱ(第一回)「わわわっと2024年がスタート」


わっ!という間に2024年度がスタート。卒園と入園が同時に交差するのが、保育園という場の特性。よしっと踏ん張って、笑いたい。燃えないゴミを出すのを忘れたり(2週間に1回・・・)、冷蔵庫の野菜をダメにしてしまったりしながら、なんだかんだで、日々が進んでいく。でも、朝早く起きて、子どもたちと会えると思うと、なんだか心がゆっくりと起き上がってくる。

4月の始め。2024年度の保育が始まって2日目。園のホールでライブを開催した。ドラムにくまちゃん、ベースに紘良さん、ピアノに島田さん。アコギは潤くん、ヴォーカルは、葉月ちゃんと上島さん。そして、エレキギターは、卒園児で15歳のハルトくん(息子)。くまちゃんと上島さんは彼の年長児の担任でもあった。

けやき組(年長児)になると、誕生会で「好きなことを発表する」コーナーがある。彼は自作の歌『空飛ぶおつきさま』をウクレレを弾きながら歌ったのだった。

それが10年後、同じステージで担任と一緒に演奏する日が来るなんて。

演奏した曲は『Johnny B. Goode』『I WANT YOU BACK』『ATTA』の3曲。

その演奏する姿を、つばき組(3歳児)のユウくんがじっとみる。彼は、アコギを担当した潤くんと一緒に1年間たくさん歌を歌って、ギターに憧れを持っていた一人だった。すみれ組(2歳児)の時から、自作のギターも作っていた。ちょうど、お母さんがお迎えにきたので、声をかける。

「ユウくん、すごく真剣に見てます。よかったら、お母さんも一緒に見ませんか?」

「ユウ、潤さんと一緒にいてからギターが大好きになったんです」

「そうですよね!憧れになりましたよね。実は・・・あの水色のポロシャツの子、息子なんです。息子も小さい頃からギターが好きだったんですよ。ユウくんもこうやってギター弾く日が来るかも・・・」とそっと内緒話をした。

昨年の「わっしょい日記」にも書かせていただいたように大人も子どもも揺れるこの時期、しぜんの国では「ゆらゆら期」と名付けて、この時を過ごす。今年は、異動や退職もあり、また保育者メンバーの彩りにも変化があるスタートになった。私もなるべく内側に入りながら、子どもたちと一緒に過ごせる時間を大切にしている。そういえば、さっきキッチンの前で、つばき組(年少)クラスに進級したユーちゃんに「あなたは本当におもしろいわね」と言われた。「ありがとう・・・」と答えつつ、ちょっとうれしい気持ちになる。子どもたちには、たくさんの「おもしろい」に出会えるといいな、わたしもそんな「おもしろい」の要素になれたらいいな。子どもたちのことをたくさん知りたい、教えてほしいなと思う、ゆらゆら期の春。わたしはやっぱり保育園が大好き。

ー このコラムは『しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記II』の連載第1回です。

このコラムの連載

しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記(第一回)「ゆらゆら期の私たち」

しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記(第一回)「ゆらゆら期の私たち」

年度末を迎え、折り重なるように新年度に向かう4月。私たちはこの時期を「ゆらゆら期」と捉え子どもたちとの時を積み重ねる。子どもたち一人ひとりの想いや表現を慎重に捉えながら、しぜんの国保育園の暮らしが子どもたちの身体に馴染むように意識をする。この意識はそれぞれのご家族とも分かち合い、この時期を過ごす。

先日、エントランスで1歳児クラスのお父さんが「絶賛ゆらゆら期っす」と話してくれた。笑顔で話してくれているものの心配だろうな、とも思いを寄せる。子どもの心、保育の心、親心、私はその三つの心をいつも、自分の中で多面的に見つめないといけないと思う。

「自分たちはいい保育をしているんだ」と、独りよがりにならないように。

しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記(第二回)「とるに足らないオシロイバナの種のような」

しぜんの国保育園 園長美和さんのわっしょい日記(第二回)「とるに足らないオシロイバナの種のような」

先日、婦人之友社と東京すくすく(東京新聞)が企画した「子育てスクスクフェス」に呼んでいただき、認定特定非営利活動法人こまちぷらすの理事長・森裕美子さんとお話をさせて頂いた。

その中で「子どもとふざけるのが好き」という話をして(そんなこと実は初めて言った)、改めて帰りの電車の中で「ああちょっと本音だったな」と思い返していた。