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なぞってあそぶ「なんのかたち?」〜せんから始まるかたちあそび〜

田中 令
掲載日:2023/08/10
なぞってあそぶ「なんのかたち?」〜せんから始まるかたちあそび〜
こちらの連載は、今回で3回目。
1回目のコラムで紹介した「見立て」に続き、今回はかたちあそび第2弾!

からだやモノのりんかくをなぞる、かたちあそびです。
3歳半くらいから、年長さんまで楽しめます!

材料

・画用紙

使うもの

・クレヨン または 芯が柔らかめの色鉛筆(落としやすいカラーペンでも◯)
・身の回りのモノ または おもちゃ(平な面があるものがオススメ)
・雑巾や濡れティッシュ

準備

カラーペンやクレヨンの汚れが気になる場合は、机の上にシートをはって、養生しておく。


あそびかた

1. 自分の利き手ではない方の手を、パーにして紙のまんなかあたりに固定します。
ガチーン!と固めて動かなくするのがポイントです。

2. 利き手でクレヨンをもち、1の手の周りをなぞる!
このとき、クレヨンと固定した手が離れないことがポイント!

3. ぐるりと一周したら、ガチーンと固めた手をといてあげよう。
紙の上に、もうひとつの手が現れます!
自分の手の形、どうかな?大きい?小さい?いろいろ観察してみよう。


いろいろあそびかたプラス!

その1:手がつくる、いろんなかたちをみてみよう!

ガチーンと固める手を、いろんなポーズにしてみよう。
さっきはパーだったから、今度はグーやチョキ、人差し指をたてるポーズもいいかも◎
新しい紙にかえてもいいし1枚の紙に、いろんな色のクレヨンで描いてもかっこいいよ!


その2:いろんなモノの、かたちをみてみよう!

今度はおもちゃや文房具など、身の回りにあるいろんなモノでやってみよう!
ポイントは自分の手の時とおなじ。

紙の上に置いたモノを、利き手ではない手で動かないようにしっかり抑えることと、モノとクレヨンが離れないこと。
平らな面があるモノだと、ぐらぐらしないので固定しやすいよ!
同じものでも、向きをかえると新しいかたちに出会えるね!


その3:まる、さんかく、しかくを探してみよう!

いろんなものが持つかたちが、だんだんと見えてきたね。
まる、さんかく、しかくをお部屋の中で探してみよう!

しかくくみえないものも、向きをかえたらしかくになるかも!?
見つけたかたちを紙の上で組み合わせると、新しい形も作れちゃう◎


その4:切り貼りに発展!

最後に、ここまでのあそびかたを、好きな色の折り紙の上でやってみよう!
描いたかたちを、はさみでカットすると、色付きのかたちが出現!
画用紙の上に貼ると、おもしろい作品になるよ。


その5:みんなのみつけたかたち、見せ合いっこしよう!

できあがった絵を、壁にならべて見せ合いっこしてみよう。

同じ手でも、いろーんなかたちがあるし、あのかたちは、どんなモノかな?と、あてっこするのもおもしろいよ◎

 

片付け

クレヨンは、モノに付着しやすいので、制作後は雑巾や濡れティッシュで拭き取ってください。


***

前回ご紹介した、偶然できあがった抽象的な形を何かに見立てる「イメージ」のかたちあそびに対し、今回ご紹介したのは、「視覚的」なかたちあそび。

輪郭をなぞって描く技法は、普段わたしたちが目にしている体や身近なモノが持つかたちを、改めて認識させてくれます。
向きを変えてなぞった時のふしぎなかたちは、おとなも「なんだろう?」と思うものになると思います。

また、「見たモノそっくりに描きたい!」という気持ちが芽生えるお年頃にも、おすすめです。手軽に本物らしく描ける技法なので、こどもたちのリピート率高めな裏技になっている保育園も多いようです。

さらに、利き手ではない手の力加減がポイントとなるため、身体的な発達の練習にもなります。活動を重ねるほどコツがつかめてくるはずなので、ちょっとした空き時間などにもぜひやってみてくださいね^^