紙粘土であそぼう!〜感触あそびから造形あそびへ〜
今回は、触感を使うのにおすすめな素材、紙粘土の登場です!
水加減と力加減による変化を楽しむ「なにもつくらない」あそびから造形あそびへの発展まで、さまざまなバリエーションを、ご紹介します◎
一回の活動ではなく、シリーズとして複数の活動時間でやってみてくださいね!
材料
・紙粘土
・段ボール(A5サイズ程度)
使うもの
・きりふき
・型押しできそうなもの
(木のかけら、爪楊枝、使わなくなったカード、くし、ひもなど)
・シート(机の養生用)
・捨てる直前のような雑巾
・お湯をはったバケツ
・汚れてもいいタオル
準備
机の上にシートをはって、養生しておく。
あそびかた
1. こどもたちの片手に収まるくらいの紙粘土を配る。
2. パン屋さんになった気持ちで、よ〜く練る。
手のひらの付け根で粘土を押したり、指先でつぶしたり、 叩いたり。練れば練るほど、紙粘土がツルツルとしてきます。
3. お水を混ぜるとどうなる?実験してみよう!
こどもたちが持っている粘土に、きりふきで2プッシュ! 水をかけてみてください。
表面がぬるぬる、それをまた練ってみるとどうなるかな?
水加減で変化する、ねんどの表情を楽しもう!
4. 練った紙粘土を、机の上で思いっきりつぶしてみたら?
指のはらで、ぐっと力をいれてみたら?
2本の指でつまんでみてもおもしろい!
手の平でやさしく粘土をはさみ、転がしてみるとどうなる?
力加減で生まれる、ねんどの表情や形を楽しもう!
いろいろあそびかたプラス!
その1:造形あそび。自分の好きな形を作ってみよう。
工程4の続きで、手で球体を作ったり、それを潰してクッキー状にしたり、自分のお気に入りの形をつくってみよう。
その2:型おしあそび。もようをつけてみよう!
このタイミングで、木のかけらや、カード、くし、ストロー、トイレットペーパーの芯など、型押しできる道具を出してみてください。
できあがった粘土の形に、好きな道具を好きな向きで押し当ててみよう!
粘土に模様がついたり、真っ二つに切れるかも!?
失敗しても、大丈夫。粘土はいくらでもやり直しがきくよ。
色々試して、お気に入りの道具が見つかるといいね。
その3:大実験!粘土にお水を足し続けたら、どうなる?!
(※ダイナミックなあそびのため、机の養生と、近くに手洗いバケツ、雑巾必須!)
手のひらに紙粘土をおき、きりふきでたくさんお水をかける。練ってみる。
それを繰り返したら、どうなる?
泥のようになったら、段ボールに擦り付けてみよう。
擦り付けたねんどを、またいじくってみてもいいね。
これを乾かすと、地表のような、ふしぎな作品ができあがります。
(参考写真では、大きめの段ボールを使用しています)
その4:みんなの作品を、見てみよう!
今回紹介した感触あそびから造形あそびまで、どの作品も色をつけると、さらに粘土の幅は広がります。
片付け
1. 紙粘土は、排水口につまりやすいです。
手についた粘土が乾き始めている場合は、机の上で両手をこすり合わせ、あらかたの粘土を落とします。湿っている場合は、雑巾で拭き取ってしまいましょう。
2. 粘土を溶かしやすいのは、お湯。
お湯をはったバケツの中で、手を洗いましょう。
再利用したい道具も、この中で洗うのがおすすめです。
3. 余った粘土は、きりふきでたっぷり水をかけ、ラップで密閉しておけば1週間ほど再利用できます。
衛生面の観点から、早めに再利用してくださいね。
4. 紙粘土作品は、3日ほど乾燥させると最終的に、カチカチに固まります。段ボールから剥がれてしまったりしたら、木工ボンドで修理できます。
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こどもたちの身体と情緒的な発達にとって、とても大切と言われている触感。残念ながら、都会では触感を刺激する環境がどんどん少なくなってしまっています。
そんななかでおすすめな素材が、この紙粘土。
粘土というと「造形材料」というイメージがあり、扱いが難しいと感じてしまう大人の方も多いのですが今回紹介したような「あそびの道具」としても、大活躍します!
さまざまな感触を楽しみながらあそんでいるうちに、ふと目の前のかたちが「何かに見える」瞬間が訪れて、 それが自然に造形(クリエイション)に発展していく。 泥あそびの根幹も、そこにある気がします。
もちろん造形に発展せず、感触をひたすらあそび倒したり、 どろどろが気持ち悪くてだめ!という子がいてもOK。その表出も、おとながこどもたちの新たな一面を知る機会です。
そして、幼少期にしかできない「なにもねらってない」その瞬間の表現の軌跡が、作品としてすごくかっこよかったりするんですよね。
屋内でも楽しめる、ねんどあそび。梅雨時期のストレス発散にも、おすすめです!指先の動きと力加減から始まり、道具を使った遊びや水加減を通して、こどもたちの中に生まれる自然なアートを、ぜひ一緒に楽しんでみてくださいね。