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8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

新 幼児と保育
掲載日:2022/08/01
8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

夏休みで指導計画がない8月は…
「10の姿」につながる取り組みとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見つめるための現場での実践をご紹介。

毎月さまざまな園の指導計画をご紹介している、保育の専門誌『新 幼児と保育』2022年夏号ふろく「2022年度版 指導計画」よりお届けします。


「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」につながる経験を生み出す環境の再考<さまざまな素材で感触を楽しむ工夫から>

3歳児、4歳児では、経験や気づきの積み重ねが「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」につながっていきます。
そのため、日々の保育では、子どもに経験してほしいこと、気づかせたいことを意識して、環境の構成や援助を工夫していくことが必要です。3歳児の子どもたちが思い思いに環境にかかわり、どのような経験をしているのか探ることが、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」につながる姿をとらえていくことになります。
本園では8月は4、5週目より保育を再開しています。これまでの保育における環境の工夫をもとに、幼児の経験とそれを支える環境について再考し、夏休み明けの保育に生かしていきます。

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

1)健康な心と体 
2)自立心 
3)協同性 
4)道徳性・規範意識の芽生え 
5)社会生活との関わり 
6)思考力の芽生え 
7)自然との関わり・生命尊重 
8)数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚 
9)言葉による伝え合い 
10)豊かな感性と表現


実際の環境作りとねらい

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」につながる幼児の経験のとらえ。


夏休み明けの予想される子どもの姿 

・久しぶりの登園に戸惑いを感じていたり、保護者から離れたがらなかったりする子もいる。

・保育者やおもしろそうな遊具や場所を頼りにやりたい遊びを見つけ、楽しむ子もいる。

・園生活のリズムや流れを感じながら、保育者や友達と一緒に過ごしたりお弁当を食べたりすることを楽しむ姿が見られる。

夏休み明けの保育の内容

・保育者や友達がしている遊びに興味を持ち、一緒にやってみようとする。

・新聞紙や広告紙、色画用紙片などで、思い思いのものを作ったり、作ったものを身につけたりして遊ぶ。

・保育者と一緒に場を見立てたり、何かになったつもりになったりして、自分なりの思いを抱きながら遊ぶ。

・草花や実を見つけたり、見つけたものをつぶしたり、水と混ぜたりするなど、自分なりの楽しみを見つけて遊ぶ。

・固定遊具で体を動かして遊ぶ。

・みんなと一緒に体を動かしたり、お話を聴いたり、歌を歌ったりしてみんなで集うことを楽しみにする。

・園生活の流れ(身のまわりの始末や片づけ、お弁当など)を感じ、自分なりにやってみようとする。

環境構成と援助・配慮のポイント

・全身で思いきり水にかかわれる場、思い思いに道具を使って水にかかわれる場など、それぞれの楽しみ方ができるように場を整えたり、保育者も一緒に遊んだりする。

・思い思いに作ることができるように、新聞紙や頭バンド、色画用紙片などを十分な量を準備し、保育者も楽しい雰囲気で作ったり、身につけたりして遊ぶ。

・固定遊具で体を動かして遊べるように、保育者が一緒になって遊ぶ。

・園庭の実や葉を集めたり、つぶしたときの色や匂いを楽しんだりできるように、集めるためのビニール袋やゼリーカップ、つぶすためのお椀、牛乳パック、木の枝など、十分な量を準備しておく。

・園生活のリズムを思い出して自分で動いていけるように、夏休み前と同じ生活の流れを作り、一人ひとりに応じた援助をしていく。

・暑さが厳しいときには、水分補給や薄着になるように適宜声をかけていく。木陰で遊んだり、休憩したりする時間も作り、体調を崩さないように気をつけていく。


▶ダウンロードすると、以下のくわしい内容をご覧いただけます!
指導計画の写真部分には、加工を施してあります。予めご了承ください。

・砂、土粘土、新聞紙、小麦粉粘土などの環境、それに込めた担任の思いやねがい
…ほか

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