【アンケート結果】絵本いろいろ調査!〜おすすめの一冊は?どんな時に読んでる?〜『新 幼児と保育』×HoiClueコラボ アンケート
絵本を通して、たくさんの体験を味わう子どもたち。
最近子どもたちに読んだ絵本で、おすすめの一冊は?
現場では、どんな時にどんな絵本を読むことが多いですか?
今回は、保育者さんの絵本事情について、いろいろ大調査!
シェアしたい絵本や子どもたちとのエピソードなども聞いてみました。
【アンケート】絵本いろいろ調査!〜どんな時に読んでる?おすすめの一冊は…?
〜『新 幼児と保育』×HoiClue〜
実施期間:2022年4月12日〜2022年4月18日
回答数:115件
最近子どもたちに読んで「ぜひおすすめしたい!」と思う絵本は?
最近子どもたちと読んだ絵本の中で、“おすすめの一冊”を聞いてみました。
その理由や子どもたちの反応、そのエピソードなども交えて、年齢別にご紹介します。
いろんなジャンルの、おもしろそうな絵本がいっぱい!
0歳
『まかせとけ』
作・絵:三浦 太郎
偕成社
・繰り返し「まかせとけ」と掛け声がはいるとこ。
(公立認可保育所)
『も・や・し~!』
作:わたなべ あや
ひかりのくに
・「も・や・し~!」を読んでいるとき、し~!のところで口に人指し指をあてていたのが可愛かったです。
(企業主導型保育事業)
1歳
『やぁだ!』
作:マルリョケ・ヘンリヒス 訳:木坂 涼
BL出版
・子どもたち自身が自分の状況に似ていると思ったのか、“おんなじ”と笑っていたのと、よく絵本を見ていた。
(私立認可保育所)
『まてまて タクシー』
作・絵: 西村 敏雄
福音館書店
・出てくるタクシーは黒いのですが、お散歩で黒いタクシーを見つけると、まってまってタクシ〜と叫び手を振るかわいらしい姿が見られるようになりました。
(私立認可保育所)
2歳
『だんごむしコーロコロ』
作:海野 あした
アルファポリス
・だんごむしが大好きなので、だんごむし探しのきっかけ作りに。絵本の展開にくぎづけで、すぐに探しにいこう!となりました。
(公立認可保育所)
『あなたのすてきなところはね』
作:玉置 永吉 絵:えがしら みちこ
KADOKAWA
・進級の前に読み聞かせで使い、ここにあなたがいるということがどれだけ素敵なことなのかと何度も伝えました。読んだ直後にクラスの子から「先生すきー」と、ハグをされ、思いが伝わったかなと嬉しくなりました。
(私立認可こども園)
3歳
『おこりたくなったら やってみて!』
作:オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ 訳:垣内 磯子
主婦の友社
・3歳で卒園。いろんなメッセージをこめて読んだ。いろんな気持ちあっていいよ。子どもから、今日は黄色だよと嬉しそうに話す子や雷雲がいるのと話して来る子がいて愛おしかった。
(企業主導型保育事業)
『寿限無』
作:齋藤 孝 絵:工藤 ノリコ
ほるぷ出版
・「寿限無 寿限無…」の言葉のリズム感がいいからか、子どもたちが他の絵本より集中して飽きずに見ている子が多く感じます。あの長い名前を覚える子も、「寿限無読んで!」とリクエストする子も多いです。
(公立認可保育所)
4歳
『どろろんびょういん おおいそがし』
作:苅田 澄子 絵:かとう まふみ
金の星社
・色々な妖怪が出るが怖くなく面白い、オチもいい。
(私立認可保育所)
『かうかうからす』
作・絵:ほそい さつき
ポプラ社
・主人公に感情移入してふるえあがる子どもの表情に 笑っちゃいました。
(公立認可保育所)
『だいじ だいじ どーこだ?』
作:遠見 才希子 絵:川原 瑞丸
大泉書店
・日本の性教育の遅れを感じ、自分の体は大事にして欲しいと思い読みました。
自分の子どもと同じ学年の子を担任しているので、話の内容も理解出来るのではと思って読んでみました。
(公立認可保育所)
5歳
『怪物園』
作:junai da
福音館書店
・絵がとてもきれい!一度は手にしたい本!
(私立認可こども園)
『いろいろ1ねん』
作・絵:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
あすなろ書房
・一年がスタートする時だったからよみました。子どもたちは双子のネズミが可愛いと言ってました。
(私立認可保育所)
異年齢児(0・1・2歳)
『お?かお!』
作:ひらぎ みつえ
ほるぷ出版
・顔の体操をする感じで読んでます。未満児、みんなで楽しめました。
(私立認可保育所)
異年齢児(3・4・5歳)
『しんごうきピコリ』
作:ザ・キャビンカンパニー
あかね書房
・色覚えと同時に交通ルールを楽しく学べる 細かいイラストで何回も違う観点で楽しめる。
(認可外保育施設)
『まるまるまるのほん』
作・絵:エルヴェ・テュレ 訳:谷川 俊太郎
ポプラ社
・色(赤・青・黄) 、数量(5回クリックする!) 、左右(傾けるとどうなるか?)、次の展開を予想するわくわく感 etc…子ども達が参加しながら絵本に惹き付けられていく。
(私立認可こども園)
そのほか
『おいしそうなしろくま』
作・絵:柴田 ケイコ
PHP研究所
・しろくまの姿を喜んで見てた。その後も自分たちで何回も見ていた。
(私立認可保育所)
『おなかのこびと』
作:よしむら あきこ
教育画劇
・おなかの中に小人がいて、よく噛まなかったり、冷たいジュースを飲みすぎたりすると、おへそから出てきて怒るシーンがあります。咀嚼が苦手な子やおやつを食べ過ぎてしまう子などにも「おなかの小人が困ってしまうね」と伝えると効果的でした。
(公立認可保育所)
これまで子どもに読んだ絵本の中で、あなたが一番好きな絵本は?
読者のみなさんの中にもきっと「一番好きな絵本」があるのでは…?
今回のアンケートでは、「好き」な理由もいっしょに聞いてみました。
「この本、私も好きだなぁ〜」と共感する一冊、初めて知る一冊。
いろんな絵本に出会えそうです。
『ありがとまと』
作:わたなべ あや
ひかりのくに
・2歳児クラス。「ありがとまと」「どういたしまして」の部分を子ども達も一緒に言いながら読む事ができ、毎回、楽しめた。
(企業主導型保育事業)
『おべんとうバス』
作・絵:真珠 まりこ
ひさかたチャイルド
・お返事し始める前後のお友だちにはおすすめです。手遊びとも絡められる、食べ物、お弁当とも絡められて大好きです。
(私立認可こども園)
『せんろはつづく』
文:竹下 文子 絵:鈴木 まもる
金の星社
・自分たちでどんどん道を作り上げていく創造力、何を使ってもいいという自由な発想、協力する力、なにより楽しんでいる姿が分かる絵本だと思います。それにプラス、乗り物という点でも身近なもので子どもたちが理解しやすいとおもいます。色もほんわかで可愛い。
(私立認可保育所)
『バムとケロのそらのたび』
作:島田 ゆか
文溪堂
・細部にわたってイラストが細かく可愛らしく表現されています。
子ども達とキャラクター探しをしながら読み進めてみたり、推理したりいろいろな方向から楽しめます。
(私立認可幼稚園)
『まいごのたまご』
著者・イラスト:アレックス・ラティマー 翻訳:聞かせ屋。けいたろう
KADOKAWA
・3歳児クラスの時によく読みました。男女問わず目をキラキラさせてみていて、恐竜になりきって抑揚をつけていました。誰のたまごか1度読むとわかるのでネタバレになってしまいますが、絵もカラフルで好きでした。
(公立認可保育所)
『おーいかばくん』
詩:中川 いつこ 絵:あべ 弘士
ひさかたチャイルド
・歌のCDもついていたので、リズミカルで子どもたちにも人気でした。遊びの中でも口ずさむ姿がありました。
(私立認可保育所)
『3びきのかわいいオオカミ』
作:ユージーン・トリビザス 絵:ヘレン・オクセンバリー 訳:こだま ともこ
冨山房
・小さい頃から自分が好きな絵本で、一緒に楽しめるから。
(公立認可保育所)
『もうぬげない』
作:ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
・子どもがクスリと笑えるもの。保育者が読んでも、子どもが自分で読んでも面白い。
(私立認可保育所)
『でんしゃにのって』
作:とよた かずひこ
アリス館
・シリーズで何冊かあり、絵が可愛いのと色々な動物が登場してほのぼのした雰囲気が好き。
(私立認可保育所)
『おばけなんてないさ』
作・絵:せな けいこ
ポプラ社
・小さい子から大きい子まで興味を持って見られる。子どもが保育士と一緒に歌って楽しむこともできる。
(公立認可保育所)
『わたしのワンピース』
作:西巻 茅子
こぐま社
・ ミシンカタカタが個人的に大好きで、子どもも続いて「ミシンカタカタ」と言っている姿が何とも可愛かったので。
(公立認可保育所)
『パンダ銭湯』
作:tupera tupera
絵本館
・パンダ銭湯が好き!シンプルだけど笑えるから!
(私立認可こども園)
『これはのみのぴこ』
作:谷川 俊太郎 絵:和田 誠
サンリード
・私が小さい頃から好きで、だんだん早口で読むと子どもたちが喜びます。
(私立認可保育所)
『おこだでませんように』
作:くすのき しげのり 絵:石井 聖岳
小学館
・この本は、保護者さんに向けて読みました。子どもの気持ちを理解するきっかけになります。
(公立認可保育所)
『100万回生きたねこ』
作・絵:佐野 洋子
講談社
・私が1番好きな本なんだと伝えてから読みます。
長い話なので、飽きてしまう子も確かにいますが、ほとんどの子はしっかりと見てくれます。読み終わった後、子ども達が何か感じ取ってくれればいいなっと思っています。
(公立認可保育所)
『おやつがほーいどっさりほい』
作:梅田 俊作 梅田 佳子
新日本出版社
・どろあそびで お菓子をつくる楽しさ、きつねとのやりとり、最後にはお母さんが作ってくれる本物のドーナツ。すべてが楽しかった。
(現在、無職)
『ちょっとだけ』
作:瀧村 有子 絵:鈴木 永子
福音館書店
・お姉ちゃんになった時の寂しさを、自分で頑張ってみるという行動で置き換えて、でもやっぱり甘えたい気持ち、がとっても切なく、いろんなニュアンスのちょっとだけにかかっていて泣けました。
子どもの名前に変えて読んであげたりもしましたが、お姉ちゃん気分のときはそれを喜び、甘えたいときは逆に嫌がったり。思い出深いです。
(保育外)
「チリとチリリ」シリーズ
作・絵:どい かや
アリス館
・絵の色使いが好き。この絵本だけは、1オクターブあげて読んでいる。
(私立認可こども園)
***
絵本の選びかたや、読み聞かせなどについても質問してみました!
絵本はどんなところで調達している?
自分の「私物」の絵本を読む方が多いよう。お気に入りの絵本は自分の手元においておくと、いつでも読むことができますよね。
園の本棚や図書室の絵本を読んだり、書店で購入するという方も多かったです。
絵本をどんなポイントで選ぶことが多い?
「季節に合っている」絵本を選ぶという方が、全体の8割近くになりました。
「対象年齢が合っている」「近々実施する行事やイベントがテーマ」など、子どもや保育での活動を選ぶポイントにしている方も多いようです。
意外だったのは「ことばのリズムがおもしろい」絵本を選ぶ人も多かったこと!
読む大人も聞く子どもも、リズミカルで楽しい時間になりそうですね。
また「そのほか」では、“自分(保育者)が読んで楽しい・おもしろい絵本を選ぶ”という人が多かったのも印象的でした!
絵本を選ぶ時に、難しいと感じたり困ったりすることは?
・月齢に合った絵本を選ぶのはもちろんですし、基本、自分が好きな絵本を選びがちなので、人に聞いたり、調べたりして選んでいきたいです。
(企業主導型保育事業)
・子どもの反応を考えてしまうから余計に迷ってしまうこと。
(公立認可保育所)
・ストーリーや絵はステキなのに絵本の字が小さいこと。
(障害児の発達支援)
・そのときに欲しいと思っている題材の本がすぐに見つからないことがある。
(公立認可保育所)
・図書館に借りに行く際に出遅れると季節物の紙芝居がすべて貸出中になってしまっていた。
(私立認可こども園)
・読みたい絵本が漠然としてなかなか決まらない時がある。時間との勝負の時。
(企業主導型保育事業)
・文章が長すぎて飽きさせてしまう。
(公立認可子育て支援センター)
・女の子と男の子では興味に差がある。
(私立認可保育所)
・子どもに合わせて選んだつもりが意外と喜ばなかったり、理解できなかったりした時。
(私立認可保育所)
・シリーズものは、子どもからの人気はあるけれど、保育で読み聞かせるなら、様々な絵本と出会わせたいから、子どもたちのリクエストも尊重しつつ、保育士セレクトの絵本を読み聞かせるタイミングは選ばないと、子どもたちに大人が決めるの?って思わせてしまうのは、ちょっとやだなぁ。
(公立認可保育所)
・大人が良いと思うものが必ずしも子どもも良いと思うとは限らないこと。
(公立認可保育所)
・新年度始めに子ども達を惹き付けられた絵本に基づいて12月の生活発表会の構成を考えることが多い為、飽きずに繰り返し楽しめる絵本を選ぶこと 。
(私立認可こども園)
・言葉の少ない絵本はアドリブを考えるが、なかなか上手くいかない。
(障害児の発達支援)
・中身を読んでみないと題名だけでは分からないので、新しい本を買おうと思うと、閉じられている本屋さんは探しにくい。
(私立認可保育所)
保育中、絵本を読むのはどんなときが多い?
一番多かったのは、保育での「活動の切り替えの時」。
体を使って思いきり遊んだ後に室内遊びへ移行する時、食事を終えてお昼寝に入る前など、絵本の世界にひたるひとときが、子どもたちの気持ちを自然に切り替えていってくれそう。
続いて多かったのは「行事や活動の導入のきっかけとして」、「子どもに“読んで”と求められた時」。
七夕やクリスマス、ひな祭りなど行事の由来を知ったり、遠足や運動会に気持ちを向けていったりするのにも、いろいろな絵本が活躍しそうです。
子どもに絵本を読む時に、難しいと感じたり困ったりすることは?
・低年齢は反応が薄い。
(公立認可保育所)
・年齢にあった絵本を選ぶようにしているが、年齢より高い場合や興味がないときはすぐに飽きてしまう。
(企業主導型保育事業)
・絵本に興味がない子がいるので集団には参加できません。
その子には一対一のときに読んだりします。
(企業主導型保育事業)
・リクエストが多すぎてどれから読もうかと少し困る。
(私立認可保育所)
・数人に読んでいる時に、ページを捲りたい子や自分が前に来たいとぐいぐい来る時。
(私立認可保育所)
・読んでいる時に、子どもが喋り出して、中断すること。
(私立認可保育所)
・異年齢で、絵本に様々な呼びかけがあり、頷いて流そうとするも、なかなかお話がやまない時、止めるべきか悩みます。
(私立認可こども園)
・興味がない子がゴソゴソしたり、内容について喋ってしまう事。
(私立認可保育所)
・みんなの興味がバラバラなので、絵本を最後まで見ていられない子も多い。
(私立認可保育所)
・歌が入っているとき。
(公立認可保育所)
・難しい言葉の説明。
(公立認可保育所)
・3歳から6歳と書いてあっても、3歳にはなかなか難しい時もある。
(私立認可こども園)
・コロナの影響で隣同士くっついて見れないので、見せる場所、距離に困っています。
小さい本だと遠くの子は見づらいため、飽きてしまいます。
(公立認可保育所)
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アンケートにご協力くださった皆さま、どうもありがとうございました!
「絵本いろいろ大調査」いかがでしたか?
たくさんあって図書館や書店でもどんな絵本を選んでいいか迷ってしまう。同じ絵本ばかり読んでしまうのでちょっとマンネリに…。
そんな時にはこのアンケートを参考に、みんなのオススメの絵本を選んでみては…?
大人のみなさんも子どもたちも、たくさんの絵本との出会いになりますように。
一方で、絵本を選ぶ時、子どもたちに読む時には、困ること、難しいこともいろいろあることがわかりました。
そんなお悩みについて、公立図書館司書でJPIC(ジェイピック:一般社団法人出版文化産業振興財団)読書アドバイザーの児玉ひろ美さんがアドバイスをくださいました。
「こだま文庫〜みんなのおすすめ絵本 年齢別にピックアップ!〜」もぜひ、読んでみてください。
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アンケートに協力してくださった方の属性について
勤務先
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最後までお読みいただきありがとうございます!
HoiClueでは今後も様々なテーマでアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。
この記事の連載
みんなのオススメ絵本 年齢別ピックアップ!〜こだま文庫 HoiClueコラボアンケート特集〜
さらに、「読み聞かせで困ったこと、難しいと感じること」の回答にはワンポイントアドバイスをつけました。
子どもとの絵本の時間をこの夏も楽しみましょう!
0・1・2歳児にぴったりの絵本&読み聞かせアドバイス〜こだま本棚 HoiClueコラボアンケート特集〜
絵本を読むときのアドバイスも、ぜひ参考にしてください。