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保護者とのやりとり、どう考える?対応する?〜保護者への対応、どうしていますか?第2回〜

新 幼児と保育
掲載日:2021/11/30
保護者とのやりとり、どう考える?対応する?〜保護者への対応、どうしていますか?第2回〜

保護者とのやりとり、あなたは、うまくできていますか?
ほいくるとのコラボアンケートではそのコミュニケーションのあれこれを大調査。

第1回「保護者とのコミュケーションで困った経験はありますか?」に続く、第2回のテーマは…
保護者とのやりとり、どう考える?対応する?

渡邊暢子先生によるアドバイスと対応のヒントもぜひご参考に!

(『新 幼児と保育』(2021-2022年12/1月)に掲載された記事をお届けしています。)

アンケート「『保護者とのコミュニケーションうまくとれていますか?」

調査期間:2021年9月
調査対象・方法:HoiClueユーザーによるオンライン調査
有効回答数:134件

※アンケートの回答を一部抜粋して構成しています。また、回答の表記などを変えている場合があります。
※回答比率の数値は、小数点以下を四捨五入して表示しています。


解説・アドバイス

渡邊暢子先生
元東京都公立保育園園長。
退職後、保育士養成校講師、電話相談員などを経て、NPO法人パラ・ピアカウンセラー協会理事。


保護者とのコミュニケーションに困ったとき、おもに誰に相談する?

※そのほか…「前職場の上司」「信頼できる友人」ほか
※回答比率の数値は小数点以下を四捨五入して表示しています。

ワンポイントアドバイス

保護者対応に限ったことではありませんが、「みんなで解決する」というしくみを作っておくことはとても大切。なぜ、そういう状況になったのか、どういう解決策があるかを、複数の知恵で整理しましょう。

子どもがそうであるように、保護者も自分に見せる姿と、ほかの保育者に見せる姿が同じとは限りません。その保護者のがんばっている姿などプラスの面を見ていくと、きっと解決の糸口が見つかります。

相談するときはグチにならないように注意を。具体的なアイデアを求めましょう。

(渡邊先生)


保護者とのコミュニケーションでぶつかりがちな悩み(アンケートから抜粋)

渡邊先生による「乗り切るヒント」に共通するキーワードは、「子どもの姿を丁寧に伝えていくこと」でした。

・距離感。
それぞれの保護者の性格や状況でどこまでかかわってよいか、伝えていいか…難しいです。
(小規模保育施設/3年以上6年未満)

・ほかの先生方のように会話を弾ませられない。
(障がい児の発達支援/3年以上6年未満)

【ヒント】

保育者と保護者とは、かならず子どもを真ん中においての関係性です。個人的に親しくなるというのがよいことともいえません。保護者の声を聞く機会がありますが、中には「保育者にフレンドリーにこられて嫌だった」という意見も意外と多いのです。

「子どものことをよく見てくれている」「自分の気づかなかった子どもの姿を伝えてもらえた」ということの積み重ねで、信頼関係はできていくもの。そこで初めて人と人の距離が縮まっていくものだと思います。

保護者に伝えたい子どものエピソードをつねに持っていれば、話題に困ることもないはずです。投げかけたものに対して、保護者が「じつは家でも…」と返してくれたら、会話もつながっていくのではないでしょうか。



・今後、支援につなげていきたい子について、説明をしていくことが不安。
(私立認定こども園/3年以上6年未満)

【ヒント】

保護者自身、違和感を抱いていたとしても、それを自分の中に落とし込むにはすごく時間がかかるものですよね。唐突に「説明をする」というのではなく、まずは園でのその子の様子、保育者のかかわりについて丁寧に伝えていくことから始めていくといいのかなと思います。

集団の中での困り感は、家庭での子どもしか見ていない保護者にはなかなかわかりにくいものです。友達とのかかわりの中でその子がどう困っているのか、また保育者がどう声かけをし、どう援助しているかの手立てを、けっしてマイナスイメージにならないように具体的に伝えていきます。その積み重ねの中で「そういえば家でも…」という場面に出会い、保育者自身が気づくことができれば、一緒に子どもの育ちを見ていくという段階に進みやすくなるのではないかと思います。

大事なことは、子どもにとって何が必要かということ。園でフォローできることにしっかりと取り組み、保護者の様子も見ながら丁寧に進めていけるといいですね。



・目を合わせてくれない。声をかけても返答せず逃げるように帰ってしまい話せていない。
(障がい児の発達支援/10年以上)

・担任の先生が困っている保護者の話。登園のときもお迎えのときもずっとイヤホンをつけたままで、あまり話もしないし、こちらから話もしづらいそうです。
(私立認可保育所/1年以上3年未満)

【ヒント】

保護者の中には、話し上手な人もそうでない人もいます。あるいは不安に思いながら、迷いながら自分の価値観の中で子育てしていると、「先生から何かいわれたらどうしよう」という気持ちで、予防線を張っているということも考えられます。

本当のところはわかりませんが、喜びを共感してくれる人と思ってもらえたら、「話を聞きたい」という気持ちになってくれるのではないでしょうか。

「きょう、〇〇ちゃん、1歩歩いたんですよ!」などと、子どものなにげない成長を、喜びを込めて伝えていきましょう。



・園の方針と保護者の方の方針の違い。
(障がい児の発達支援/6年以上10年未満)

・保護者を不快にさせずに保育園としての思いを伝えることが難しい。
(私立認可保育所/6年以上10年未満)

【ヒント】

保護者にしても、強い思いがあってのこと。「園の方針です」だけでは納得しにくいものです。一方通行にならないように、要望を聞いたうえで「園で相談してもいいですか?」と園全体で引き受ける姿勢を示しましょう。

たとえば食事のことであれば、「栄養士に相談してみます」というのでもいいでしょう。実際にさまざまな意見を聞いてみると、改善のヒントが得られることもあります。

結果が変わらない場合でも、その理由をきちんと説明して理解を求めます。「意見をしたことに誠実に対応してくれた」というだけでも印象は大きく違うはずです。



・コロナ禍で、滞在時間が短く、話ができにくい。
(私立幼稚園/20年以上)

・ゆっくり話す時間がない。
(私立認可保育所/1年未満)

【ヒント】

口頭で伝える時間がない代わりに、写真をうまく使うのも手。掲示するときには、ひとこと活動の内容や、子どもの言葉などを添えておくと、子どもの姿が生き生きと伝わります。連絡帳を電子媒体にしているところは、写真で活動の様子を伝えるということもしやすいですよね。

ある園では1週間に1回、子どもの様子を伝える日にして、当番ではないほうの担任が保護者に対応しているそうです。保育参加なども実施しにくい昨今。短い時間でもそういう機会を設けるのはひとつの方法だと思いました。


Q 保護者対応で心がけていること、実践していることを教えてください!

たくさんの回答から、保護者と良好な関係を築くための前向きな姿勢が見えてきました。
その一部を抜粋してご紹介!

・保護者の話は遮らずに最後まで聞く。否定しない。
(私立認可保育所/10年以上)

・クレームは傾聴する。そのうえでこちらが対応できることとそうでないことを理由をつけて説明する。
(私立認可保育所/20年以上)

・「おかえりなさい」「お疲れさまでした」はうれしく思われるみたいです。
(放課後児童クラブ・私立認定こども園/6年以上10年未満)

・常に何でも話してくださいねーと声をかけている。
(私立認可保育所/6年以上10年未満)

・子どもにも話しかけながら、保護者も交えて、その日のかわいい姿など忘れないようにメモしたりして、お迎えのときに話すようにしている。
(企業主導型保育事業/10年以上)

・全体の中での姿ではなく、その子ならではの内容を伝える。
(私立認可保育所/10年以上)

・カメラを使って視覚的に伝える。
(公立認可保育所/6年以上10年未満)

・明るく笑顔!ハキハキと!
(私立認定こども園/1年未満)

・マスクをしているから、とにかく笑顔で話したり、ケガのときは、“本当に申し訳ないです、と思っています” と伝わるような表情にしている。
(私立認可保育所/3年以上6年未満)

表情、話し方の印象は思う以上にキーポイントに!

コミュニケーションにおいて、人は言語情報(言葉)と同時に、聴覚情報(声など)、視覚情報(表情など)を受け取ります。このうち相手の感情と言動が矛盾していると感じたり、どちらともとれなかったような場合に影響を受ける割合は、言語情報7%に対して、聴覚情報38%、視覚情報55%だといわれています(メラビアンの法則)。

つまり、やさしい言葉をいっていても表情が硬ければ、「怒っているのかな」ととらえられてしまうこともあるということ。緊張していると思うように笑えていないということはよくあります。鏡に向かって笑顔の練習をするのはとてもおすすめです。話すときの声のトーン、速さなども意識してみるといいでしょう。

保育者にとって保護者とのコミュニケーションは、永遠の課題だと感じますが、子どもを真ん中において大人同士がなかよくわかり合う姿は、子どもにとっての安心感にもつながります。
上手にその関係性を築いていきましょう。

(渡邊先生)



イラスト/上島愛子 文/木村里恵子


この記事の出典  『新 幼児と保育』について 

新 幼児と保育

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