保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

新 幼児と保育
掲載日:2021/07/30
8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

夏休みで指導計画がない8月は…
「10の姿」につながる取り組みとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見つめるための現場での実践をご紹介。

毎月さまざまな園の指導計画をご紹介している、保育の専門誌『新 幼児と保育』2021年8/9号ふろく「2021年度版指導計画」よりお届けします。

環境から読み取る子どもの育ち〜「10の姿」に照らし合わせて〜

子どもの育ちを読み取る際、環境による育ちの作用を大きく感じます。園内地図をもとに、子どものエピソードと「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を意識したアフォーダンスマップ※を作成し、育ちを読み取ってみたいと思います。

※それぞれの環境が子どもに対してどのような意味(使い方)を与えるかまとめた地図

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

1) 健康な心と体
2) 自立心
3) 協同性
4) 道徳性・規範意識の芽生え
5) 社会生活との関わり
6) 思考力の芽生え
7) 自然との関わり・生命尊重
8) 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
9) 言葉による伝え合い
10)豊かな感性と表現


〜園として〜「であいの広場」〜

園庭、園内環境としてデッキや外階段などがあります。外のあちこちが舞台、ステージとなり、劇ごっこやダンスが楽しめます。また、製作物のコーナーを下足入れ前や大階段前の芝生に配置することで、3歳児が4・5歳児の遊びを目にしながら楽しみ、交流できる動線を大切にしています。裏の森は細い道をぐるっとまわってワクワクできる、子どもの冒険道となっています。

園庭(中央)
育ってほしい姿(上記):4)5)6)9)

1年間を通して、氷鬼など、ルールのある集団遊びが行われている。子ども同士で話し合い、自分たちでルールを決める姿も見られる。

ビオトープ
育ってほしい姿(上記):7)

さまざまな水中の生き物を観察したり、エサをあげたりして生き物とかかわれる場となっている。入園当初はビオトープがあることで心が和み、子どもたちの心の拠り所となっている。 

エピソード「宝の山作り」(3歳児12月)
育ってほしい姿(上記):2)3)6)7)9)

A児とB児のふたりが砂を積み上げ「宝の山」を作り始めた。B児「これ、たからのやまね。おたからが、たくさんあるの」山が大きくなってくると、まわりにいた子どもたちも集まり、3歳児8名による「大きな宝の山を作ろう」という大きな遊びに広がった(3)。 山を指でつついたC児「やわらかいね」D児「くろすなだけだからじゃない?くろすなとしろすなをかけたらかたくなるんだよ」A児「くろ、しろ、くろ、しろ......ってことね!」D児「そういうこと!つぎはしろだよ」(6)(9) その会話を聞いていたほかの子どもたちは黒砂を積むことをやめて、白砂を集め始めた。子どもたちは黒砂と白砂を交互に積み上げていた。D児「そうそう。みがくと、いいよ。みがくとピカピカのやまになるんじゃない?」A児「たからのやまにピッタリじゃないかー!」A児は手で山の表面を磨き始め、ピカピカになった山の表面を満足そうに眺めていた(2)(6)(7)。


ダウンロードすると、以下のくわしい内容をご覧いただけます!

・アフォーダンスマップ(イラスト)
・記録例(子どもの姿、エピソード、考察など) …ほか

「新 幼児と保育」最新号のご購入はこちら