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第2回 “自由に発言できる空気”を大切に、出来事を伝え合う〜「振り返り」の共有、どうしていますか?〜

新 幼児と保育
掲載日:2021/01/19
第2回  “自由に発言できる空気”を大切に、出来事を伝え合う〜「振り返り」の共有、どうしていますか?〜

振り返りの共有の仕方、 対話の時間の設け方は園によってそれぞれ。
「どんな話をしている?」「どんな時間に対話の時間を持つ?」。

今回は、まちのてらこや保育園(東京・中央区)の取り組みを聞きました。

(この記事は『新 幼児と保育』(2021年2/3月号)に掲載された記事を、3回連載でお届けしています。)


“自由に発言できる空気”を大切に、出来事を伝え合う

レポート:まちのてらこや保育園(東京・中央区)

お話:近藤みさき園長 兼 保育系作家


認可保育所。1〜5歳まで計30人を同年齢クラスで保育。
日誌(ドキュメンテーション)や書類のパソコン管理、連絡帳はスマホと、ICT(情報通信技術)化を進める同園は、遊び、給食など、必要なところに人の手を惜しみません。「振り返り」の時間は一度やめてみたものの、職員たちからの要望で復活したそうです。


【回数・時間】
ほぼ毎日、午睡時間に日誌を書いた後、15〜20分。

【参加者】
常勤職員全員が参加。

【もとにするもの】
各自の日誌および、その日の活動。

【内容】
早番と遅番、それをつなぐ中番が、各クラスの出来事を伝え合い、気になることがあれば話し合う。自由に発言できる空気が大事なので、園長は全体を見守りながら参加。


この日の出来事 散歩先の公園で

1歳と3歳は手をつないで同じ公園に行き、2歳は別の公園へ。
3歳クラスは、前の日にふたりしか木登りができなかったのが、子ども同士で教え合って全員登れるようになっていたので、この日も木登り。
2歳は鉄棒やジャンプ遊びをした。



〈1歳クラス担当の振り返りから〉

「今日は、秋の自然に触れることができましたが、だんだんその場に慣れてきて、ほかのところにも行ってみようということになりました。Aちゃん、Bちゃんはかけっこが楽しいといって、あの公園は広いので少しばらけてしまって。
私は3人を見ていたのですが、Cちゃんが戻りたくないというので話をしていたら、よんちゃん(保育者)がバギーを持ってきてくれて、そのバギーに乗せてそのまま帰ることができたので、すごくありがたかったです」

(公園の)端っこのほうに行ってなかなか帰ってこなかったので迎えに行ったら、C君も乗ってくれましたね。

バギーを見て気分が変わり、帰る気持ちになっていったんだね。

よんちゃんナイスフォロー!ありがとう!!


〈2歳クラス担当の振り返りから〉

「数日前に3歳が同じ公園で鉄棒にぶら下がっている姿を見て、何人かがやりたいといって鉄棒をしました。
A君は握力がすごくて、ひとりでぶら下がることができ、補助すれば逆上がりもできそうでした。まわりにいた子の中でB君だけが興味を示さなくて、できないのかなと思いました」

「そのあと、木の切り株の上にCちゃんが乗ってジャンプをしていて、ほかの子にも声をかけてやってみました。
E君は登るのもジャンプも手をつなぐなどの配慮が必要、Fちゃんは怖いのか、補助してほしいというアピールをしてきたので、手をつないでジャンプをしていました」

「みんな、不思議と落ち葉には興味がなくて、ちょっと興味を持ってほしいなと思って落ち葉を拾って集めて見せたりしたんですが、だれも拾おうとしなくて、アレ?と思いました」

落ち葉に興味がなくてもいいと思うけれど、前に枝に落ち葉を刺して「焼き鳥屋さん」とやったら、子どもがすごく喜んで、すごく流行ったことがあったよ?

ああ、好きそう!葉っぱに砂を載せて包んだりするのも、おにぎりみたいで興味を示しそうですね。

じつはB君は鉄棒、できるんですよ。別の公園で遊んだときにやっていました。

え、そうなんですか?知らなかった!今度は本人に聞いてみよう。


〈3歳クラス担当の振り返りから〉

「今日のよかったこととして、遊びがつながっているな、ということを思っています。
昨日から木登りがブームで、私は手を出さずに見守るようにしていたら、「足がこうだよ」と子どもたち同士が教え合って、全員が登れたんですよ。それがすごく楽しくて。

今日は1歳さんと一緒なので最初は川のほうに行ったんですけど、帰るときに3歳の子を集めて、「1歳の子と一緒に帰るのと、木登りをするのとどっちがいい?」と聞いたら、全員一致で「木登り」というので、木登りに行きました。

ブランコに乗れなかったAちゃんが木登りができるようになったのはすごいな、と思って。Aちゃんは「木が重い」といっていて、いい表現をしているなぁ、と思いました」

わぁ!Aちゃん素敵ね!

Aちゃんらしい表現だね!

「予定外でしたが、1歳さんと分かれて木登りに行ってよかったなと思いました。
ただ、1歳の先生には「木登りに行ってから戻りますね」と報告したつもりが伝わっていなくて、心配をかけてしまいました。

「指示を出すときは顔を見て伝える」とみんなで決めていたことができなかったのが今日の反省です」

先生同士の声かけは、名前を呼んで確認し合う必要があるね。

それは(改善)できることですね。



この日の振り返りから……

今日は子どもの発達がよく見えた振り返りでした。子どもは保育者によって見せる顔、見せる姿が違っていたりします。保育者によっても、かかわり方はそれぞれで、見えている姿、見えていない姿があります。振り返りは多角的な方面から意見を交わすことができる場。子どもの「知らなかった姿」を共有することで、言葉かけから変わっていくこともあると思っています。

同僚の「ナイスフォロー」の話も出ました。次も同じ方法でうまくいくとは限りませんが、共有することで、経験のストックが増えて、次につながるヒントにもなります。


◆話し合いの時間を持つことで日誌に書く課題も明確になります

日誌はPCで管理。日誌を書くことで考えがまとまるし、話すことで考えや課題が明確になります。文章が苦手な人もいるので、「箇条書きでもOK」にしたところ、日誌を書くハードルが下がりました。今ではみな、わかりやすい文章が書けるようになりました。
中番の保育士は、子どもごとに詳細な日誌を作り、職員や保護者と子どもの様子を共有するのに役立ててくれています。


◆日誌には園長のコメントを添える

自分が保育士時代、日誌は書いてもそこに反応があるわけではありませんでした。職員と話し合い、園長のコメントを加えることにしました。それによって、日誌でも園長と個々にその日の振り返りをできることにつながりました。翌日の保育のヒントにもつながるようで、もうひとつの振り返りの場になっています。



この記事の出典  『新 幼児と保育』について 

新 幼児と保育
保育園・幼稚園・認定こども園などの先生向けに、保育をより充実させるためのアイデアを提案する保育専門誌です。

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