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園の人間関係や雰囲気をつかむためには?〜みんなの転職・就職事情イベントレポート前編〜

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掲載日:2020/11/30
園の人間関係や雰囲気をつかむためには?〜みんなの転職・就職事情イベントレポート前編〜

今年9月にHoiClue(ほいくる)にて実施したアンケート「どうやって自分に合う園をさがしてる?」の回答結果では、就職・転職活動の中で、多くの方が園の雰囲気や保育の様子をつかみづらいと感じていることがわかりました。

そんな結果から生まれた、今回のイベント企画。
これまでにたくさんの保育者さんと面接をしてきた3法人の採用担当のみなさんに、ふだんは聞けない就職や転職の本音やギモンをぶつけてみました。
自分に合う園探しの手がかりとなるお話をたくさん聞けた今回のイベントのようすをご紹介します。

登壇いただいたのは…

中央出版アイン保育園
岡田 鉄平さん(ゼネラルマネージャー)
田村 ますみさん(保育園トレーナー(元園長))

*アイン保育園HP: https://www.ein-group.com/ 
*LIVE園見学: https://bit.ly/32hYIXY

株式会社グローバルキッズ 人財採用部
佐々木 りつ子さん
松元 広宣さん

*グローバルキッズHP: https://www.gkids.co.jp/ 
*採用サイト: https://www.gk-recruit.jp/recruit/

社会福祉法人どろんこ会 人事採用部
酒井 友治さん(部長)
川村 由紀江さん

*どろんこ会HP: https://www.doronko.jp/ 
*採用サイト: https://recruit.doronko.jp/


モデレーター

HoiClue代表 雨宮 みなみ

***

イベントは2020年11月6日、オンラインで開催。20代〜50代、学生さんも含めて幅広い年齢層の方々にご参加いただきました。

モデレーターを務めたほいくる代表アメミヤも、6年間の保育士経験のなかで5園で働くという転職経験者。
事前に寄せられたアンケートに基づいて、参加者のみなさんを代表し、自分に合う園を探すためにどんなことをしたらいいのか、どんな心構えがあるといいのか…など、さまざまな質問をぶつけてみました。


Q:園の人間関係や雰囲気をつかむためには?

雨宮:
今回のアンケート、転職・就職活動では、“園の人間関係や雰囲気がわかりづらい”という回答が多く寄せられました。

やっぱり、人間関係について不安を感じている方は多いんじゃないかと思っていて、転職する前にその園の雰囲気や人間関係を知りたい、という気持ちは、私も一転職経験者として、よくわかります。一方で、園に入る前にそれを知るのってなかなか難しいんじゃないかなぁ…とも思ったり。

これまでいろんな保育士さんの面談、採用を担当されてきたみなさんに、ぜひ聞いてみたいと思うのですが、園の人間関係や雰囲気の良さを園見学や面談を通してつかむポイントってありますか?


グローバルキッズ 松元さん:
そうですね、園見学や面接の時に園の雰囲気を一発で見抜きたいという希望は多いと思いますが…残念ながらそれは難しいかなと思っています。
園の雰囲気がいいと感じることは多いと思うんですが、日々働いていく中で行事などで忙しくなると現場のみなさん各々、気持ちの変化があったりして、ずっといい関係でいるというのは難しいんじゃないかと。

なので、人間関係は悪くなるかもしれないという前提で、悪くなった時にその関係をどうやって元に戻すか。そういう仕組みがあるかどうかを、面談や面接で担当者に聞いていただくといいと思います。

もう一つは、入社してから自分自身でフィットする場所を作っていくことも大事なのかな、と。
新しい園にどんどん転職するのも一つかもしれませんが、「自分はどういう現場が働きやすいのかな」「そのためにはどうしたらいいんだろう」と考えていくと、自分で働きやすい環境、人間関係のいい環境を作れるんじゃないかと思います。

株式会社グローバルキッズ 佐々木さん(左)と松元さん(右)

雨宮:
なるほど、見抜くのは難しいことを前提として、その壁を乗り越えるためにどんなサポートをしてくれるか、自分自身がどんなふうにフィットしていくかっていうところも、一つの視点ということですね…

どろんこ会さんはいかがですか?


どろんこ会 川村さん:
今、グローバルキッズさんがお話されたように、人間関係の完全に良い園を探すのは、難しいと思います。
やっぱりスタッフ同士の相性もありますし、現場を見ていると、新入社員、パートさん一人入っただけでも、その場の雰囲気がガラッと変わることも多いですね。
園見学に行っても、その時の雰囲気は一瞬のものですので、入ってみたら違ったというギャップはどこに行っても生まれるのかな、と。

ただ、入った園で、同じ保育観を持つ保育者との出会いから少しずつ自信がついて、自分の思いを発信できたり、仲間と自分のやりたい保育を実践できるような空間を作れるようになるかもしれません。
完璧を求めるのではなく、ちょっとずつ自分の気の合う人を見つけていくことも大事じゃないかなと思います。

どろんこ会 川村さん(左)と酒井さん(右)

雨宮:

やはり、なかなか園の雰囲気や人間関係を見分けるのは難しい、ということなんですね。
では、それを前提としたうえで、あえてお聞きしたいのですが…
いろいろな園を見ていらっしゃる皆さんから見て、雰囲気が良いなぁと思う園に共通していることもあるかなと思うのですが、いかがですか?


アイン保育園 田村さん:

私はトレーナーとして各園を回っているんですが、私が必ず見るのは掃除が行き届いているかどうか。
掃除が行き届いていたり、トイレをきれいにしている園は、園長先生の舵取りがうまく、実は園運営もうまくいっている園が多いです。

あと私は現場でよく「行事はどうやって決めていますか?」と質問するんです。その時に職員の声がちゃんと挙がっているか、活かされているかという点は、園見学の際にみなさんも聞けるんじゃないかな、って。

さらに踏み込めそうであれば…若手の先生と話す機会があったら、園の理念などを言えるかどうか、自分なりの考えがあるか、など。
そういうところも、園長先生の思いがしっかり浸透しているか、園全体が一つの方向を見ているかを知るポイントではと思います。

アイン保育園 岡田さん(左)と田村さん(右)


どろんこ会 川村さん:
園長先生に、率直に「今の園の課題はなんですか?」と聞いてみるのも一つかなと思います。
やっぱり課題のない園は、ないと思うんです。そこを園長が「チームワークをうまく作るために、こういうところを目標にみんなで話をしているんです」と正直に答えていただけたら、完成された園ではないという現実も知った上で、入社できる。

ギャップを少なくするためにも、正直にお話していただけるかどうかという点が、すごく大事かなと思います。


雨宮:

ちょっと聞きづらい気もしますけど、そこで、本来の園の姿を聞けるかもしれないんですね。


グローバルキッズ 松元さん:
まさにアイン保育園さんやどろんこ会さんがおっしゃったことも大切だなと思います。
あとは産育休を取得している方がいる園は、安定しているな、という印象を受けますね。
「このままこの園で働きたい」という方が次のライフステージに入っているのだと思うので、「産育休に入られている方はいますか?」と質問してみると、また違った側面で園を見られるのではと思います。

休憩室で職員がどんな話をしているか、もポイントかなと。
自然に子どもの話が出て会話をされていたら、その園の雰囲気はいいなと思いますね。


雨宮:
ありがとうございます。
掃除や課題、産育休…いくつか園の雰囲気を知るためのポイントはお伺いできました。
とはいえ、やはり人間関係は変わりゆくものなので、自分自身の心構えも大切になりそうだなぁと、お話を聞いていて思いました。
何か意識しておくと良いことってあるでしょうか?


アイン保育園 岡田さん:

やはり人間関係がずっと良いということは、ないと思うんです。
例えば昨日までの親友と何かのきっかけで顔も合わせたくない…なんて経験がある方も、いるんじゃないかと。
一番大事なのは、園や同僚に求めるのではなくて、自分自身が人を受け入れる器を広げていく、そんな心構えなのかなと。


雨宮:
ちなみに“自分自身が人を受け入れていく心構え”って、どういうことをしてみたらいいのでしょう?

HoiClue代表 雨宮

アイン保育園 岡田さん:
たとえば苦手な人がいた時、今日はその人を笑わせることができた!ありがとうと言ってもらえた!…とか。
そんな風にゲーム性を持ってやってみると、意外と重く考え過ぎず、シンプルに物事が進んでいくことが多いんじゃないかと思います。それで自分にご褒美を与えてあげたりすると、いいんじゃないですかね。

雨宮:
もう無理、いやだと言う前に、自分のなかで何かしら小さな目的を作っていくと、変わっていく部分もあるかもしれませんね。

前編はここまで。
後編では、「園の本来の保育観や保育方針を知るために必要なこと」、また「自分に合う園を見つけるための情報収集」について、手がかりとなるお話をお届けします!

後編はこちら

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イベントは動画でもご覧いただけます!

当日参加できなかった…
という方は、当日のようすを動画でもご覧いただけますので、ぜひ見てみてくださいね。

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