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保育観の合う園を見つけるためには?〜みんなの転職・就職事情イベントレポート後編〜

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掲載日:2020/11/30
保育観の合う園を見つけるためには?〜みんなの転職・就職事情イベントレポート後編〜

アンケート「どうやって自分に合う園をさがしてる?」に寄せられた声をもとに開催した今回のイベント。
たくさんの保育者さんと面接をしてきた3法人の採用担当のみなさんに、自分に合う園を探すにはどうしたら…?という質問を率直にぶつけてみました。

前編では、園見学や面談などで園の人間関係や雰囲気をつかむポイントを伺いました。

後編では、園の本来の保育観や保育方針を知るために必要なこと、また自分に合う園を見つけるための情報収集について、手がかりとなるたくさんのお話をお聞きしました!

Contents

登壇者紹介
Q:保育観や保育方針が自分に合っているかを知るためには?
Q:自分に合う園を探すための情報収集のポイントは?
法人のみなさんからのアドバイス
参加者のご感想


登壇いただいたのは…

中央出版アイン保育園
岡田 鉄平さん(ゼネラルマネージャー)
田村 ますみさん(保育園トレーナー(元園長))

*アイン保育園HP: https://www.ein-group.com/ 

株式会社グローバルキッズ 人財採用部
佐々木 りつ子さん
松元 広宣さん

*グローバルキッズHP: https://www.gkids.co.jp/ 

社会福祉法人どろんこ会 人事採用部
酒井 友治さん(部長)
川村 由紀江さん

*どろんこ会HP:https://www.doronko.jp/ 


モデレーター

HoiClue代表 雨宮 みなみ

***

Q:保育観や保育方針が自分に合っているかを知るためには?


雨宮:
次は、“保育観”に関する質問に移りたいと思います。
事前にHoiClue読者からアンケートでいただいた質問では、

・自分に合う園がわからない
・掲げられている保育方針と実際の保育に違いを感じる
・入ってみたら、思っていた保育とちょっと違った…

といった声が多く見られました。
ミスマッチをゼロにすることは難しいと思うのですが、その可能性をできるだけ下げる、自分に合う園の探し方のポイントがあればお聞きしたいな、と。

これまでにたくさんの保育士さんを見てきて、「この人は自分に合う園を見つけている」「こういう人は、どの園でも自分らしく保育ができるだろうなぁ」と思うのは、どんな人なのでしょう…?


アイン保育園 岡田さん:
シンプルにいうとまず、自分を知っているかということ。
自分がやりたい保育をちゃんと整理し、理解している人はミスマッチが起こりにくいのかなと思います。

もう一つは、自分を知った後に、ほかを知ることが大事かなと。他園を見学させてもらったり、情報を集めたり、いろんな保育観のある方と交流してみたり。そういうことで自分の引き出しが増えて、比較することができますよね。
今まで一園でしか仕事をしたことがない方や学生さんだと、自分に何が合っているのか、比較材料がないとなかなかわかりづらい。

例えば「子どもの主体性を大切にする保育をしたい」という時にも、自分にセンターピンがあるのか、子どもが真ん中になっているのかで、保育観は違ってくると思うんです。

だから自分の保育観をしっかりと整理して、軸を持つことが大事かな、と。
うまくいっているなと思う方には、そういう共通点がありますね。


雨宮:
まずは自分のなかで、どんな保育をしたいのか、棚卸しをすることがポイントなのかな、と思いました。
例えばさっきお話に出た主体的な保育。
園が主体的だと思う保育と、自分が考える主体的な保育は、小さいところまで棚卸ししていくと実は異なる点が見えてくるかもしれないなと思ったのですが…

例えばそれを知るために、面接の際などに、
「私は主体的な保育がしたいと思っていますが、御園でそういう保育はされていますか」
「具体的にどういうことをしていますか」
なんて質問しても良いものなのでしょうか?



グローバルキッズ 佐々木さん:

そうですね、聞いてくれる方もいますし、むしろ聞いてくれていいと思います。

例えばうちの園では、子ども主体の保育をしていることをホームページで掲げているので、「主体的な保育をしたい、グローバルキッズはぴったりかも」と面接に来られる方もいるんですが、実際にお話を聞くとイメージしているものが違っていたりするんです。

具体的にどんな活動をしているのか、どんな環境設定にしているか、保育内容は…など、突き詰めていくと考え方が違う部分もあると思います。

だから保育については、園に対して具体的に深く聞いてみることで、ミスマッチにならない転職・就職につながるのではと思います。



どろんこ会 酒井さん:
今時点でご自身の保育観をお持ちの方もいると思いますが、自分から吸収しようというスタンスも持っていた方がいいと思います。
いろんな保育者さんがいますし、園に入ってから勉強する機会は多くありますので、最初から決めないほうがいいかな、と。

またホームページで情報はいろいろ拾えますが、百聞は一見にしかずという言葉のように、直接人事担当者や面接官、職員に「どういう保育観をお持ちですか」「実際それをどう実践していますか」と聞いて、判断していただけたらと思います。


アイン保育園 田村さん:
新卒で入社した方は3年目ぐらいになると、子どもたちの姿や様子、反応を見ていく中でちょっとずつ自分自身の保育観の軸ができてくるように思います。

私のやりたい保育はこの園だと限界があるかな、ほかの世界を見てみようかな、という理由で転職する時、そのことを面接官に伝えていただくと「あなたはこういうことを経験してこういう考えに至ったから、次はこういうステップを踏んでいきたいんだね」ということがわかります。

「うちの園の保育の考え方は合ってるね」となる場合もありますし、「ちょっとうちの園だと考え方が違うかな」とお伝えすることもできる。
やっぱり自分自身の体験を掘り下げておくことが重要かなと、思います。


雨宮:
ありがとうございます。
自分の保育観や体験について、棚卸しをしてみると良いかもしれませんね。そして、それに対して質問をしたり相談をしたりしたほうがいいんですね。
ちょっと聞きづらいこともあるかもしれませんが、聞いた方がミスマッチを防げて、より自分に合う保育に取り組みやすいのかなと思いました。
ちなみに今回、保育に関すること以外、例えば条件面に関して、面談の際に質問させていただくことは失礼ではないですか?という声もいただきました。
こちらは事前に登壇者のみなさんに確認したところ、特に問題ないんじゃないかなというお答えでした。
日常の中で仕事は大きな時間を占めていて、働き方はすごく大事なポイントだと思うので、保育についてとあわせて面談の時にお話しをしてみると、ミスマッチはより減らせるのかなと思います。


Q:自分に合う園を探すための情報収集のポイントは?

雨宮:
最後に少し、情報収集の方法についてもみなさんにお伺いさせてください。
手段としては、園見学、ホームページとか口コミと色々あると思います。

情報ってすごくたくさんあるので、それだけではわかりづらい部分を、自分から聞き出したり得たりするってことも大事なのかなと思うのですが…

「こんなアクションしてみると転職活動にプラスに働くんじゃないかな」ということを、教えていただけますか。


アイン保育園 田村さん:
例えばですが、応募フォームの備考欄に何かを書く人は、ほとんどいないんですね。
そういう欄に、悩んでいるポイントや、やりたい保育、こういう働き方をしたいとか、希望するエリアなど、より詳細を記入してもらえると、こちら側も考慮をするので、ミスマッチが防げるんじゃないかと。

どんなことを書いたらいいんだろうと悩む前に、こういうことで悩んでると、どんどんアピールいただいた方がいいと思います。


どろんこ会 川村さん:
そうですね、備考欄に記入していただくのも一つの手だなと思いました。
ただ書かれている内容だけだと受け止め方で食い違いが出たりもするので、やはり直接話すことが一番、その方が欲している情報に回答できるかな、と。

情報がものすごく溢れているために、逆に見落としてしまっていることもあると思います。

例えば、ご自身が住んでいるエリアから通える園はたくさんあるのに、一つの園しか見ていない時。質問をいただくことで、その方が探している園と見ている園がマッチしていなければ、こちらからほかの情報を提供できます。

遠慮せず、お気軽にお問い合わせいただきたいなと思います。


グローバルキッズ 佐々木さん:
面接、採用活動をする中で、皆さんの情報収集の方法が2つあるかなと思っていて。
最近は紹介エージェントさんを利用する方、もうひとつがホームページなどを見て直接いらっしゃる方、です。
どちらがいい、悪いではなく、どちらも利用する上では注意するポイントがあると思います。

基本的には、紹介エージェントが言うこともホームページに書いてあることも、“いいこと”が多いと思うので、いい意味で、まずはその情報を鵜呑みにしないことが一つかなと思います。
そこで生きた情報を拾うにはどうしたらいいか…みなさんおっしゃっていたように、自分で直接問い合わせてみる。

あとは園見学ができない場合、たとえばお散歩一つとっても、園の様子はわかったりするんですよね。
実際にグローバルキッズにご応募いただく方の中にも「お散歩行ったり公園にいたりする姿がすごく良かったです」という声が。そういう何気ない日常を見て、ご応募いただく方もいるんです。

だから自分の足で生きた情報を取りに行くのは、すごく大事なことかなって思います。


雨宮:
これを聞いたらちょっとよく思われないんじゃないかな、こんなことを聞いたら失礼に当たるんじゃないかな…と、聞こうと思っていたのに実際に会ったら萎縮しちゃって聞けなかったこと、私自身もありました。

でも今日お話を聞いていると、逆にどんどん質問したほうがいいんだなって、改めて思いました。



他にも、ここでは書ききれないくらいのお話をお伺いしましたが、その様子は動画でもご紹介しています。

ちなみにイベント後には、まだまだ話し足りない、聞いてみたい質問を元に、参加者のみの延長時間を設けました。
「勤務体制やシフトについて具体的に知るには、どうすればいい?」
「園見学と面談、それぞれのポイントは?」
「転職を繰り返していると、良い印象は持たれませんか?」
など…
たくさんの質問をいただき、いろいろとお話をお伺いしました。

みなさん、どうもありがとうございました!


【法人のみなさんより、メッセージ&アドバイス】

中央出版アイン保育園
就活のポイントは一言でいうと、ラクをしない、ということです。
価値ある情報を集めるには、フットワーク軽くいろいろな所に出向いたり、いろいろな交流を自分から持ったり、そういうことをしないと情報に翻弄されて、ミスマッチやこんなはずじゃなかった…ということが起きてしまう。
いい園が見つかるように祈っていますので、がんばってください。

LIVE園見学:https://bit.ly/32hYIXY

株式会社グローバルキッズ
このコロナ禍で就職活動をされる皆さんは、誰も経験したことのない状況の中、大変な情報収集や活動をされていると感じています。
転職活動はパワーも使うと思いますが、本来、自分自身の未来を描いていく前向きな行動だと思うんです。
もしみなさんとお会いすることがあれば、私達もいいことばかりでなく、現実的に大変なこともお伝えしていきたいです。みなさんにとって本当の就職活動、転職活動になることを願っております。

採用サイト:https://www.gk-recruit.jp/recruit/

社会福祉法人どろんこ会
転職はすごく勇気がいることだと思いますが、今の園にすごく不満を感じているとか、マイナスの思考で次に進もうとすると、いい出会いはないと思うんです。
今の園でやりたいけれど環境的に難しいな、次の法人ではこういうことをやってみたいな、など前向きな気持ちで、次の転職では自分が何を達成したいのかをしっかりと整理した上で法人を選ばれた方が、見る世界も変わってくると思います。
逃げる気持ちではなくプラスに転じてから、発進していただきたいなと思っています。

採用サイト:https://recruit.doronko.jp/


参加者のみなさんの声

・法人の採用、人事担当の方々にお話して頂いたのですごく勉強になりました。普段ここまでのお話を聞ける機会はほぼ無いので参加できて本当に良かったです。

・入社してからでないとわからないことはもちろん多いですが、その入り口で大きくズレが生じない工夫の1つを勉強させていただきました。

・聞きたい内容を聞くことができ、すごく勉強になりました。質問にも親身になって答えていただいて嬉しかったです。

イベントは動画でもご覧いただけます!

当日参加できなかった…
という方は、当日のようすを動画でもご覧いただけますので、ぜひ見てみてくださいね。

▶動画はこちら