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園のあれこれ「捨てた」「捨てたい」モノ・コト教えてください!〜第1回 長く居すわる捨てたいモノ〜

新 幼児と保育
掲載日:2020/11/03
園のあれこれ「捨てた」「捨てたい」モノ・コト教えてください!〜第1回 長く居すわる捨てたいモノ〜

倉庫でほこりをかぶっている古い製作物、ねらいのよくわからない行事や活動、職場に伝わるナゾの習慣......。

今回、小学館『新 幼児と保育』とHoiClueのコラボアンケートで保育現場のいらないモノ、コトを大調査!
第1回は、みなさんから寄せられた園の中に長く居すわる「捨てたい」モノをご紹介します。

年度末に向かうシーズン、あなたの園でも「棚卸し」をしてみませんか?

(この記事は『新 幼児と保育』(2020−2021年12/1月号)に掲載された記事を、2回連載でお届けしています。)


アンケート『園の中にいらない「モノ」「コト」って、ある...?』
調査期間:2020年9月
調査対象・方法:HoiClueユーザーによるオンライン調査

※アンケートの回答を一部抜粋して構成しています。また、回答の表記などを変えている場合があります。



まずは倉庫の棚卸し!園の中に長く居すわる「捨てたいモノ」

まずは園の中の「捨てたいモノ」たちを総ざらい。
季節や行事に合わせて作る製作物や飾り物、造形活動用のリサイクル素材など、「また使えるかも」「もったいない」と保管されたモノたちが、気づけばほこりをかぶって倉庫の奥に...。
もとの所有者が自分でない以上、そこはアンタチャブルな世界なのかも!?

・額縁に入った何十年も前の子どもの描画。倉庫と呼ばれる場所の一番奥にほこりをかぶっておいてある。(元保育士/認定こども園)

・古いマーチングの楽器。チューニングしても音が合わないし、古くてここ数年使っていない。(常勤・正規職員/認可保育所)

・大きいトカゲのオブジェ。たまーに子どもたちに出すと背中に乗ったり首の部位を滑り台みたいにしたりと人気だが、置き場や移動に困る。(常勤・正規職員/認可保育所)

・何年前からとってあるのかわからない壁面装飾。紙は傷んでいるし、貼ってある粘着テープから油が染み出して汚くなっているしダニもいるんじゃないかと...。(非常勤・パートタイム/認可外保育施設)

・園長が作った屋台。お店屋さんごっこで使って以降使わない。じゃまでしょうがないし、職員がぶつかってケガをしている。(常勤・正規職員/認可保育所)

・何個もあるこいのぼりにクリスマスツリー。いくつあっても、出すのは毎年同じものなのに。(常勤・正規職員/認定こども園)

・何年も前に劇やお遊戯で使った古い衣装や小道具。毎年、それぞれの担任が好きな衣装や小道具を作っているし、あまりに古くて使えないものが多い。(常勤・正規職員/認可保育所)

・何かに使えるかもととっておくダンボールや箱、牛乳パック。結局、ずっと置きっぱなしで、捨ててもだれも何もいわない。(園の看護師/認可保育所)

・制服。前ボタンのべストのため、動きにくく、また抱っこした際に子どもが引っぱったり、くわえたり、子どもの髪に引っかかったり、ボタンが外れてしまう危険がある。(常勤・正規職員/認可保育所)

・園のエプロンが古い。新しいのを買わずに使い回し。(常勤・正規職員/認可保育所)

・絶対に注文しないカタログ。事務所で山積みになっている。(主任/認定こども園)

・大量の着替え(園のもの)。ありすぎて場所を取る。(常勤・正規職員/認可保育所)  

・主任2名。ひとりで十分。(常勤・正規職員/認可保育所)

・型が切り取れる道具(星とかハートなど)。当初は便利!と思っていたが、結局自分たちで切るほうが早いし、いろいろな大きさに切りにくかったので数回しか使ってない。5万円もしたのに!(常勤・正規職員/認定こども園)

・倉庫に眠っている重たい乳児用滑り台。(非常勤・パートタイム/認定こども園)

・流しソーメン用の竹。いまだ゙に使っていない。(常勤・正規職員/認定こども園)

・ピースの揃ってないパズル。達成感ゼロ。(常勤・正規職員/認可保育所)

 


【体験&「捨て」のヒント】 見えるところに「出す」と捨てる動機につながります

近藤みさき先生
まちのてらこや保育園園長/東京・中央区

以前、勤めていた園には教材庫代わりの部屋がたくさんあって、運動会で使った大道具だとか、使わなくなったおもちゃだとかが、大量に詰め込まれていました。

とはいえ各先生それぞれに愛着、思いもありますから、勝手に捨てることはできません。そこでちょうど物品係を任されているときに、「教材庫を整理しませんか?」と声をかけ、とにかく全部出して、みんなで「棚卸し」をしたんです。

その年はほとんどをもとに戻すことになったのですが、どんなモノがあるか見て確認することが大事。係がほかの先生に代わっても年に1回これをやるようになり、「もう使わないよね」というのがわかってきたタイミングで用務さんと一緒に教材庫の中に入っている使わなくなっているモノを廊下に全部出して、「いるものは自分のクラスに持って帰ってください。一週間後に残っていたものは捨てまーす」と声をかけました。
4年ぐらいかかりましたが、これでいらないモノをスッキリと捨てることができました。


ヒント「遊びに使う→壊れる」捨てられます

発表会の衣装など、作ったすぐはきれいだし、傷みも少ないし、「何年かたったらまた使えるかな?」と思ってしまいますよね。作ったものへの愛着もあります。それでしまい込まれてしまい、どんどん古くなってしまう...。こういうモノたち、私はおもちゃとして出していました。「みんなー、こんな洋服あったよー」といって子どもの前に出すと、大喜びで遊びを始めます。

本当は作った人が責任をもって出せばいいのですが、忘れてしまうことがほとんど。だったら「先生の作った〇〇、しまっておくのがもったいないから、うちのクラスに飾ってもいいですか?」「倉庫のあれ、おもしろそうだから使ってもいいですか?」と聞いてみてはどうでしょう?「マーチングの道具」という回答がありましたが、これも遊びに出すと楽しそうです。遊び込んで壊れたなら惜しげなく捨てられるし、衣装にしろ、何にしろ、これならモノたちもきっと本望では?

とにかく眠らせずに活用すること。教材庫に積み上がっていた古い巧技台も「なんで外で使ったらいけないの?」と思い、園庭へ。外遊びに使って雨ざらしになったところで、潔く処分できました。 


イラスト/河合美波 

この記事の出典  『新 幼児と保育』について 

新 幼児と保育
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