「おくまんきゅうひゃくさい!」ーごはんを食べながら、3日目。
たっぷり遊び、笑い、泣き、戸惑い、時にぶつかりあって、また遊ぶ。そんな子どもたちが一日のなかで一度立ちどまる、「お昼ごはん」の時間。
仲間と食卓を囲み、ごはんを食べながらおしゃべりをする。その時間で子どもたちは、お腹だけでなく心も満たす。
『ごはんを食べながら』は、そんなお昼のおしゃべりに耳を澄ませる企画です。
「いただきます」のその先に。どんなやりとりが広がっているのだろう?
「おくまんきゅうひゃくさい!」
7月21日(火)。
第3回目の「ごはんを食べながら」。
今回、同じ食卓に集まったのは、5歳児のヒノキ、ケイタ、ケンと3歳児のハヤトとワコ。
この5人は午前中、森で遊んでいた人たち。海に行っていた人たちよりも一足先にお昼ごはんを食べ始めました。
***
ヒノキ「さいしょに ももたろうたべちゃおーう!」
私「この桃、ケイタロウがおじいちゃんおばあちゃんにもらったって、持ってきてくれたんだよ」
ヒノキ「おいしい」
ハヤト「おいしい〜」
ケイタ「ねぇねぇ。ももってね、ほんとうはおしりなんだよ。“すもも”も!だってさ、おしりのあなみたいなまるとせんがはいってるから」
私「じゃあ私たちおしり食べてるの?誰のおしり・・・?」
ケイタ「ぶたのおしり!」
ワコ「ひかちゃんはもうたべた?」
私「食べちゃったよ〜!あまくてすごくおいしかったけど」
ケイタ「ぶたのおしりにハチミツとおさとうかけたの」
ユウ「ひかちゃん、ただいまー。みてこれ!」
私「おかえりー。わぁ、すごい!大漁!!」
ラク「でかいカニはね、カニとりしてたおじさんがくれた!」
私「へぇー!みんなは今日は釣り?網?」
ラク「つりじゃなくてあみだったんだけど、いっぱいとれたよ。おにいちゃんがね、サップでいってね、こんなにおおきなさかなつかまえたんだって!」
この日の磯の様子。子どもたちはどこにどのように網をいれると魚やエビがとれるのかよく知っている。
ヒノキ「あ、ケイタロウかえってきた!ももたろうありがとう〜」
私「ありがとう〜!甘くてすっごくおいしかった!」
ケン「ねえ、ひかちゃん。うみのこでいちばん“せ”たかいのはケイタロウだけどさ、いちばんうみのこでとしがうえなのは、ケンとユウだよ。もう6さいだもん」
私「ケンはこのまえ6さいになったし、ユウももうすぐ誕生日だもんね」
ケン「さいやじん(ドラゴンボールのサイヤ人)はね、としとらないんだよ」
私「そうなの?」
ケイタ「じゃあこどものままなの?」
ケン「でっかくはなるけど、としはとらないんだって」
ケイタ「どのくらいなの?おじいさんにはもうなれないってこと?」
ケン「ごはんもごてんも…」
ケイタ「ヒノキは50さいだよ〜ぼくも50さい!で、ワコちゃんとハヤトくんは1さい」
ワコ「3さいだよー!」
ヒノキ「3さいで、25さい、25さい、26さい!(みんなを指差しながら)」
ケン「ケンとユウだけ26さいだよ」
ワコ「ケイタくんがワコちゃんのこと、1さいっていってたよ。ワコちゃん、3さいなのに」
ケイタ「じょうだんだよ!」
ヒノキ「103さい、105さい、106さいだよ」
ワコ「ワコちゃん、1さいじゃなくて3さいだよ」
ヒノキ「じゃあワコちゃんは100さい!」
ケン「100さいはほんとうは1さいだよ。だって、1・2・3・4・5・6…27・28・29…ななななななんあなななななあ100!」
ヒノキ「1さいじゃないよ。ひゃくまんさいだよ」
ケン「そしたらケンは、600さいだよ。600さい。」
私「へぇ、おおきいね。」
ケイタ「ひかちゃんは1さい!」
私「えぇ?!」
ヒノキ「ひかちゃんは1さーい!おれは2555さい!」
ケン「ケンは、きゅうひゃくきゅうじゅうきゅうひゃくきゅうじゅうきゅうひゃくきゅうじゅっさい!ひかちゃんはおくまんきゅうひゃくさい!」
私「おくまんきゅうひゃくさいってはじめてきいたよ」
ケイタ「ちがうよー、1さいだよ!」
ワコ「ちがうよね、ひかちゃんおおきいもんね」
ケン「むげんさいだよ」
ヒノキ「おしりさい!」
ケイタ「おっぱいさい!ふふふふふふー」
***
ああ、もう本当子どもたちのおしゃべりって面白い。ずっと聞いてたい。
そのなかで、今回興味深いなあと思ったのは、それぞれが持っている数字の概念。大きな人たちは、一の位を自分たちの年齢に合わせていろんな数字を言ったり、なんとなくこれ大きな数字を言う時に使っているよねと知っている言葉を楽しそうに使ってた。そんな彼らのあそびを、小さな人は「わたしはこの年齢(3歳)なのに!なんで1歳?!」と理解できなくて戸惑っていたりして。おしゃべりって子どもの今をいろんな角度から知るきっかけをくれる。
ひゃくまん!おくまんきゅうひゃく!むげん!
そして、おしりにおっぱい。参りました。ふふふ。
【今日の献立】
・ごはん
・青梗菜と豆腐の味噌汁
・レバーの胡麻ソースからめ
・蒸し野菜のサラダ(とうもろこし、人参、ブロッコリー)
・ケイタロウのおうちからいただいた桃
あー、美味しかった。
ごちそうさまでした。
ごはんを食べながら、の舞台:「うみのこ」
http://sokka.world/projects_list/uminoko/
「今日は、どこで何をして過ごしたい?」そんな問いから、一日の生活をはじめる、認可外保育施設。神奈川県逗子市の森里川海と海のじどうかんを生活のフィールドに、暮らし、遊び、日々を重ねています。
連載「ごはんを食べながら」
「なまえ、なに?」 ーごはんを食べながら、1日目。
新年度が始まって、ちょうど2週間が経ちました。
新型コロナの影響でなんだかバタバタと落ち着かない毎日。そんな中でも、日々、自分のこころに真っ直ぐに生きている子どもたち。
今回は、春ならではのやりとりをお届けしようと思います。
「じゃあ、なんだとおもう?」 ーごはんを食べながら、2日目。
自粛期間もあけ、子どもたちの賑やかな声が一日中響き渡るようになってきました。
さて、第2回目の「ごはんを食べながら」。
今回、同じ食卓に集まったのは、5歳児のユウとケン、4歳児のメイ、チヒロとナオト。午前中にでかけた散歩にまつわるおしゃべりが始まります。