保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

毛糸から広がるあそびの世界!〜コドモガラクタラボ レポート 2020年1月〜

雨宮みなみ
掲載日:2020/02/13
毛糸から広がるあそびの世界!〜コドモガラクタラボ レポート 2020年1月〜

子どもたちの“やってみたい!”を共に楽しむ場として、毎月ほいくるのオフィスで開いているコドモガラクタラボ

1月は「毛糸から広がるあそびの世界!」と題して、“毛糸”をメインに遊びを楽しみました。
ぐるぐる巻きつける、結ぶ、切る、割く、くくりつける、その他にも遊び方は広がっていって…

「どれが、たべたいですか?」

さいしょに遊び始めた、3歳の女の子。

お菓子が入っていたと思われる細かな仕切りがたくさんある容器に、ストローや毛糸をどんどん並べ入れていきます。

色とりどりの毛糸玉が並んでできあがったのは、おべんとう。
次第にお箸やフォーク、スプーンが生まれ、“毛糸”と“空き容器”という組み合わせから始まった遊びは、アイデアが形となって、だんだんと広がっていきました。

1つの人形をきっかけに。

材料はたくさんあるけれど、だからこそ、「なにを作ってもいいんだよ」という環境のなかで、何を使って、何をどうやって作ろうか、うーんと周りの様子を観察し、考えている様子が伺えるのは、はじめて遊びに訪れた、4歳の女の子。

そのうち、トイレットペーパーの芯をもとに作られた人形を手にします。
そして…

人形の体に毛糸を巻きつけて洋服を作っていると思ったら、

ぴったりなサイズの空き箱を見つけてベットを作ったり(ガチャガチャの容器のシャンデリア付き!)、

お布団を装飾したり、

お人形さん自身をたっぷりおめかししたり…

1つの人形をきっかけにどんどん遊びが展開していって、2時間近くもの間、集中して遊び込んでいました。
(必ずしも0から何かを生み出さなくても、一つの形があるからこそ、ぐんと遊びやすくなって、こんなにも豊かに広がるんだなぁ…)

“作る”ことが目的ではない、楽しみ方

2歳の双子の女の子。
まわりの子どもたちの様子を覗き込んでみたり、真似してみたり。
興味を持ったものに、積極的に近づいていって、手にします。

液体のりを使ってみる(塗ってみる)。
のりで、紙を貼り合わせてみる。

毛糸を切ってみる。

毛糸を貼ってみる。など…

実際に手にして、触ってみたり使ってみたりして気づく「なんでできないんだろう?」という疑問や「くっついた!」「切れた!」という体験を、実感を通して楽しんでいるように感じました。

「わーー!ながーい!」

「ながーーい!」と毛糸を手に両手を広げていたのは、4歳の男の子。

ほぐして、のばして、輪っかのなかに毛糸を通してみたり、穴が空いている廃材や箱のなかに、丁寧に少しずつ毛糸を詰めてみたり。

「こういう遊びって、家ではなかなかいいよって言ってあげられないから、すごく楽しいんでしょうね。」とお父さん。

この日のラボで広がった、その他のあそび


魔法のステッキとアイス



ガチャガチャの玉 ✕ 毛糸を組み合わせて


オリジナルあやとり

スタッフの振り返り

・子どもたちそれぞれに、他の子どもや大人の姿をよく見ているのが印象的だった。
実際にどこまでそうかは分からないが、他の子がどんなものを作っているのか、どんな素材を手にしているのかを見てインスピレーションを得て遊びが変化していくように感じられた。

・先に楽しそうに遊んでいる子がいると、比較的早く遊びの世界に入っていきやすいんだろうなぁ、と感じた。リードする、というのではなく、ここは楽しい場所だよ、自由に遊んでいいんだよ、という雰囲気は、子どもたちだからこそ醸し出せるものがあると思う。
こういう雰囲気を、自然に伝播できたらいいなぁ。

・大人の感覚だと、どうしても「もったいない」「みんなの分がなくなるから」という思いが先行してしまって、絶対にこの作品やあそびは生まれないだろうな、と思う遊びがチラホラ見られた。固定概念がないからこその、遊びだなぁと改めて感じた。
一方で、材料の出し方が少なすぎるとあそびも小さくなるし、出しすぎると、制限しなければならない場面が出てくるので、随時様子をみながら調整していく必要があるなと思った。

・「たのしい!たのしい!」と素直に言葉にして楽しんでいる子どもの姿と、その子の「たのしい!」のツボを一緒に来たお父さんも発見していた様子に、素直にうれしい気持ちに。
冷静な目線だけで見れば「何が楽しいんだろう?」と思ってしまってもおかしくないようなことも、その一人ひとりの楽しい!のツボを、周りの大人たちがキャッチして、応援してあげられたら(邪魔せず見守ってあげられたら)そこから広がっていくことってあるよなぁと改めて感じた。

・子どもたちがどんなものを作るのかにばかり気がいっていたが、年齢やその子の興味にあわせ素材そのものの感触や特徴を楽しむ様子が、心に残った。

・私たちにできることは、子どもたちの居心地の良い楽しいと実感できるような場作りであり、「こんな子どもが楽しい体験しているなら、また来たいな」「家でも少しぐらいのびのびやらせてあげようかな。」なんて親御さんが思ってくれるような雰囲気やきっかけづくり、またさりげない声掛けだったりするんだろうな、と実感した。


いつの間にか、距離が近づいていた子どもたち

***

次回は、どんな“やってみたい”や遊びの世界が広がるのでしょう…

2020年2月のコドモガラクタラボは、29日(土)に開催します。
お楽しみに!

【2020年2月のガラクタラボのテーマ】
ひらめき写真立てづくり〜コドモガラクタラボ vol.69〜

日時:2020年2月29日(土) 10時〜15時
場所:こども法人キッズカラーオフィス
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「コドモガラクタラボ」とは…?

 

\スタッフトーク/子どもたちの世界をのぞかせてもらう場、“コドモガラクタラボ”

ヒミツキチのように小さくて、ごたごたしたHoiClueのオフィスで開催している、“コドモガラクタラボ”という場についてご紹介したいと思います。

“コドモガラクタラボ”とは、その名のとおり…