<第5回>保育者の本音や実践の技、伝えます!〜新 幼児と保育“ほいく・誌上中継情報局"連載企画〜
あー、あー、マイクのテスト中です!
情報局から5 回目のお届け。
今回のテーマは、「キャリアパス処遇改善」。
保育者のためのサイト『ほいくる♪』への投稿をもとにお届けします!
知らない人が4割以上も
キャリアパスの制度について知っている?
「知っている」と答えた人、実際に園で導入されてる?
今回のアンケート回答者、まさかの1000人超えでした!
こんなに「キャリアパス処遇改善(※)」に関心があるとは、想定外でした。
その一方で、この制度を「知らない」人が44%もいたんですよね。
導入する園は、職員に説明しなくてはいけない決まりなので、単純に考えれば、この44%の人たちの園は導入を見送った(だから説明を受けてない)ってことなのか。
導入するしないにかかわらず、説明くらいは聞きたかったんじゃないかなあ。
でも、制度が複雑でわかりにくいんですよ。
伝えたくても伝えられない、伝えられても難しくて忘れちゃったケースがあったかも(笑)。
なるほど~。
キャリアパス処遇改善って、超簡単にいうと、都道府県が認定した研修を受けて、園から、「あなた副主任ね」などと役職をもらったら、月4万円~5000円の給与アップになる制度なんですよね。
ただ、「役職の決まった人だけでなく、みんなで専門性を高めて、全体的に給料を上げる制度でなくては」という意見があって、その考え方には納得できます。
実は役職につかない人にも、分配できるようにはなってるんですよ。さらに、分配された人はみな、研修に出ることにもなりそう。
周知期間が短すぎて、わかってないことが多すぎる…。
そう。なんとか、来年度も財源が確保されて、いい形に定着するといいんだけど。給与は上がるに越したことはない!
同感。私もあやかりたい!(笑)
アンケート自由記入欄から、
実際に導入した感想(115件)
肯定的意見(27%)
●給料が大幅に上がった!
●うれしい!
●専門リーダーなどいて、まとまりやすい。
●副主任手当として4 万円UPし、今まで以上に責任感を感じ、やる気も出た。給与も上がったから、今後も長く続けていきたいと思うようにもなった。
●この制度は、やる気をさらにかき立ててくれるものだと思います。
否定的意見(38%)
● 研修中に子どもをみるのは、結局、給与の上がらない職員。なんのための制度かわからない。
●人間関係をよけいに悪化させる原因になる!
●常勤職員の保育士のみの導入で、非常勤職員の保育士の私には関係ない話。これでまた常勤職員との賃金格差が広がります(編集部注・国の枠組みでは非常勤も対象。ただし、自治体や園の裁量で対象者は決められる)。
●キャリアを積んでいなくても、園長に気に入られてる人が役職についている。
●導入されても自腹の研修やレポート、それに伴う精神的な負担が増え、結局、それ以上の苦痛が増えた。
どっちともいえない、まだわからない(23%)
その他(12%)
●当然な感じです。今までなかったこの業界が遅れている。
●まだ研修が始まってないからわからない(編集部注・この制度の適用者は最低15時間の研修を受ける必要があるが、今年度は免除)。
●研修は絶対受けたいけど、時間がなく講習科目も多いので、いつ講習修了できるかわからない。
気になった記述…
「副主任にはいくら」と、国が設定してくれたほうがよいです。園にピンハネされてしまうので!
キャリアパスの処遇改善について
キャリアパスの処遇改善についてのイラスト付き解説ページを公開中です。
*おおえだけいこ:イラストライター
平成育児ingライフ研究所を主宰するイラストライター。著書に『保育の世界がまるっとわかる(笑)マンガ じんぐるじゃむっ』(小学館)。
*雨宮みなみ(あめみやみなみ):こども法人キッズカラー代表
元保育士。2010年、こども法人『キッズカラー』を設立。保育者・保護者向けの情報サイト「ほいくる♪」や、遊びスペース「コドモガラクタラボ」などを運営する。