「遊びが学び…?」0・1・2歳の学びを支える保育環境〜書籍/学びを支える保育環境づくり〜
書籍「学びを支える保育環境づくり 〜幼稚園・保育園・認定こども園の環境構成〜」(著:高山静子)より、全4回にわたり、学びを支える保育環境づくりについてご紹介します。
第4回目は、「0・1・2歳の学びを支える保育環境」について。
遊びが学び
0・1・2歳児は、手を使うこと、体を動かすこと、人とかかわること自体が遊びであり、環境とのかかわりそのものが学習です。
たとえば歩く能力を獲得しようとする子どもにとっては、よちよち歩き自体が遊びです。ただ歩くことに喜びを見いだし、くり返し、歩く能力を獲得すると、歩くことが遊びから手段へと取って代わります。
乳幼児期の子どもにとって遊びは、さまざまな能力を獲得するために欠かすことのできない学習経験なのです。
遊び場面での保育者の役割4つの基本
1、遊びの環境を準備
手の届くところに玩具などを置き、子どもが自分で取れるようにする。
2、遊びのきっかけをつくる
0・1・2歳児は模倣の時期。まず 、大人である保育者が率先して遊び、子どもたちへの「きっかけ」をつくる。
3、しずかに見守る
0・1・2歳児は、ひとり遊び 、平行遊びが中心になる。真剣に遊んでいる子どもには話しかけたりせず、静かに見守ることも大事。
4、応答的にかかわる
子どもをよく見て、子どもが保育者を求めてきたときには、一緒に遊んだり、援助したりする。
遊びの環境4つのポイント
子どもの姿を見て、環境をつくる。
ポイント1、なめらかに動く体を育む
あさひがおか乳児園(福島・郡山市)
0歳には、仰向けで十分に遊ばせたり、ハイハイが存分にできるスペースを確保。1・2歳には、歩ける場所を用意し、登る、跳ぶ、寝転がるなど、体を大きく動かす運動が十分にできる環境をつくる 。
ポイント2、なめらかに動く手を育む
0歳には、仰向けで玩具を持たせて遊ばせる。1・2歳は、子どもの手の届くところに、子どもが手を使える遊びの素材や道具を用意。手の発達に応じて、玩具の入れ替えを忘れずに 。
ポイント3、のびやかな心を育む
和光保育園(千葉・富津市)
保育者は、笑顔で応答的(対等のコミュニケーション)にかかわり、子どもが夢中になっているときは静かに見守る。子どもの人数に合わせて、素材や道具をたっぷりと揃える。
ポイント4、よく考える頭を育てる
日野の森こども園(兵庫・西宮市)
玩具は棚に並べるなど、調和的でリズムのある環境を整える。見立てやすい玩具を揃え、好奇心が満足できる環境を準備。大きな声で子どもを動かしたり、ちょっとしたことで叱らない。
書籍のご紹介
今回の記事は、書籍「学びを支える保育環境づくり 〜幼稚園・保育園・認定こども園の環境構成〜」よりお届けしました。
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