どこでもキャンバス〜水と筆だけで楽しめる遊び〜
水道に洗って置いてあった筆を、ある子がいつの間にか手に取り、床に水で絵を描く遊びが始まりました…。
画用紙が必要ないから、どんどん広がるキャンバス。
子どもたちから自然と始まった筆一本で楽しめる遊びを、エピソードとあわせて紹介します。
使うもの
・水
・カップ
・筆
遊びが始まったときのエピソード
何をして遊ぼうかとちょっと手持ち無沙汰な様子でいた年長児クラスの子が、(おそらくなんとなく)水道に洗って置いてあった筆に手を伸ばしました。
何をするのかな?と見ていると、筆を水で濡らして、まる、まる、まる…と床に描き始めました。
近くで見ていた女の子が「なにやってるの?」と聞くと「ん?わかんないけど、まるかいてる」と一言。(顔はちょっとつまらなそう)
質問した子は、丸を描いている子とは対照に「おもしろそう!」と言い、自分で筆と水を持ってきて、大きな丸や小さな丸を描き始めました。
「ケン ケン パみたい。ジャンプしてみようかな?」と言いながら、どんどん丸を増やしていきます。
そして、本当にケンケンパが始まりました。
いつの間にか…床は丸だらけに。
はじめに丸を描き始めた子は、気がつくと笑顔になって遊びに夢中になっていました。
「わー!どこあるけばいいんだろう〜!」と言いながらそばを通り過ぎていく子たちを横目に、どんどんキャンバスが広がっていきます。
そんな様子を少し遠くからみていた、面白いことに目ざとい年少組の子どもたち。「どこに(筆)あるのかな?」と相談しながら、なんとか自分たちで筆とカップを見つけ、年長児の姿を真似しながら、なにやら描き始めました。
「これは、ぶどう!」
「これは『よ・う・こ・そ』ってかいてあるんだよ」
はじめは静かに一人で遊んでいた廊下に、いつの間にか大勢の子たちが集まっていました。
雨空のどんよりした朝は、子どもたちもなんとなく気分がどんよりしているということがあるかもしれません。
何気なく始まった遊びと友達との関わりから、少しずつ気持ちのエンジンをかけていき、ちょっと静かに、ゆっくりスタートする朝の時間の先に「楽しい」が待っていました。
ポイント!
・写真は木の廊下ですが、コンクリートの上でやったり、筆ではなく小さなじょうろを使って砂の上で絵を描くのも楽しそうです。
・画用紙で絵を描くことに緊張してしまう子でも、水と筆なら描いてすぐに消えるので、「間違えちゃった」という感覚を持たずに楽しむことができそうです。初めての筆を使った絵の具遊びの導入としてもおすすめです。