\みんなの実践例/【お散歩に行きたいみんなと、どうしても行きたくない子】〜こんな時、どうする?みんなの相談ひろば〜
正解がないからこそ、立ち止まったり考えたりすることが多い保育の場。
でも、正解がないからこそ、いろんな角度からの視点や考えに広く触れることで、柔軟に、より保育がたのしくなるのかも…?
誰もが聞き手、受け手になって、それぞれの思いや考えを持ち寄れる場にしていきたいな、という考えの元スタートした『みんなの相談ひろば』。
1回目の相談テーマ【お散歩に行きたいみんなと、どうしても行きたくない子】に寄せられた、みなさんの思いや考え、実践例をお届けします。
お散歩に行きたいみんなと、どうしても行きたくない子
子どもたちとお散歩に行く公園を決めてさぁ出発!
でもAくんだけ、どうしても行きたくないと頑なに靴を履かず…みんなは玄関で待っている状態。
こんなとき、みなさんが引率担当だったら、どうする…?
【1〜2歳の場合】みんなから寄せられた声
行きたくない子どもの気持ちを知る
(1歳児)
嫌がる理由があるので、まだ思いを言葉で伝えられない年齢の子は、前後の状況を見極めてその子の嫌な思いを理解したいから…なぜ嫌がっているのか見極める。
(2歳児)
すぐその場で機嫌が直せない日もあるのかな…
他のクラスに預かってもらうか、人数に余裕があれば1人保育士を残して一緒に遊んで心が落ち着いたらもう一度誘いかける。OKだったら遅れて参加。ダメだったら理由を聞いて園で遊ぶ。
(1歳児)
こどもの「行きたくない」気持ちをきちんと探る。勿論、お散歩の楽しさも伝える。何してもダメなら無理には行かなくていい。行かない選択肢を選ぶとおこるであろう出来事もこどもに伝える。
このエピソードは保護者にも伝えるし、私達、保育者の意図していることも伝える。2歳でも同じ対応をする。 意図はこどもの気持ちを大切にする保育だから。自分で選ぶ事を大切にしているから。そこで自分の気持ちを大人が受け入れてくれる体験の積み重ねにもなる。何で行きたくないか理由を聞いて、行かなくてもいいけど私達は誰も残らない事を伝え隣の2歳クラスに託して散歩に行く。
気持ちを切り替えたり、気分転換をする。
(1、2歳児)
外にワンワンいるかな?どんな車通るかな?とその子が興味あるものを外を見せながら会話して外に興味を持たせる。
窓から外を見せて少しお話しする。
(1、2歳児)
気分転換兼ねて、外気浴に連れ出してみる。散歩車に一度のせて嫌がったら、興味を別に切り替え、園に残れるよう、他クラスと調整をかける。
(2歳児)
無理に連れてくと良い気持ちにならないから…
天気が良いから行くこと。虫や花がいるかなと声かけて行くように繋げる。
(1歳児)
過程はどうであれ、どこかで楽しめたらOKなので…
靴と本児をベビーカーに乗せて出発。公園についたら遊んで、機嫌見て帰りは歩いてもらう。ダメだったらベビーカーで帰る。
(1歳児)
乳児の場合、出発する直前の出来事がきっかけで、イヤイヤになることが多いが、自分では気持ちを切り替えられないため、切り替えやすい方法を選択できるように、いくつか伝えようと思うから…
いきたくない理由を問いかけながら、気持ちが切り替わるような言葉を掛ける。例えば、園の靴を貸し出すや、散歩車に乗るなど。抱っこがいいなら、抱っこで出発する。
散歩ではなく「赤いブッブー(車)見に行こう」消防車見に行こう!と散歩から少し目的を詳しく伝える。
(1歳児)
何か手にすることでこの中に入れるものを見つけたいという具体的なワクワクが子どもに伝わるようにする。
虫かごや飼育ケースなど何か持たせて何かいるかな?と誘う。
(2歳児)
目的に向かうための散歩じゃつまらない。着くまでにもワクワクするような声かけをする。その子だけではなく、みんなもワクワクできるから…
先生といいもの探しに行かない?と誘う。
子どもの気持ちに合わせて…
(1歳児)
その子の思いを大切にしたい。しかし体制的に厳しいなら少しでも楽しみをもって行けるよう対応したい。
体制的に1人残れそうならクラスの保育者が1人残って、園で過ごす。体制的に無理ならその子と1対1で対応しながら連れていく。
(1歳児)
無理強いせずに想いを尊重したいから…
本児に事務所で主任先生などと一緒に過ごすか、散歩に行くか選んでもらう。
(1歳児)
集団で動くことよりも自分で決めて動くことの方が大切な時期であり、本人の意思を尊重したいので…
散歩に行かず園内でフリーの先生と過ごす。
(2歳児)
気持ちを受け止めてもらえたことで信頼関係をより築けると思うから…
行く子どもと残りたい子どもで分ける。
(1、2歳児)
集団生活だからある程度はみんなと合わせることも必要だけど、小さい子の場合はなかなかそうもいかないので、少しでもその子の思いに寄り添ってあげ室内遊びにしなくてもその子が許容範囲になる案なら他のみんなをその子に合わせなくて済むので…
①可能であれば、園にいる他のクラスの先生にお願いしてその子だけ預かりをお願いする。
②外に散歩に行くのをやめて園庭をぐるぐる探検行こう!などと誘ってみる。
その子自身、他の子のようす、園の状況などを踏まえて…
(1歳児)
活動は散歩となっていて、保育士の人数も足りないので留守番させることもできないので…
靴を履かせるか、嫌がる時は靴を持って抱っこするなどして連れていく。
(1歳児)
月齢差により散歩というだけで動きが全く違うため…
少人数グループに分けて行く。更に散歩の日案を1週間計画し、長く期間を設けて日毎に組み合わせを変えながら散歩をする。
(2歳児)
あまりに泣いて嫌がっていたら、保育園に残っている他のクラスにお願いしたり、クラスを半分にして園庭で過ごすようにしたりする。
泣いて嫌がっていても連れて行けば、しばらくして歩き始めたり、公園で遊んだりと楽しんでいる姿も見られるが、連れて行くまでにかかる時間、他の子があまりにも待たされているなぁと感じることが増えたため。
また、なだめすかして行ったとしても、道路などで急に機嫌が悪くなりその対応に1人かかりきりになり、他の子の身の安全を万全に守れるのかと思ったので。
そのほか
(1歳児)
泣いてまで嫌がるなら虐待にもなるので、嫌がるなら職員室で見てもらうか、他のクラスで見てもらい園内に残る。
(1歳児)
無理に連れて行く散歩ってなんなのかなと。乳児は特に無理に連れて行かなくても良いと思うから。(もちろん、それには保育教諭に余裕がないとできませんが…)
園に残る、他クラスの先生にお願いしたり、自分のクラスの先生1人残ってもらう。
(年齢問わず)
どうしてもやりたくないことを強制したくないから…
行きたくない子どもは今日は行かないクラスの先生にお願いしてそこの活動に参加でよければお留守番とします。
みんなと一緒に楽しい事を経験させてあげたいし、子どもが行かないとなると散歩に引率する先生が足りなくなるので…
なぜ行きたくないのかたずね、気持ちに寄り添いつつも散歩に行きたくなるよう、誘う。
外での経験を増やしたい。歩く事を楽しませたいから…
体調が悪いとかでなければ、一緒に行けるように その子の好きな事を楽しみにできるような声かけをして、一緒に行く。
【3〜5歳の場合】みんなから寄せられた声
行きたくない子どもの気持ちを知る。どうしたいのかを聞く。
(4歳児)
その子なりの何かしらの理由があると思うから…
どうして行きたくないのか理由を聞き、どうしたいのか聞いたのち、「公園で〜しようと思うんだけど、本当に本当に行かない?」と確認し、もし可能なら園に残ったクラスに見てもらったりする。
(4歳児)
その子の思いを大切にしたい。しかし体制的に厳しいなら少しでも楽しみをもって行けるよう対応したいので…
本人に行きたくない理由をちゃんと話してもらう。思いを受け止めた上で、周りの子の様子を伝え、その上でどうしたいか聞く。
(4歳児)
その子の行きたくない理由を知りたいから。理由や思いを聞いて、対応を考えたいから…
行きたくない理由を聞く。
(4歳児)
行きたくない状況がわかるようなら、行きたくなるような声かけや、場所などを前もって考えておくようにする。
行きたくない理由を聞いてみる。他のクラスのところで留守番できるか聞く。できるならその日は行かずに、別の日に行く時は一緒に行こうと伝える。
幼児なのでどうして行きたくないのかなど、ちゃんと話を聞きそれに対して行動を提案してあげたいので…
まず行きたくない理由を聞く。その理由によるが、1.2歳児と同じ対応ができそうならやってみる。園でのイノコリ先生が可能なら先生のお手伝いなど特別なことをさせてみる。
きっかけを作る。楽しみをみつける。
(3歳児)
年上児に誘ってもらったり、手をつないでもらう。 年長児だったら、気の合いそうなこの面倒見てもらいながら連れ出してみる。
(3歳児)
〇〇くんのかっこいい靴はいてみようと誘ったり、お散歩の中にその子が好きなものを探しに行くことを伝えたりする。自然の中に好きなものがなければ、ポイントに好きなものを用意しておいて、〇〇が待ってるよ〜と、お散歩の楽しみを見つけてあげる。
お散歩の中に心が子どもたちがわくわくすることが待っていると、お散歩が好きな子もさらに楽しみになる。行きたくない子もこんな対応ができれば、次に行くときは何があるかな?と楽しみになるから。
(以上児)
見通しをもった考えもできるようになっているため…
今日の活動は散歩であることや、散歩先にどんな楽しいことが待っているか伝える。
(3〜5歳児)
目的地に向かうことだけでは移動だと思う。散歩は、何か見つけたり手にしたり五感を使ってワクワクできるように保育士も工夫したり、コースを考えてみることから子どもとすればもっとワクワク出来るから…
どうして行きたくないかを聞く。公園に連れて行くだけじゃなく、到着するまでの道のりでも楽しめる工夫はできないか?子どもと考えてみる。
その子の気持ちに合わせて…
(年齢問わず)
行きたくない気持ちを説明できるのであれば、配慮してあげるべき。
年齢は問わず、他のクラスの活動に参加させてもらうのはどうか提案。(理由が言えるなら)
(4歳児)
4歳ごろになるとしっかり自分の意見を持ち言葉でも表現できる子が多いと思うので…
意固地になっている場合は少し水を飲ませ、スペースを与えてからどうして行きたくないのか理由を聞く。お外で走りたくないのであれば公園のベンチで一緒に座ってお話ししたり、シャボン玉、チョークなどがあることを伝えたり、気温の問題であれば貸し出せるものは貸し出してあげる。
また、ただ靴を履くのを手伝って欲しいだけなら、お手伝いして欲しいことを口で言うように促し、少し手伝ってあげる。
一番はその子の性格に合わせて対応を変える。ただ構ってほしくてイヤイヤしている子には、他の子や先生に少し先に行ってもらったりもする。
(5歳児)
その子の思いを尊重し、無理やり行かせるのも違う。
最後まで色々な職員で声はかけるが、それでも嫌ならその子だけ行かず園に残る。
行きたくない理由が普段からインドアタイプであれば、散歩は週一回だとすれば 散歩での経験をさせたい。でも、どうしてもやりたい事があって残っても見てくれる環境があれば、個人的にはさせたいと思っている。
ただ、残ってやりたい事かあると言える関係性を園としては、保育者によっては作れていない感じがするので、一緒に行く事が多い。
こどもの行きたくない理由を探る。行きたくない気持ちを尊重する。行くと楽しい話を伝え、残るのであればの話をして、最終選ぶのはこども。同じクラスのこどもにどうするか?尋ねたのは意外にこども同士で話すとやっぱり行く!と気持ちが切り替わる事もあるから。 保護者には行かなかったエピソードを伝えます。
こどもの気持ちを大切にする保育だから。見極めが難しいけどワガママ?みたいな意見には大人がしっかり向き合いかなり時間をかけて話をして遅れて散歩に行くケースもあります。 自分の気持ちを受け止めてもらえる大切さ、難しい時は真剣に聞いてくれる大人の存在。全てがこどもの力になると思っています。
みんなで相談する
(5歳児)
仲間の一人ひとりがみんな大切なことを感じ合えるようにしたいから…
みんなでどうするか話し合う。
(5歳児)
子どもたちの主体性を引き出すための散歩という活動。の考え方で計画、実行、振り返り、を自分たちで繰り返す。
自分たちでどうするか決める。
そのほか
(3歳児)
学びになると思うので、全体で行くため説得する。
みんなと一緒に楽しい事を経験させてあげたいし、子どもが行かないとなると散歩に引率する先生が足りなくなるので、なぜ行きたくないのかたずね、気持ちが変わるように話してきかせる。
残る子がいると、散歩に行く先生の数が足りず、いけなくなるので、なぜ行きたくないのかたずね、気持ちが変わるように話してきかせる。
(以上児)
以上児では、集団生活であることも伝えていかないといけないから、散歩とは言わず「◯◯公園行こう。」「だんご虫、バッタとりに行こう。」「先生誰も手を繋いでくれる人いないから先生と手を繋いでくれる?」など声をかける。
(3歳児)
集団行動がとれるようになってほしい、でも無理矢理連れて行くのは違うので、前向きに出かけられるようにしたい為、好きな物を聞き、それを探しに行こうと提案する。
(5歳児)
あまりに嫌がっていたら、他クラスに頼み保育園で過ごしてもらう。
他の子が待たされて遊ぶ時間が少なくなるのはかわいそうだと思うので。また、体調を崩していたり、寝不足などでそのような反応が見られることもあったりするので、あまり無理強いしないでいる。 散歩に行かず残った子はみんなが公園で遊んでいる壁新聞を見て「今度は行きたい」「行けばよかった」と話すこともあった。自分で「行きたい」と思うことが大切だと思う。
寄せられた思いや考え、実践例を少し分類してご紹介させていただきましたが、どの回答にも根底にみなさんの“子どもへの思い”を感じました。
その時々の子どもの様子や周りの状況を踏まえて頭を悩ませたり、関わりを工夫したり…
いろんな角度からの視点や考えに広く触れることができた、第1回目の相談ひろばでした!
みんなの相談ひろばに参加してくださった方
勤務先
経験年数
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参加してくださった皆さん、ありがとうございました!
これからも引き続き、「こんな時、どうする?」をもとに毎回異なるテーマで、みんなの相談ひろばを実施していく予定です。
ぜひご参加いただけたらうれしいです。
次回もおたのしみに…!