【アンケート結果】ヒヤリ!ハット!“もしも”のための安全対策、どうしてる?〜『新 幼児と保育』×HoiClueコラボアンケート〜
思いがけないふとした瞬間、ずっと見ていたのに目を離したほんの一瞬。
予期せぬ危険が子どもに降りかかることがあります。
保育の中で、ヒヤリ・ハットやケガ・事故は常に背中合わせ。
「もしも」を防ぎ子どもたちを危険から守るために、今足りていないこと、もっと強化しないといけないのは、どんなことでしょう?
みなさんの園での安全対策やヒヤリ・ハットの体験についてうかがいました。
【アンケート】ヒヤリ!ハット!“もしも”のための安全対策、どうしてる?
〜『新 幼児と保育』×HoiClueコラボアンケート〜
実施期間:2022年7月12日〜2022年7月18日
回答数:110件
1、あなたの勤務する園には、安全マニュアルがありますか?
「園が独自に作成・アレンジしたマニュアルがある」が全体の55%、「園を運営する法人の共通のマニュアルがある」が20%で、何かしら自園や法人で作られたマニュアルを持っている現場が、回答全体の3/4でした。
自治体のマニュアルを利用している園も含めると、約8割以上の園に安全マニュアルがあるという結果に。
一方で「わからない」が13%、「書籍やインターネットに掲載されていたものをコピー・プリントアウトして施設のマニュアルとしている」も3.6%と、園として基準とするマニュアルの存在がない、周知されていない現場も一定数はあるのが気になりました。
2、園の安全マニュアルはどの程度、更新されていますか?
「年度が改まるたびに見直し・更新されている」が34%、「数年に一回程度、見直し・更新されている」は30%。
マニュアルが毎年、最新の状態に見直されている現場は全体の3割でした。
「わからない」26%、「見直されていない」も7%と、あわせて3割近くとなり、マニュアルがあっても、最新のものになっていない園の方が全体的に多いという結果になりました。
3、もしも重大事故がおこったとき、職員の役割分担は明確ですか?
「役割分担が明確である」が、全体の55%以上でした。
一方で「どちらともいえない」約29%、「役割分担が明確ではない」も約16%と、役割分担が決まっていない、意識共有されていない園も半数近くとなりました。
4、あなたが不安に思っている(もっと知りたい)安全対策を、3つ選んでください。
多かった順に
1…「誤嚥・窒息」
2…「熱中症」
3…「SIDS(乳幼児突然死症候群)」
という結果に。
日々の園生活の中で起こりやすい、月齢、年齢の低い子どもの食事やお昼寝時などの事故への安全対策を求めている方が多いようです。
続いて
4…骨折などの大ケガ
5…プールなど水の事故
6…置き去り
7…交通事故
8…やけど
という結果になりました。
5、あなたの園で経験したヒヤリ・ハットの事例やエピソード、その後どんな対応や対策をするようになったかについて教えてください。
階段
2階の階段の手すりに足をかけて登って下を覗き込み、転落寸前だった。
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* 気をつけて見守る。
(私立認定こども園/5歳児クラス)
他児に押され、階段の上から落ちる。
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* 階段の上は要注意で見るようにする。また付近で遊んでいる子には階段の近くは危ないことを伝える。
(私立幼稚園/3歳児クラス)
屋外、園外へ
早朝保育時に利用する部屋から保育室に移動中に玄関を飛び出し、駐車場先の園の門の近くまで出ていた。
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* 以前は門を開放して、保護者の車の出入りが出来るようにしていたが、門を閉じてみるようにした。
(私立認定こども園/3歳児クラス)
玄関が開いていて、子どもが一人で道路に出てしまった。
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* 施錠をする決まりである事を訪問者に伝えたり、 保育者が目が届く場所で遊ぶようにした。
(私立認定こども園/2歳児クラス)
運動会のときに子どもが園を抜け出して自宅に帰った。
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* 必ず、子どもを傍に置く。門の前に人を置く等。
(私立認可保育所/2歳児クラス)
散歩・園外保育にて
園の前が交通量の多い国道で、 散歩での信号待ちで子どもが手を離して道路に飛び出しそうになった。
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* 信号待ちの時は、歩道の奥で待ち、できるだけ交通量が少ない道や歩道のある道を選ぶ。
公園などでも、よく動く子は担当を決めてついて回るようにした。
(企業主導型保育施設/主任)
出入口が3つある公園にお散歩に行った時、 保育者は出入口付近にいたものの、1人の園児が突然出入口へ向かって走り出し、 公園外へ出ようとした。
近くにいた保育者が気付いて公園外へ出る前に止められたが、 車通りは多くないものの、トラックなども通る道だったので、 出ていってしまっていたらと思うとゾッとした。
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* その園児は、発達障がいがありこちらの指示が通らないことがほとんどなので、 散歩に行く時には、 加配ではないが保育者を必ず1人付けるようにした。
(公立認可保育所/異年齢児担任(0・1・2歳))
子ども同士
つかまり立ちをしようとした子が友達のスタイを持って立ち上がろうとしていた。
すぐに気付いて止めたので大丈夫だった。
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* 子どもたちの様子を今まで以上に気を付けて見るようにした。
つかまり立ちをしやすい場所を用意した。
(私立認定こども園/0歳児クラス)
乳幼児担当なので、子どもの転倒や噛みつきが1番多いです。
基本的には子ども同士の距離に気をつけつつ、関わりを持てるような遊びを心掛けています。
しかし、職員の中でも危機感の違いもあり、ヒヤリにつながってしまうこともあると感じてます。
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* まずは子どもの状況をよく観察して、それを共有化するように努める。
なぜヒヤリにつながってしまうのかを、子どもの発達も含めた見解をそれぞれで持ち寄り、よく分析し、 解決策を提案、共有化する。
(公立認可保育所/1歳児クラス)
食事
アレルギー児の配膳には、別のトレイが用意され、名前の札が置いてある状態で調理から受け取る。
その名前の札が別のアレルギー児と入れ替わっていた。
(完了食と乳児食だったため担任が気づき未遂に終わった。)
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* 事前にメニューを確認して調理から受け取るようになった。
(公立認可保育所/2歳児クラス)
そのほか
つまづいた保育者がぶつかり、大型ロッカー棚が転倒した。
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* 棚の配置を変え、壁付けにしたり、耐震マットを敷いて対策した。
(企業主導型保育施設/主任)
直径4センチの円形のラバーの玩具をガッポリ口に入れ、のざえていた(ふさがっていた)。
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* 玩具を誤飲チェッカーに通す。
(公立認可保育所/2歳児クラス)
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アンケートに回答してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
このアンケートを実施した後ですが、今夏、通園バスでの園児の置き去りという子どもの死につながるあってはならない事故が起きました。
登降園時の園側の受け入れ体制や職員の動きなどを含め、改めて保育でのヒヤリ・ハットする場面の洗い出しやマニュアル等の見直し、更新に取り掛かった現場も多いのではないでしょうか。
どんなにマニュアルや想定事例を整えても、予期しないヒヤリ・ハットは起きてしまうもの。
それでもこの備えが事故を未然に防いだり、有事の時に子どもの命を守るための大人の連携に間違いなくつながっていくのだと思います。
皆さんから寄せられたヒヤリ・ハットの事例や対応など今回のアンケート結果、園での安全対策を考える時の参考にお役立てください。
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アンケートに協力してくださった方の属性について
勤務先
お立場
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最後までお読みいただきありがとうございます!
HoiClueでは今後も様々なテーマでアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。