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【アンケート結果】あなたの心に残る、子どものあんな言葉、こんなひとことは…?

竹原 雅子
掲載日:2022/10/25
【アンケート結果】あなたの心に残る、子どものあんな言葉、こんなひとことは…?

ハッとしたこと、ズキンときたこと、目の前に広がる世界が変わったこと。
思わず笑ってしまったこと、涙が出るほどうれしかったこと。

子どもの何気ない“ひとこと”に、心揺さぶられたことはありますか?
それはどんな時にかけられた、どんな言葉でしょうか。

今回のアンケートテーマは「あなたの心に残る、子どもからもらったあんな言葉、こんなひとこと」。
エピソードといっしょに、寄せていただきました!

【アンケート】
あなたの心に残る、子どもからもらったあんな言葉、こんなひとことは?

実施期間:2022年10月11日〜2022年10月17日



成長を感じることば、背中を押してくれたひとこと

日常の、ふとした瞬間にかけられたひとことに、日々の成長を感じたり、大人のほうが大きな力をもらったり…。

「〇〇先生だ!」と名前を呼ばれた時。

<2歳児〜5歳児>
ただの遊びや遠くから声をかけられた時など、普段の日常で。

誰よりも子どもたちが私を認めてくれていて、子どもたちの中に私が居ることが伝わってきて、「保育士になってよかった」「保育士として頑張るぞ!」と私の心を満たしてくれる。

(認可保育所/3年以上〜6年未満)

「○○先生、久しぶりだね!」

<4歳児 男の子>
コロナ感染してしまい、長期間の休み明けに出勤した時。

受け持つクラスではなく、普段もあまり関わりがないクラスの子だけど、名前を呼んで話しかけてくれたことがとても嬉しかった。

(認可保育所/1年未満)

「先生、気をつけてね!大丈夫?」

<3歳児 男の子、女の子>
ちょっと高いところでの作業をしていた時。
くしゃみをしていた時。

あんなに小さかった子たちが、大人の心配をする側にまで成長したことが嬉しく驚きました。

(認可保育所/6年以上〜10年未満)

「大丈夫?早く着替えないと風邪ひくよ」

<2歳児 女の子>
手洗い場で手拭きタオルを濡らしていた時に、ほかの子どもがいたずらで蛇口を塞ぎ、その水が自分にかかってびしょ濡れになってしまった時。

2歳児クラスの担任は何度かやっているが、こんなに優しい言葉をかけてもらったのは初めてだったから。

(認可保育所/6年以上〜10年未満)

「どこへもいかんといて。」

<3歳児 男の子>
骨折して2ヶ月半仕事を休んで出勤した日、0歳児から見ていた子が、膝の上に座り呟いた。

急にいなくなって本当にごめんなさいと思い、その子との絆を感じたことは嬉しかった。

(認可保育所/20年以上)

「(私に対して)◯◯は先生の中のリーダーでしょ?いつも自分で頑張ってる。
ぼくはいつも◯◯の手伝いをするよ!年少の時から見てきたんだ!」

<4歳児 男の子>
異年齢の預かり保育をする時間帯。預かり担任の私はお迎えまでの時間も子どもたちが活動的に充実した時間を過ごせるようたくさんのあそびを提案し、子どもたちと心から楽しんで日々を過ごしていた何気ない一日に言われました。

頑張ってる身近にいる大人の姿はダイレクトに子どもに伝わるし、答えのない、正解のない保育にかける想いが子どもに伝わったし、それに対して言葉にして返してもらえた最高な瞬間だったため。

(こども園/10年以上〜20年未満)

「先生、すごい上手だったよ!」

<3歳児 男の子>
朝の会でピアノを弾いているとき。

今年度から初めて幼児クラス(年少)を持つことになり、日々自宅練習をして、2~3週間経った頃、朝の会の後に、言われた一言!
苦手意識が強かったけど、色々覚えてたくさん弾いてあげなきゃ!って、私自身にやる気を与えてもらえた一言でした!
言われた直後ビックリしたけど、ありがとう!先生頑張るね!って子ども達に感謝を伝えました!

(認可保育所/10年以上〜20年未満)

「大人になっても先生のこと 忘れんよ」

<5歳児 男の子>

コロナ禍で園児の登園が少なくなり来ている子どもたちとゆったり過ごしている時。

いつもはバタバタしているけど登園自粛で子どもの人数が少なくてゆっくり過ごす事ができて私自身にも余裕が生まれたから。

(認可保育所/10年以上〜20年未満)

「先生、大人になって、先生になってくれてありがとう!」

<5歳児 男の子>
普通の会話の中でふと。

ちょうど疲れている時で、とっても嬉しく涙が出そうになったので…。

(認可保育所/6年以上〜10年未満)


思わずクスッとしちゃうことば

見てないようでよーく見ていたり、ドキッとするくらい芯を突いていたり。
子どもの目線って、おもしろい!

「てんてぇ~(先生)、遊んでないで仕事行きなよ。」

<3歳児 女の子>
戸外保育で公園へ行った時、数人の子どもたちと砂場で4股トンネルを掘っていて、子ども達より白熱した様子を見た子の発言です。

お調子者の女の子でしたが、とても真面目な顔で真剣に言ってきました。

(認可保育所/3年以上〜6年未満)

「今日の先生、お姫様だね!」

<2歳児 男の子>
出勤時に珍しくスカートをはいた時。

その日の仕事終わりに用事があってほんの少し綺麗にして出勤しました。
女の子の憧れの「お姫様」だなんて嬉しいなと思ったのと、そこまで見てたなんて驚き「将来できる男になるなぁ」と感心しました、笑。

(認可保育所/3年以上〜6年未満)

「先生、旦那さんにぎゅってしてもらったら治るんじゃない?」

<4歳児 女の子>
戸外遊び中、ふざけた子どもが私のみぞおちにパンチをしてきて、痛いとうずくまっていた時。

私が新婚で、名前が変わり、結婚について話すことが多くなってきていた中で、ハグをすると落ち着く、心安らぐということを子どもながらに理解していることに驚いたし、それをクラスの誰かとではなく、旦那さんというところにほっこりした。

(地方自治体独自の認証保育施設/3年以上〜6年未満)

「先生には背中にも目がついてるんだよね!」

<4歳児 男の子>
ちょっぴりやんちゃをしてた子に「先生、見てるよー」と言った時にそばにいた男の子に言われた。

私はそんなことを子ども達に言った覚えはないので、ちょっとビックリしました!!

(認可保育所/20年以上)


気づきをもらったひとこと

子どもの言葉を通して、その眼差しや気持ちに心を寄せてみると…
見えていなかった世界が広がります。

飼っていた生き物が死んでしまって埋めている時のひとこと。
「この木は命の木やなー。」


<5歳児 男の子>
飼っている生き物が死んでしまったときに、いつも埋める場所があった。ハナミズキの根元で花が咲くからそこがいいと子どもたちと決めた場所だった。
ある時、死んでしまったザリガニを埋めてあげていて、この一言がうまれた。

ひとつの事象を通して伝えたい保育者の思いを思っている以上に受け取り、さらに広げて表現する子どもの感受性に驚いたから。
そして、嬉しかったから。


(認可保育所/6年以上〜10年未満)

「おいも作るより、命のほうが大切じゃない?」

<5歳児 男の子>
その月の子どもたちが作る壁面製作が遅れていて、給食を食べ終わった人からお芋の製作をしようと子どもたちに声を掛けたとき。
給食を食べながら「カマキリもお腹減ってるんじゃない?」と言っていたAくんの言葉を「うん。そうだね。お芋を作ってから餌探しに行こうよ。」と流してしまった。

大人の勝手で進める壁面製作vsその時しか実現できない子どもの興味。

結局、Aくんは全然楽しくなさそうに製作をした。
あの時、ほんの少しの心の余裕を持っていれば…カマキリに餌をあげてから製作の約束をするなど工夫したらよかった。

(幼稚園/20年以上)


卒園に向けて、忘れられないことば

5歳児の子どもたちにとって卒園に向けた一年は特別で、大きな節目と感じているのかもしれません。
たくさんの思い出や成長した姿とともに、宝物にしたくなるようなことばを残してくれました。

「発表会、このみんなでできてよかった!楽しかった!」

<5歳児 男の子>
発表会を終えて翌週のクラスのお集まり。発表会を振り返って子どもたちが感じたことを自由に話す場面で。

その子は人前が苦手で、過去2年参加が難しかった。楽しんで参加できるよう見守りつつ励ます関わりを続けて、園生活最後の大きな行事で堂々と参加できるようになり、その言葉が出てきたから。
その子が苦手を乗り越え、人前で表現することに自信を持てたんだと改めて感じた瞬間だった。
また、クラスのみんなで励ましあって練習も重ねてきていたので、その子が楽しんで参加できたのは仲間の存在のおかげでもあると、その子自身が感じられたんだと思ったから。

(認可保育所/3年以上〜6年未満)

「先生が私の先生で良かったよ」

<5歳児 女の子>
卒園式の練習で少し厳しく指導してしまった後に。

ほかの先生に比べたら厳しすぎるところが多々あり、子ども達にとっては怖い先生かな、私が最終クラスの担任で良かったのかな?と思っていた時期に、「先生が私の先生で良かった」という言葉を聞いてすごく嬉しかったから。

(認可保育所/10年以上〜20年未満)

自閉症の子どもから手紙をもらい、「せんせい、だいすき!ぼくのことわすれないでね」と書いてあった。

<5歳児 男の子>
卒園式も終わり、保育最終日(3月31日)の帰りに保護者とその子との最後の挨拶の時にもらいました。

その時はもう発表されていたのですが、卒園児を見送った次の日から異動で地方の園に行くことが決まっていて、帰る前に渡したいからと手紙を見せてくれました。

新卒1年目からずっとその子の担任をしていて、小さい時は友だちとの関わりや話すのに援助をたくさんしました。文字を覚えるのもすごく苦労しただろうし、何度も書き直したんだろうなという跡もあり、号泣しました。

(認可保育所/10年以上〜20年未満)

サプライズで卒園式の日に、「先生、今までありがとう」と伝えてくれたこと。

<5歳児>
卒園式の当日。

こっそりと自分たちだけで話を進めていた事に驚いた。

(幼稚園/20年以上)

「大きくなったら保育園の先生になりたい」

<5歳児 女の子>
3月31日のお別れする時に言われた一言。

0歳児から6年間担任だった子どもに言われて、やってきたことが間違ってなかったのかなって思えたから。

(認可保育所/20年以上)

***

毎日の保育では子どもたちと数え切れないことばを交わしていると思いますが、そんな中でも特に心に残っているひとことを、子どもたちの育ちや思い出とともにうかがいました。

その言葉を発した時の子どもたちの表情が目の前に浮かんできて、ドキッとしたりクスッとしたり、胸が熱くなったり…
お寄せくださった皆さんの気持ちがじんわり伝わってくる、温かな企画となりました。

参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました!