映画『ゆめパのじかん』〜ほいくる編集部の気になるシネマ〜
あなたのすぐそばにいる子どもたちには、「居場所」がありますか?
それは園?学校?家庭?
それとも…。
今回ご紹介するのは「ゆめパのじかん」。
神奈川県川崎市にある「川崎市子ども夢パーク」は2003年、「川崎市子どもの権利に関する条例」をもとに作られ、以来たくさんの子どもたちにとっての“居場所”になっています。
映画はこの夢パーク、通称「ゆめパ」で過ごす子どもたちと、彼らを見守る大人たちの3年間の日々を見つめたドキュメンタリーです。
【©️ガーラフィルム/ノンデライコ】
映画『ゆめパのじかん』
ーイントロダクションー
「ゆめパ」は子どもたちみんなの遊び場。約1万㎡の広大な敷地には、子どもたちの「やってみたい」がたくさん詰まっています。
手作りの遊具で思いっきり遊ぶ子どもたち。一緒にどろんこになっている親子。くるくると踊る子。小さな子どもを連れた自主保育のグループ。ゆめパにはいつも子どもと子どもに関わる大人が集っています。
ゆめパの一角には「フリースペースえん」があり、学校に行っていない子どもたちが自分の「好き」をあたためています。安心して、ありのままの自分で過ごせる場所で、虫や鳥を観察したり、木工細工に熱中したり、ゴロゴロ休息したり。
でも、時には学校や勉強のことが気になる子も…。新しい春を前に、一人の子が自身の将来を考え始めー。
子どもも大人もみんなが作り手となって生み出される「居場所の力」と、時に悩みながらも、自ら考え歩もうとする「子どもの力」を描き出したドキュメンタリー。
『ゆめパのじかん』
2022年製作/90分/日本
配給:ノンデライコ
<スタッフ・キャスト>
監督:重江良樹
構成:大澤一生
プロデューサー:大澤一生
撮影:重江良樹
編集:辻井潔
音楽:児玉奈央
ナレーション:児玉奈央
宣伝デザイン:成瀬慧
「やってみたい」をとことん叶えられる場所
雨の日でも遊べる全天候型のスポーツ広場、ウォータースライダーや焚き火エリア、ずっとゴロゴロしていても怒られない室内スペース…
子どもにとってまさに夢のような場所、このゆめパには、毎日、乳幼児から学生まで年齢も住む場所も違う子どもたちが集まってきます。
幼児が一人でトンカチを使うのもOK。すべり台から三輪車を滑り落としてみても叱られない。
そこに子どもたちの「やってみたい」があれば、周りにいる大人たちは徹底して受け止めるのです。
居場所でこそ輝く子どもたち
毎日のようにゆめパに通う子どもたちの中には、学校に行かない選択をした小学生や中学生、高校生の姿もあります。
静かに昆虫の生態を追い続ける子。木工製作に夢中になる子。
のびのびと一日を過ごし、自分のやりたいことをひたすら味わうその表情は満たされ、生き生きとしています。
そしてときに、私たち大人が目を見張るような力を発揮します。
年に一度のゆめパのお祭りでは、自分たちでお店を企画し、商品をつくり、設営して開店し、売り切れ続出、ちゃんと利益まで得る。
懸命に働く彼らの横顔はなんともたくましく、まるで小さな大人に見えるほどです。
子どもにとって「居場所」は、ある…?
ゆめパでの時間を生きる子どもたちの様子を見ながら、思わず自分の周りにいる子どもたちを思い浮かべてしまいます。
比べたくはないけれど…
ゆめパで遊ぶ子どもたちが特別ではなく、ゆめパという場所が特殊なのではなくて。
本来子どもなら誰もが、こんな目の輝きを秘めているはずじゃないのかな。
「やっぱり、居場所があるって大事だよなぁ。」
子どもたちの成長を見続けてきたゆめパのボランティアの男性がつぶやくひとことが、胸にチクっと刺さりました。
『ゆめパのじかん』予告編
劇場情報について
【東京都/田端】
CINEMA Chupki TABATA
東京都北区東田端2-8-4 マウントサイドTABATA
【福島県/福島市】
フォーラム福島
福島県福島市曽根田町7-8 《フォーラム福島 1・2》福島市曽根田町7-8 /《フォーラム福島 3・4・5・6》福島市曽根田町6-4
【宮崎県/宮崎市】
宮崎キネマ館
宮崎県宮崎市高千穂通1-178 カリーノTRUNK
ほか全国順次公開中、詳細は公式サイトをご確認ください。