感染拡大のなかでの保育、どう感じている?アンケート結果〜withコロナでの保育情報交換アンケートvol.3〜
このコロナ禍の保育で、頭を悩ませていること、みんなに聞いてみたいことなどを、他の園の保育者さんと情報交換する目的で継続的に実施しているアンケート。
今回は、2度目となる国からの緊急事態宣言が発令され、感染も拡大しているなかでの保育を通して、今、みなさんがどんなことを感じているのか、何を必要としているのか…などを質問しました。
(ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました)
寄せられたたくさんの回答、ご意見。
一つ一つ読ませていただき、これは読者のみなさんと共有し、さらに社会全体でも考えていくべきことがあるのではと感じました。
より多くの声を紹介しようと、記事が長くなってしまいましたが…
ぜひ最後までお読みいただけたらと思います。
実施期間:2021年1月13日〜2021年1月18日
回答数:485件
(今回のアンケート結果や回答について、他のメディアでご紹介させていただく場合がございます。回答者が特定されるような情報は掲載いたしませんので、ご了承ください。)
Contents
新型コロナ感染が拡大するなかで、特に「不安」に感じていることは?
選択した理由は…?
アンケート回答者の半数以上の方が選択したのは「自分が感染してしまったら」。
自身の感染がきっかけとなり、子どもたちや保護者、職員など関係者への感染が拡大すること、休園措置などで園運営に影響が出ることなどに、大きな不安を感じている方がとても多くいました。
また園で最初の感染者になることで、周囲や社会からの視線が気になる、という声も目立ちました。
全国的な感染拡大が続く日々の中で、「自分は絶対に感染してはいけない」というプレッシャーが、保育者のみなさんに重くのしかかっているように感じます。
次に多かった「この状況がいつまで続くのか」という回答からは、一年近く続くコロナ禍での保育に、疲弊している様子が伝わってきました。
感染拡大防止のための消毒などの業務負荷、マスク着用によるコミュニケーションの取りづらさ、実施できない年間行事…
多くの現場が、直ぐに改善策や解決策を見出せない保育の根本に対する戸惑いや課題にぶつかり、長くトンネルの中で模索している状態が続いている印象を受けました。
自分が感染してしまったら(58.1%)
・自分が感染して、クラスター等が起きた時の責任の重さを感じます。
・職員、園児、保護者、関係者等園全体に迷惑をかけてしまう。簡単に休園!というレベルではすまない。
・子どもや職員にうつってたら、その人が重症になったら、もし死んでしまったら。。自分も生きていられないと思う。
・軽症でも、お子さんを預けられず、保護者の方も休んだり、それをきっかけに生活ができなくなったりしたら。それで家族関係もうまくいかなくなったら。きりがないです。
・自宅療養で休みをもらい、仕事に穴を開け迷惑をかけてしまう。
・感染対策は色々しているものの、完全に感染を防ぐ方法がない中、保育を続けなければならない恐怖は、医療従事者に勝るとも劣らないと思います。
・実際今、自分が熱を出してPCR検査を受けて結果待ちという状況で、園に迷惑を掛けてしまっていることとか、自分が感染してたら園児や職員とかも感染してたら…、子どもから親または高齢者の祖父母にうつったら…といろいろ考えてしまって不安です。
・これまでに園での感染者はいません。第一号になるのが体調的にはもちろん、社会的に何より怖いです。
・『保育士が感染』『〜保育園でコロナ』とか、保育士がコロナになると職種や地区名出るのが怖い。自分がなってしまったら、治ったとしても出勤出来なくなりそう。
・無症状感染者がいるので、自分もそうかもしれないと心配である。
・休園になってしまったら仕事がなくて困る。
・私にも子どもがいて、家族がいて、保育士の代わりはいるけど、母親の代わりは私以外にはいないから。
・保育士はリモートワークできない職種なので、通勤中が感染のリスクが特に高く心配。
・遊んでいたと思われてしまいそうだから。
この状況がいつまで続くのか…(15.3%)
・子どもたちの遊びや成長への援助が難しい時がある。
・文句を言えない、声をあげられない子どもたちが遊ぶ場所や生活の仕方を制限されている状況が本当に嫌です。
・マスクを着用したままの保育が続く中で、子どもたちがどれだけ保育士の表情を読み取り、感情を受け取っているのか心配。
・対策によってかなりの活動が限られている中で、乳幼児期で育ててあげたい土台となる部分をうまく援助してあげられないことが多くあります。
・保護者を招いての行事などが中々出来ない。
・行事などが中止や延期になることが大変。
・先が見えない不安で気持ちも暗く、我慢ばかりの日々で辛くなってしまう。
・ただでさえ気を配ることの多い保育に加えて、コロナ対応は疲れます。
・できる限りの感染対策はしてるけど、やっぱり密な現場の保育園でいつ自分がかかるか…、行事はどうなるのか…と先が見えない見通しの持てない保育を続けるストレスが辛い。
もし園内で感染者が出てしまったら…(12%)
・基礎疾患がある子どももいるので、その子達が感染した場合、重症化しないか不安。
・消毒や換気などやれることはやっているので、もし感染者が出た場合もう何をしたらいいのかわからなくなる。
・クラスターとなった時に、2週間程すべての保護者等に迷惑が掛かってしまう。近くの保育所が大変な事になったので、怖い。
・院内保育所なので、感染が広範囲に拡大しないか心配。卒園の日が近い今、もし感染者が出てしまったら…一緒に過ごせる時間がなくなってしまうかもしれないと考えると「出ないでくれ」と祈るばかり。
・保育者にも大事な家族がいて基礎疾患を持っていたりする。まず保育者としてより一人の人間として、自分と家族をどう守るのかを考えると園内で感染者がでると不安と恐怖しかない。
・パートタイム勤務の私には補償も無くシフトだけ削られて、感染者も出たら会社がうまく対応してくれるとは思えない。
今後、園がどのような対応や対策をしていくのか…(6%)
・もし園児や職員の中から感染者が出た場合、きちんと対応できるのか、その後の対策はどれが正解なのかが不安。
・園長がゆるく構えているのか、もし感染者がでた場合や濃厚接触者が出た場合の対応などが明確にされていない。
・対策と、子どもの育ちのためにやりたい保育を両立させることが出来るのか不安。
・生活発表会や、保育参観、卒園式を控えているので、どうしていくのか定まらない不安。
今後、行政がどのような対応や対策をしていくのか…(4.3%)
・国のガイドラインが発表される前に独自の判断はできない為、話し合いや準備にも限りがあり進まない。その反面、発表されてから早急に園で話し合い変更していく部分もあるので対応を急かされる。
・行政は子どもたちをコロナから守るつもりはあるのか?いつも幼稚園や保育園への対応が雑だと感じていて、今回もきっと何も対策や支援、補助をしてもらえないんだろうなと悲しく思います。
・現場で働く保育士の待遇も保障してほしいです。休むことなくリスクの中毎日働いているのにむしろ給料も減って...。頑張れない。
・私たちの命はどうでもいいのか?もっと強制力のある緊急事態宣言を出して欲しい。休みでも預けに来る保護者もいる。
今後、行政から何かしらの補助や支援等があるのかどうか…(2.7%)
・マスクなど実費負担がキツイ。
・保育士も頑張ってるのでもう少し支援があってもいいのではと日々感じます。ただでさえ安い給料で様々な職種の保護者、その子どもと接してるので、毎日感染したらどうしよう、気をつけないとと感じて気持ちもしんどくなってます。
・現在頂いているお給料も世間一般では低いです。この先も感染のリスクがある中で、手当がこれよりも低くなるのであれば職種を変えないと生活ができなくなるので。
そのほか
・保護者の保育参加など、今までしてきたことが人数制限などで延期、中止になっている。保護者の活動は園への理解を深めるためにもとても良い活動だったのでこのままの状況が続いてしまうのが心配。
新型コロナ感染が拡大するなかで、特に「負担」に感じていることは?
選択した理由は…?
「負担」に感じていることの中で一番多かったのは「感染の可能性を気にしながらの保育」、4割近くの方が回答していました。
感染拡大防止が優先される保育のなかでの不自由さや窮屈さ、子どもの成長に及ぼす影響を危惧している声が多く見られました。
一方で、園児から感染者を出してはいけないという張り詰めた空気は、保育者の方々の気持ちの「負担」にもなっていることが、回答からわかります。
専門家によるコロナ禍での保育のアドバイスやマスク着用の効果についてのガイドラインなど、現場での保育の拠り所となる新しい情報や指針を求める声があがっていました。
また「プライベートの制限」を選んだ方々の理由からは、職場でも私生活でも感染のプレッシャーの板挟みとなり、精神的なストレスや我慢が限界に達しつつある人が多くいる現状も浮き彫りになりました。
感染の可能性を気にしながらの保育(40.2%)
・家庭的な雰囲気が全くない保育になってしまうのではないかと、すごく不安。
・特に飛沫感染の面で食事は黙って食べる、歯磨きは少人数で、など毎日の生活の規制すべき事項が負担。子どもを待たせることが多くなった。
・マスクをしていると、どうしても子どもに伝わりづらい時があるが、マスクを外すことはできない。それもまた、ストレスです。
・乳児の担任をしています。マスクをしながらの保育が普通になってきていますが、担任の表情(口元)が見えないので咀嚼の口の動かし方や言葉等の発達面に影響がないか心配です。
・乳児担当のため、至近距離どころか、密着をしながらの保育であること。また保育士のマスクを不思議がって子どもが触ったり、はずそうとしたりする。
・感染を気にして制限を設けることは簡単だが、それでは保育の意義が薄くなってしまう。正解がわからないことなのでその塩梅が難しい。
・3密を気にかけながら保育しているが、職員も少ない為に難しさを感じている。
・どこからどこまでなら密が許されているのか。子どもたちの主体性を重んじていると、どうしても、距離は近くなる。
・前までなら子どもがしたいおもちゃや遊びを用意できたのに、消毒作業があるからこのおもちゃは出さないでおこう、2歳児クラスのこの時期だったらクラス全体で遊べる遊びをしたいけど距離が近くなってしまうからどうなんだろう…と考えたり。
・保護者によっては保育園へ預ける事が安全と思われている方もいて、感染防止策は日々増えています。
予定していた行事内容の変更に伴う対応(16.9%)
・例年通りにはいかず細かいことまで打ち合わせが必要で、どこまで対策をしなければならないのか正解もなく精神的にも負担が強い。
・日々状況が変わっていく中での準備には時間も心身の労力がかかり、非常に負担が大きかった。
・会議の時間が増え、他の仕事が思うように進みづらいことがある。
・動画撮影をして、編集したり大変。
・個人的には、ようやく仕事に慣れてきたところで、自分から動けるようになってきたのに変更に変更が重なる保育でうまく立ち回れず、もどかしさを感じていて辛い。
・子どもたちや保護者が楽しみにしていた行事を中止にしたり、簡素化するにあたって、みんなが納得できるかたちにすることの難しさがある。
・保護者がやって欲しいと思っている気持ちを知りながら、実現出来ない悔しさ。
・いつも行なってきた行事がなくなる、簡素化されるのは納得がいかないというクレームへの対応。
・行政からの具体的な指示もなく、予定していた行事や日常においてどのような対策をし決定していいのか悩んでしまう。
消毒など、衛生面の管理(13.8%)
・消毒に保育士一人取られると子どもを見る保育士が少なくなってしまう。
・スタッフは衛生管理はコストをかけてでも徹底したいと訴えているが、会社の予算や方針での締め付けもあり、対策が十分に行えない憤りがストレスに感じる。
・乳児クラスは舐めるが当たり前だからこそ、全ての玩具を消毒→水拭きしている。時間がかかる。
・おもちゃや机などの消毒する事が毎日毎日大変…その日の日誌や発表会の準備がなかなかできない!!
・消毒の濃度が上がり、手袋してても手荒れがします。
・消毒作業が増えたため子どもと関わる時間が少なくなった。
・お昼寝の他に環境消毒できる時間がないので、休憩時間がない。人手も足りない。
・目に見えないものなので、いくら消毒しても、これで本当に大丈夫なのか、除菌出来ているのか、不安になる。
プライベートでの制限(12.4%)
・保育者だからあまり出歩いたりするのはどうかなと。保育士がコロナになると、周りからの批判が大きいから。
・感染してはいけない、感染させてはいけないって気持ちでプライベートも過ごしていくうちに行動を制限されてしまう。
・自分のせいで子どもたちや職場の人に迷惑をかけてしまうと思い、スーパーの買い出しのみにしているのが苦痛。
・外部研修にも行けない。
・私たちのような仕事の人(学校関係の先生、医療関係の人、福祉関係の人)はいつまで制限されるの?こういう仕事の人は、GoToキャンペーンの旅行も行けなければ、ただちょっとの外出さえも制限される。いったいいつまで我慢すればいいんだよ!
・買い物に出るだけで不安。自宅に居ることがほとんどの為、仕事で疲れていても気分転換が難しい。
・県外に行くときは報告義務。自由に出かけられないのが苦痛。
玄関での受け入れなど、感染防止対策に伴う作業の増加(8%)
・担任が玄関まで行くと、保育室にいる子どもの人数に対して保育士が不足する時間帯がある。
・子どもの朝の準備と帰りの準備や持ち物の管理など、今まで保護者がしてくれていたことを、保育士がすることになり人手と時間がそこに必要になってしまった。
・乳児だと荷物の準備などをすることが大変、今回は保護者に行ってもらうために下駄箱前に荷物の準備セットを出すことになった。
・工夫しているつもりでも保護者には伝わらない部分が多い。
子どものこまめな体調管理(1.9%)
・咳や鼻水など、通常の風邪なのかコロナなのか判断ができず、乳児はマスクが出来ず飛沫も飛んでくるので不安です。
・検温をよりこまめに行わなくてはならなくなった。帳面の記載事項が増えた。
・やはり1番は早めの体調変化に気づいてあげられたら、感染拡大防止にもなると思うから。
万が一、職員や在園児が感染した場合の対応策について、園で準備している?
具体的に、準備をしている(対応をした)ことは…?
回答では「準備をしている」「準備中」が全体の半分を占めていました。
仮に発生した場合を想定し、自治体や保健所との連携、保護者周知や濃厚接触者の特定など、フローやマニュアルに沿って職員間で事前にシュミレーションをしている園が多いようです。
「すでに感染者が出て対応した」も1割近くとなっていて、感染拡大がより身近に迫ってきている現状を感じます。実際に経験してみないとわからない対応の大変さや難しさがあるようです。なかでも休園措置の期間については数日間の園もあれば、2〜3週間ほどの園もあり、様々でした。
気になったのは「これから準備する」「よくわからない」が合わせて4割近くに及んだこと。
通常保育に並行して、未知のウイルス感染症発生時の対応をシュミレーションし整える負荷や、職員間で共有する時間確保など、現場の課題があるのかもしれません。
準備している(41.6%)
・新型コロナウイルスのフローチャートを園で作成した。
・消毒、緊急連絡網。対応マニュアルのファイルを用意してある。
・保護者への伝達方法や配慮する点を職員で周知し、対応者を決めています。また、園内の衛生管理についても話し合い、周知実践をしています。
・臨時休園し、消毒します。その期間に全職員と園児のPCR検査を行います。それによって休園の期間も変わってくると思います。
・保護者に対しての説明やどう対応するか保育士間で話し、上の保育士又は園長や主任と確認している。
・濃厚接触者の特定のために給食やおやつ時の子どもの席を離すことや記録を取っておくなどしている。
・隔離の部屋を用意、手袋、ゴーグル、感染防護の服がある。
・保健所からの指導プリントの中に消毒液の作り方、消毒場所等があり、陽性者がでたらすぐその消毒方法で消毒をする。
・園で陽性者がでてもすぐ対応できるように毎日、職員の検温表、行動記録表に記録する。
子どもの席は固定席にしており、変更がある場合は写真に残し、接触者、濃厚接触者がすぐにわかるようにしている。
・スマホで緊急連絡が届くシステムを導入したり、保護者への周知協力依頼を継続したり、保護者や職員に感染者が出た場合、2週間休園し、感染していない職員ですべて消毒すると決めている。
・検査を受けた段階で一斉メールを送り、陰性陽性を分かり次第、再度一斉メールにてお伝えする。陽性が出た場合はすぐに休園とすることを都度伝えている。
・感染確認から前2日の行動を確認し、濃厚接触者を特定する。
・自宅待機をし、受診をして、完治したら園に連絡し、証明書をもって登園するようにしてる。
・行政(市)から、感染の際のマニュアルが出ており、職員が感染した場合と濃厚接触者になった場合、園児またはその家族が感染した場合と濃厚接触者になった場合等、細かく対応の仕方が決められている。
・職員、子どもがPCR検査を受ける場合、自治体に報告することになっており、以降の対応についてもマニュアルが送られてきている。
・保健センターの方の指示により該当した子の行動確認している。今のところ濃厚接触者として2週間待機してもらってる。
準備中(10.9%)
・施設長に報告をする。自宅で在宅をしたりして、2週間を過ごして対応するという話が有りました。
・具体的ではないが、本部責任者に連絡、報告書作成、保育室一時閉鎖など。
・濃厚接触者になりそうだとの連絡があった職員、在園児には休んで頂き、安全が確認してからの登園をお願いしている。完全に陽性者が出た時の対応は曖昧。主任以上で話はしているようだが現場まで下りてきていない状況。
・どのような対応をとるか検討している。
・市立保育所なので、市でマニュアルを考え、それに沿って対応する予定。
・本部から対応マニュアル等は通知されているが、まだ実例がないので手探り状態。
・感染した場合のマニュアルを作っているが、まだ実際出ていないので、現実出てしまったらどうなることやら。
すでに感染者が出て対応した(9.1%)
・園児の親が感染した例があった。結局保健所の指示のもと動くので準備というよりはその時のその状況で動く感じ。
・ただちに濃厚接触者の確認・保健所へ連絡・業務可能かどうかの確認・感染者の個人情報保護。休園にして、濃厚接触者のPCR検査を受けた。
・休める家庭に家庭保育のお願いをし、園内を消毒した。
・全園児、全職員、PCR検査を受けた。全員陰性だったが、2週間休園。
・濃厚接触者(今回はいなかった)と感染者の自宅待機。
・職員の退勤時間、体温、1日の配置を細かく記録し、濃厚接触者を明確にし速やかに検査を受けた。保育が再開する前日は総出でおもちゃや部屋をもう一度消毒した。
・アプリを通して、園内感染者が出たことを保護者に通知し、保育中の場合は早めにお迎えに来てもらい、翌日から休園。
・結局は出勤している職員で必死に消毒を自力でしました。管理職は深夜まで電話対応です。
・事務が感染したのですが、子どもと関わりがないからか消毒作業もなし…
・感染者が出た場合の通知のタイミングなど、市の指示に則ったが、保健所や保育課(仮称)からの連絡を待つ必要があるので、スピーディーな対応は難しいと改めて感じた。
・毎日、主任が園携帯を所持し、保護者には時間外への連絡先を提示して対応している。
・私の園では保護者の方がコロナに感染しました。子ども自身は陰性でしたが、念のために防護服を着て園舎全体を自分たちで消毒しました。
・保護者にメールを送る際に、当事者探しはしないでください、など感染者を守る文は入れていました。
よくわからない(33.8%)
・トップが、保健所の指示に従うと言うだけで、それ以外の準備がない。
これから準備する(4.5%)
緊急事態宣言下での保育を通して、こんな情報や支援がほしい(または必要だ)…と思うことを具体的に教えて!
自由回答には、本当にたくさんのご意見や声が寄せられました。
プレッシャーや葛藤、やりきれなさなど、コロナ禍での保育がつづく中、現場の保育者さんがぶつかっている課題の多さ、大きさの輪郭が見えてくるような内容でした。
HoiClue上だけでなく、社会の多くの方たちに保育現場の現状を知っていただき、みんなでできることの糸口を探っていくきっかけができたら…
そう願いながら、ここではみなさんからの声を紹介させていただきます。
保育現場の現状への理解
・地方の今の状況は、各保育園のやり方に任せ過ぎています。感染症対策を、県及び市町村で強く打ち出して欲しい。
・緊急事態宣言の内容があやふやすぎて、しっかりとどのような対応を保護者に求めるのかを具体的に示してほしい(各園に対応を任せている辺りが責任逃れのような気がしてならない)。
・医療従事者の方のお子さんなど以外は、できれば登園日数を週3前後にするなど減らしてなるべく家庭で保育を行うよう要請してほしい。(特に産休育休中の家庭)
・リモートで!と言われても、保育業界でのリモートはほぼあり得ない。そういう現場の声だけでも拾って、世の中に発信してほしい。
・在宅ワークの方や育休中の家庭へお休みの協力をするならば、保育料を日割りで計算するなどの保証が欲しい。保育料は変わらないのに休んで欲しい、は感染が流行している中の環境のストレスや、子どもがいると仕事ができない等のクレームに繋がる人もいる。
・休園措置は必要と感じる。家庭の事情はあるだろうが、宣言が出された以上通常通りにはいかないのだと、保護者にも認識して頂きたい。
・緊急事態宣言の中、保育現場でも感染を抑えられるように、本当に保育を必要とされている福祉関係や医療従事者の方のみの利用にしていただきたい。
・マスクをしない乳幼児、密な関わりの私たち保育士も、色々な不安や犠牲を抱えながら命をかけて預かっています!もう少し行政も、取り上げてほしいです。
・子どもが鼻水や咳など風邪の症状が出ていても保護者は子どもを園に預けに来ます。病院受診や薬の服用にもご協力頂けない家庭もあります。それでも、園の規定では子どもを預からなければいけません。登園できる基準設定をしっかり作る必要があるのでは?
・とにかく人手不足。消毒、清掃、受け入れ、合同保育の停止…職員が倍欲しいです。職員の配置基準の見直しを早くしてほしいです。もしくは一時的にでも良いので配置基準を増やして欲しいです。
・地域住民から声がうるさいから窓を開けるなら園に怒鳴り込むと言われ、換気が一切できず、感染リスクが高まっている気がする。地域住民への換気の必要性を訴えて欲しい。
・風邪症状がある子どもの保護者が、仕事を休みやすくできるような支援をして欲しい。
・短時間保育を呼びかけてほしい。テレワークを増やし、子どもを園に長時間預けなくてもいいように配慮してほしい。
・自治体によって濃厚接触者になったの時の対応の違いがあるのはおかしい!
・(ワクチンについて)医療従事者や高齢者、子どもが優先になっているが、医療従事者の子ども達を預かっているのは私達だし、感染したら医療従事者の子ども達も預かれなくなるので、保育者や教育者も優先順位に入れて欲しい。
・保護者が感染者になった場合、自己申告制じゃなく、園にもお知らせが来るようにして欲しい(濃厚接触者になった場合も)。
・できる限り早く迎えに来てほしいし、送迎も滞在時間を最短にして保護者同士の接触も最小限にしてほしいです。
待遇の見直し
・認可園は保証があるが、認可外保育施設には休業補償が無いので経営が大変だと思います。認可園と、対等な補償をして欲しい。
・保育の現場でも医療従事者の方々の子どもさんをお預かりしているのです。保育の現場ではどのような生活をしているのか、感染のリスクが高い中、子どもたちに全力で保育をしている姿、様子を行政の方に上げて欲しいです。医療の方には特別手当はあるのに保育の現場にはないってどうなのかなと思います。
・仕事が休みになった場合の手当は必要。有給扱いはやめて欲しい。
・今までは多少体調が悪くても出勤していたが今は出来ない。安心して休めるように代替保育士を雇用する補助金を出してほしい。
感染対策支援
・感染を防ぐためにパーテーションを作ったり、色々と準備があった。必要なものは支給してもらいたかった。
・シールド(テーブルを仕切るアクリル板)等の感染予防対策支援があったら良かった。
・消毒する時間がなく、不十分であるように感じる為、園舎内や玩具等を消毒する為の人員を増やしてもらえると助かると思う。
・こまめな消毒に時間がかかるため保育士の手が必要だが雇い主が人員増員に経費の懸念があるため助成金の拡大。
・マスク・消毒の定期的配給。保育園従業員に対する定期的なPCRや抗原検査などを無料で。行政に入り口での体温チェックできる機械の導入をお願いしたい。
・行政から高性能空気清浄機や食事用衝立などの購入、支給が欲しい。
保育現場でのガイドライン
・保健所、市、園がそれぞれ、曖昧な回答しかしない。何人感染者が出たら何日休園にするなど、確実な指針がほしい。
・保健所の方が現場に来て、更にどのように対策すれば、アドバイスがあればなぁ、と思う。
・これはしないほうが良いことなどの一定の基準がほしい。今は、園長先生のさじ加減で物事を決めていっているのでかなり不安。
・園で子どもたちと過ごすなかで活動、食事、昼寝などで具体的に推奨される対応策を指標として文書化してほしい。すべての園で同じ対応ができることが望ましい。
・幼児に特化した安全対策マニュアルが欲しい。
・園児たちにマスクが必要なのかどうか、明確に根拠と指針を出してほしい。子どもがつけていることでどれ程の防止効果があるのかなどの情報が必要だと感じる。ただでさえ肌が弱かったり、鼻水や咳などの出やすい子どもたちが、不衛生な状態でマスクを着用している方が不潔なのでは?
・子ども達のコップの消毒の行い方や保管方法、衛生面などの情報がほしい。
・子どもの感染者数。
・実際子どもは大丈夫なのか?感染している子もいる中、全く検査の対象にすらならないが、後遺症が残る子はいるのかなど知りたい。そんなに子どもは安心なのか?
・近くの子どもたちが出かける施設(図書館、博物館、子育てサロン等)でのコロナウイルスの発生状況なども知らせて欲しい。
・ワクチンの有効性について、一般人にも分かりやすく砕いて教えて欲しい。
他の園の対策や保育への取り組み
・他の園はどんな感染対策をしているか知りたい!特に乳児クラス。
・遊び、食事風景で気を付けていること、行事はどうしているか。予定していた発表会は保護者の観覧なしで動画発表に変更、お餅つきは延期になり出来るかどうか…他園はどうされているのか気になります。卒園式が出来るのかが今は一番の気がかりです…。
・集団生活が基本なので、ものすごく葛藤しています。行事の見直し、保護者への理解の求め方を悩みながらすすめてるのですが、今は宣言下での発表会、卒園式について、情報がほしいです。
・保育現場で子どもと一緒にご飯を食べることや触れ合って生活することがいかに大切であるかを訴えたい。
・子どもにわかりやすい伝え方、成長を見据えた過度にならない対策が知りたい。
・こんな時だからこそできることや子どもが変わらず伸び伸びと遊べる内容を知りたい。
***
行政にすぐに動いてもらうことは難しいかもしれませんが、登園自粛等による現場負担の緩和、保育に添った感染対策の検討や物資の支援、他園との情報交換など…
保護者、近隣の園、身近な専門家の方々と協力することで実現できそうなご意見もありました。
「こんな時だからこそできることや子どもが変わらず伸び伸びと遊べる内容を知りたい。」
HoiClueが、現場のみなさんに向けてお届けできることもありそうです。
誰もが苦しい時期ではありますが、手を取り合うことを忘れず、子どもの笑顔と育ちを共に支えていきたい。そして子どもたちと向き合いながら一緒に乗り越えていきたいと強く感じるアンケートでした。
最後に。
昨年4月に全国に発出された初めての緊急事態宣言下での保育や子どもたち・家庭への対応などの経験を、今回みなさんは、どんな風に活かされているのでしょうか。
さまざまな工夫、また現場の姿勢が寄せられました。
4月の緊急事態宣言の際の経験を活かし、今、保育で配慮していることがあれば、教えて!
・子どもへは過剰にコロナを怖がらず正しい情報を伝えるようにしている。
・行事を一斉になくすのではなく、出来る範囲の中で何を子どもたちとできるか日々模索中。
・可能な範囲で透明なシールドを使い大人の表情を見せています。
・食事のときは、クリアパーテーションをし、幼児クラスには水筒を持参してもらい、歯ブラシとうがいは廃止した。
・受け入れはなるべく短時間ですばやく行うことが徹底されているため、連絡帳を丁寧に書き保護者とのコミュニケーションを取るよう心がけている。
・できる限り毎日園内での生活の様子が見えるように写真付きのお便りを配布している。
・家庭保育の協力をお願いし、保護者との接触を極力避けている。
・万が一、登園自粛要請が出た時のためにオンライン保育の準備をしている。
・おうちでできる、ふれあい遊びや体を動かす遊びのアイデアをお手紙で配布し、園ではのびのびと遊べるよう配慮している。
・オンラインでの懇談や子ども達の様子や保育活動の情報公開。
・動画配信できるようにしたので、保護者が参加出来ない行事は動画で見られるようにしている。
・終わりの見えない感染に対する不安や長引く在宅ワークをしながらの子育てにしんどさを感じる保護者もいる。日々、子どもだけでなく、保護者の心理面の負担を気遣うような声かけに努めている。
・家庭の環境や子どもの精神状態を把握する。保護者のストレスから八つ当たり、虐待に近いものに繋がるケースがあるため、家族との関係が良好か把握する。
・常にアンテナを高くし、(保護者との)情報共有を定期的に行っている。
アンケートに協力してくださった方の属性について
お立場
勤務先
***
アンケートに回答してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
今回みなさんから寄せられた声は、HoiClueからのプレスリリースを通し、広く社会に届けていくことにいたしました。
そしてこの状況に対してHoiClueはどんなことができるのか、改めて考えていきたいと思っています。
経験したことのないコロナ禍での保育。
迷いや悩み、突き当たっていることなど…
HoiClueでは今後も定期的にアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。