保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

日々の活動、みんなどうしてる?アンケート結果 withコロナでの保育 情報交換アンケート vol.2

竹原 雅子
掲載日:2020/08/07
日々の活動、みんなどうしてる?アンケート結果 withコロナでの保育 情報交換アンケート vol.2

このコロナ禍の保育で、頭を悩ませていること、みんなに聞いてみたいことなどを、他の園の保育者さんと情報交換する目的で継続的に実施しているアンケート。

今回のテーマは、“日々の活動”について。
前回のアンケートで一番みなさんの関心が高かった、内容を中心に質問してみました。

コロナ禍、さらに暑さや長梅雨も影響する中での、活動や子どもたちとの過ごし方の工夫は…?
全国の保育現場のみなさんから寄せられた回答を、ご紹介します!

実施期間:2020年7月22日〜2020年7月29日
回答数:140 件



1、室内で過ごす時間が多い今、活動面でより力を注いでいるのは…?

半数近くの方が「体調に無理のない範囲で戸外遊びも積極的に楽しんでいる」という回答。「体を動かすような遊びを積極的に取り入れている」と答えた方も3番めに多かったです。
コロナ禍にくわえて長い梅雨が続いた今年は、室内活動だけでは増してしまいがちな子どもたちのストレスを考慮して、多少の雨の中でも準備をして散歩を楽しんだり、屋内でも体を思いきり動かしたり活動に配慮をする現場が多かったようです。

2番めに多かったのは「製作遊びや運動遊び、ゲーム遊び等さまざまなバリエーションの活動を取り入れている」。
環境を変えられない場合でも、いろいろな活動を楽しめるよう、工夫をしている園も多いようでした。

具体的にどんなことをしている…?

「具体的におこなっていること」の回答からは、例年にない限られた環境下でもなんとか子どもたちに楽しい時間を過ごしてほしい、という保育者の思いと、密を避けたり消毒作業を徹底したりといった感染予防対策への気遣い、2つの傾向が読み取れたことがとても印象的でした。

・散歩で捕まえた生き物をクラスで育てる。いもむしが羽化して蝶になる様子を観察。カエルのエサのために、クモをさがしカエルの様子を観察。サワガニ、ザリガニを飼育。五感を使って感じる体験。

・プールができない分、ダイナミックな泥や水遊びを中心に戸外活動を中心に遊んでいます。保護者の方には毎日ビーチバックに汚れても良い着替え一式と靴(登降園とは別の靴)、フェイスタオルを用意してもらっています。

・雨が降っていてもテントをたてて、雨の音を聞いたり雨粒をキャッチしたり、テントの中で泡遊びをしたりしてます!

・雨が降っていても外で遊びたい子どもは傘やカッパを着て出ています。

・雨上がりに裸足で園庭に出て、水溜まりや濡れた砂場など、普段なかなかできない泥遊びをしています。

・感触あそびをたくさん取り入れてます!

・園で育てた野菜でスタンプ。

・スイカ割りごっこや魚釣りごっこなど、○○ごっこにして、活動に取り入れています。

・おまつりが中止になったので、園内でお祭りごっこを開催することになり、各クラスお祭りで売る物、制作を楽しんでいる。

・押し入れを解放して、自由に遊べるスペースにして、隠れ家的に改造。

・プラネタリウムに行けなくなったので、ダンボールで作った。

・0歳児クラスだが月齢が高い子が多く発散できないと噛みつき等のトラブルにつながりやすいため、蛇腹マットや階段マット、滑り台のようなマット、トンネル等を組み合わせてサーキットを室内に作っている。また、室内用の手押し車や空の大きめの段ボールを押して歩き回るスペースも作っている。

・園内のテラスが広いので、室内にはレゴや製作、テラスでは運動遊具を設定し、子どもたちが自分で好きなあそびを満喫出来るようにしている。

・子どもたちが玩具に飽きないよう新しい玩具を購入してもらいました!室内遊びの幅が広がりました。

・各グループが重ならないように園庭とホールを交代制で利用しています。ホールで遊んだときは、アルコール消毒し、次のグループに連絡して交代です。

・普段よりちょっと長く座っていられるような活動(今週だと壁画作りで、5つの項目を分けてやってもらっている)。密にならないよう少数のグループ(2、3人ずつ)で活動を行うようにしています。

・0歳児クラスで、コロナ禍にも関わらず泣き声に対して近隣からのクレームが尽きることが無いため、窓を開けた換気がしにくいのでお散歩は必須です。マスクができないので、していない人との接触を避けたり人通りの少ないところを選んで歩いています。



2、コロナ禍において、「自由遊びの環境作り」で気をつけていることってある?

「ある」と回答した方が、全体の48%以上となりました。
子どもたちが思い思いに遊び込むことが多い自由遊びの時間。“密を避ける”ことを意識している、という声が多かったです。


気をつけていることは…?

配置換えをしてスペースを確保したり、玩具を分散させたり、また活動のあとは使ったものや場所の消毒を徹底したりと、特に感染対策の意識を高く持っている活動であることが、回答から読み取れました。

とはいえ、子どもは“密”になって遊ぶもの。
安全面や衛生面の配慮をしながらも子ども遊びを保障するのはとても難しく、悩む場面も多いのではないかと思います。 

・遊びを継続できるように、作った作品を置いておくスペースを設けている。

・お部屋いっぱいに広がって遊ぶように声掛けをしています。

・イスの数を少し減らす。テーブルと家具の配置を子ども達が分散するように計算している。

・密とならないように保育室のレイアウトをかえ、いつも使用しているランチルームを年長児に解放し空間を作っている。

・いくつかのコーナーを作り、密にならず、なるべく少人数で遊べるようにしている。

・遊びがマンネリ化しないように、できるだけ違う玩具を出すようにしている。

・図鑑など見はじめると密になるため掲示物にする。

・自然発生的に、密になった状況に対して、職員同士で伝え合い、改善案を考える。

・0歳児だから難しいけど、なるべく密にならないように、近づきすぎたら離したり、玩具を散らばせておいたり、分散して遊べるようにしてる。





3、体を動かして楽しめるように工夫していることって、ある?

「ある」という回答が半数になりました。
1の回答結果の傾向からも読み取れるように、例年とは違う環境下での保育、特に体を動かして遊ぶ時間を大切に捉えている現場は多いようです。

工夫していることは…?

室内では、スペースを確保してピアノ演奏や音楽に合わせたリズム遊びやダンスを、外で遊ぶ時には運動会や夏祭りといった行事に絡めて特別感を出したり水遊びをプラスしたり…。
いつもの遊びにひと手間・ひと工夫をプラスして、子どもたちのワクワク感を喚起するような活動を楽しんでいる園も多くありました。

・シャワーのできる日は外遊びを、出来ない日はホールで、パラバルーンやドッジボール、ハンカチ落とし、ゲーム大会をしています。

・室内遊びでのダンボールトンネルやテープを貼ってケンケンパしたり、マット遊びしたり、ボールプールしたりとか。

・音楽に合わせて踊ったり、保育室内にサーキットを作って運動している。

・トランポリンや簡易的な平均台の遊具を購入してもらったので、それを活用している。

・部屋でピアノの音にあわせてリズム遊びを多く取り入れている。

・流行りのダンス(おかあさんといっしょ、戦隊シリーズなど)や踊りを活用してそこから運動遊びを楽しめるようにしている。

・リズム運動をほぼ毎日取り入れています。短時間でも身体を動かす機会を設けています。

・ボール遊びでは、キャッチボールを取り入れたり、縄跳びなど、距離を取る遊びをしている。

・夏祭りにも向けて盆踊り!!先生もノリノリで!

・狭いスペースでも機敏に動く遊び。(ほいくるに載っていた天の川ゲームをしました)。

・梅雨で、お部屋遊びが続く時は、ホールに行ってハンカチ落としや、じゃんけん列車などからだを使った遊びができるように工夫しています。

・2階まで階段上り下り。

・各グループが重ならないように、園庭とホールを交代制で利用しています。

・熱中症対策もかねて、早い時間に外遊びをして、園庭でも、水遊びに近いあそびをしている。

・室内だと、ケンケンパがいつでもできるように、床に画用紙で作って貼ったりしている。
また、ベランダに人工芝を敷いて、水遊びを楽しんでいる。



4、コロナ禍での散歩や戸外遊びなど、園外での活動で工夫していることってある?

「特にない」が51%、「ある」30%を大きく超える結果でした。
回答からは、コロナウイルス感染防止の観点から、現在園外での活動を控えている保育現場が多いことが想定されます。

工夫していることは…?

公園などで他園の活動と遭遇したら密を避けてほかの場所に移動したり、遊具の消毒や活動後の手洗いうがいの徹底など、園外になるほど、きめ細かな対応を心がけているという回答がとても多かったです。

一方で、晴れている日は探索遊びに出かけたり、水遊び体験を取り入れたりと貴重な園外活動に特別感をプラスして楽しんでいる園もありました。

・目的地に向かう散歩ではなく、子どもたち主体の五感をつかった探索遊びの散歩。

・天気が良い日は外に出て泥や水遊びをしている。

・暑い日は水あそびや氷あそびなどを取り入れ、夏らしい遊びを経験できるようにしている。
また、散歩から帰ってきたら、園庭で水浴びをして、クールダウンしてから次の活動に移れるようにしている。

・水あそびをする時の場や散歩の際もあちこち行かず、コースを決めて、あまり人と会わずに通れる場所を決めて行くなど。

・外でも密集しないよう、子どもたちに距離をとるよう話している。

・他のクラスと戸外に出る時間が被らないよう時間配分する。

・短い時間で回数を増やして外に出ている。

・積極的に広い公園に園外保育に出かけるようにしている。

・目の前にある野球場を月3~5回解放してもらい、使わせてもらう。コロナ禍で密を避ける為にと、園長が交渉して使わせてもらうことが出来た。

・公園に行った場合は遊具を消毒してから、遊ぶ。また帰る時は手洗い、消毒をしてから帰る。

・園庭が無いので近くの公園に遊びに行きますが、これまでは他の保育園がいても同じ場所で一緒に遊ぶこともありましたが、できるだけ密にならないように空いている所を選んで遊ばせるようにしています。お互い顔馴染みの保育園なので、こちらが来ると早めにきりあげて帰って頂いているように感じます。


アンケートを実施した7月は、コロナウイルス感染拡大にくわえ、全国的に梅雨明けの遅れによる長雨で、例年よりも活動や遊びが限られてしまう日々が長かったことと思います。

そんな中でも天候を逆手に取った体験をしたり、マンネリにならないよう特別感をプラスして楽しんだりと、みなさんの活動への工夫に、ポジティブなきもちをいただきました!
このコロナ禍、ピンチもチャンスに、工夫やアイデア、そして現場の連携で乗り切る力をつけていく機会になったら…と思っています。

一方で、活動面においても三密回避、消毒や手洗いうがいによる感染予防対策の徹底に尽力している保育現場は変わらずとても多く、保育者のみなさんの作業負荷やプレッシャーなどが気がかりとなりました。



アンケートに協力してくださった方の属性について

お立場


勤務先

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アンケートに回答してくださったみなさん、どうもありがとうございました!

経験したことのないコロナ禍での保育。
迷いや悩み、突き当たっていることなど…
HoiClueでは今後も定期的にアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。