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3.11東日本大震災から学んだ避難ルート ~第3回 新しい避難マニュアル~

新 幼児と保育
掲載日:2020/07/29
3.11東日本大震災から学んだ避難ルート ~第3回 新しい避難マニュアル~

防災への備えは、常にアップデートしておくことが大切です。
映画『3.11 その時、保育園は』(2011年岩波映像)の監修者でもある天野珠路先生が、東日本大震災の被災地を訪問。震災時にはどんな備えが役に立つのか、震災の経験を踏まえてどのように避難ルートを見直せばよいのかを探ります。

連載第1回では岩手県大槌保育園の地震当日の様子、第2回では新しい避難方法などをうかがいました。
第3回では大槌保育園の新しい避難マニュアルを見ていきます。
前回に引き続き天野珠路先生がレポートします。

(この記事は、『新 幼児と保育』2019年4/5月号に掲載されたものです)

レポートする人

天野 珠路(あまの たまじ) 先生

鶴見大学短期大学部教授。元厚生労働省保育指導専門官。映画『3.11 その時、保育園は』(2011年岩波映像)監修。著書に『写真で紹介 園の避難訓練ガイド』(2017年 かもがわ出版)、『3・4・5歳児の指導計画 保育園編【改訂版】』(小学館)などがある。『新 幼児と保育』誌上で「災害への備え2020」連載中。

取材協力

八木沢弓美子(やぎさわ ゆみこ) 先生

社会福祉法人大槌福祉会 大槌保育園(おおつちほいくえん/岩手・大槌町)園長。

※大槌保育園は2020年4月に幼保連携型認定こども園おおつちこども園に改組しました。

大槌保育園の災害への備え

大槌保育園では、被災経験を踏まえて避難マニュアルを大幅に更新しました。

避難場所は、災害の種類や発令されるのが注意報なのか警報なのかによって、複数設定しています。入園時には、徒歩で避難する避難場所への経路図2枚を、避難マニュアルとともに保護者に渡しています。

以下はその避難マニュアルの抜粋です。

大槌保育園の避難マニュアル(抜粋)

本園は2011年3月11日の東日本大震災で津波被害を受けています。

町役場指定の指定避難場所は「生井沢」となっておりますが、子どもの足で避難するには時間がかかり、想定外のことを頭に入れ毎月の避難訓練ではさまざまな想定のもとで訓練を行っております。

①東日本大震災クラスの地震・津波警報発令

全園児を職員の車に乗せ5分以内に保育園を出発する訓練を行っています。交通の状況にもよりますが、10分程度で「ケアプラザおおつち」(あかね会)さんへ避難誘導します。
※あかね会さんとは緊急時避難締結を交わしております。

 

園舎の駐車場に並ぶ職員の車。
津波警報の際には避難の手段になるため、止める場所、向きなど詳細に決められている。

保護者の皆さんに関しては、国道45号線等が全面通行止めになることから警報解除になるまでは原則としてお迎えには来ないよう、各自、身の安全の確保を徹底していただきますようお願いいたします。小槌方面にお仕事等でいらっしゃる方については直接あかね会さんへおいでいただき、園児の安全確保のお手伝い等でご協力をお願いいたします。


②それ以外の津波注意報等の発令に関して

園児の安全確保を最優先にした後に、避難するか否かの判断をいたします。一時的に避難する場合には徒歩で「生井沢」に避難することもあります。
※別紙の避難経路図をご参照ください。

津波注意報が発令された場合の避難経路図

③保育前の警報発令について

保育時間前に警報が発令された場合には、警報解除後1時間は様子を見た後に保育を再開するか否かの判断をいたします。電話連絡がつく場合には各担任から連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。また、大雨や大雪等の警報でもお子さんの安全確保を優先し、保育中止の連絡をする場合もあります。

大雨・土砂災害警報による避難勧告及び指示発令の場合は、「城山体育館」が避難所となりま下記の避難経路図をご参照ください。

大雨・土砂災害警報が発令された場合の避難経路図

その他

※ 登園途中(すでに保育園に到着している)に津波警報が発令された場合には、私たちと一緒に避難行動をとってください。

※ 送迎時、駐車場での事故等にお気をつけください。お子さんから目を離さず、降園時には手をつなぎ、速やかに帰るようにしましょう。特に送迎時の車の多い時間帯にはお気をつけください。 

  

みなさんの園には災害の種類に応じた避難ルートが設定されていますか。
自園の環境に応じてカスタマイズされた避難マニュアルがありますか。
大槌保育園の避難マニュアルを参考にして、自園のやり方をふり返ってみましょう。


※記事内の避難マニュアルやルートは、2020年7月現在のものです。

構成/清水 洋美 
写真提供/大槌保育園 



この記事の出典 『新 幼児と保育』について

新 幼児と保育(小学館)
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