【書籍紹介】0歳児から6歳児 子どものことば 心の育ちを見つめる
ほいくる編集部がオススメする、学べる本のご紹介。
今回は 『0歳児から6歳児 子どものことば 心の育ちを見つめる』。
子どものことば、そこにはその子のどんな心が映っているのか。
30年にわたって子どものことばの研究を続けてきた著者が、乳幼児が発することばに見る“子ども性”をひも解いていきます。
この書籍について
書籍名:『0歳児から6歳児 子どものことば 心の育ちを見つめる』
著・編:子どもとことば研究会(代表 今井和子)
出版社:小学館
こんな人におすすめ
・0〜6歳児の子どもを受け持つ保育者
・子どもにまつわる仕事をしている人
・0〜6歳児の子どもを育てている保護者
まず、耳を傾けてみることから
今井和子先生(子どもとことば研究会の代表)は、生活の中から生まれた子どもたちのことばを記録し、その心のありかたについて、長年仲間の皆さんと研究されてきました。
この本には、そうして書きとめられてきた印象的なことばの数々が、エピソードとともに紹介されています。
序章で登場する子どもたちのことばには、思わず笑ってしまったり、感性にハッとさせられたり…大人もその世界に惹き込まれていきます。
こうした子どもたちのことばの魅力の裏には、様々な特質を見つけられるのだそう。
たとえば、擬人化。
「ひこうきが、お空にらくがきしている!」(3歳女児)
2〜3歳は、日常世界と想像の世界を分ける境界線が曖昧な時期。モノや生き物にも人と同じように語りかける特性が、こうしたことばにつながっているのだそうです。
ことばと心の発達を理解しておくと、一人ひとりの成長にもしっかりと目を向けられそうですね。
子どものことばとの向き合い方
子どもたちのことばからは、彼らを取り巻く環境の変化を察することもできます。
1970年代、80年代、90年代…時代とともにたどる子どものことばには、遊びや文化、生活スタイル、家族のあり方など社会の変化が如実に現れていて、その課題も浮き彫りに。
保育者にとって子どものことばは、その子が今置かれている状況や課題を汲み取り、どう向き合っていくかを考えるきっかけにもなると、改めて気づくことができそうです。
出版社からの内容紹介
乳幼児のことばからその心が見えてきます。
今井和子先生が代表の子どもとことば研究会30年の集大成本です。
この間、保育者、保護者の方々が就学前の子どものことばに耳を傾け、書きとめてきました。そこに子どもたちのどんな思いや感情が見えてくるかを探り、語り合ってきました。
子どものことばに耳を傾けることは、子どもの心を知ることです。
本書では乳幼児のことばとそのエピソードを交えながら、昔も今も変わらない子どもの特質=「子ども性」について考えます。また今日の子どもたちのことばをめぐる環境や課題にも迫ります。
書籍名:『0歳児から6歳児 子どものことば 心の育ちを見つめる』
著・編:子どもとことば研究会(代表 今井和子)
定価:本体1,200円+税
判型/ページ:四六判/168ページ
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「ちょうちょって、しごと いかないんだね」(ヒラヒラ飛んでいるのを見て、4歳女児)
「おかあさん しんごうと だるまさんがころんだしている みたいだね」
(母親との信号待ちで、6歳男児)
ことばから覗いてみる子どもの世界のきらめきに、大人の心も豊かに満たされていくような感覚になります。
日々のかけがえのない瞬間とそのことばをすくい取り、記録していくことの大切さも、改めて感じる一冊です。