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全国から集まった、保育の「安全面」の配慮〜大津の事故を受けて〜

全国から集まった、保育の「安全面」の配慮〜大津の事故を受けて〜

大津の事故を受け、5月に実施させていただいた「ほいくるアンケート」。

2019年5月8日、大津市で散歩中の保育園児の列に車が突っ込み、園児と保育者計15名が病院へ搬送、うち園児2名が死亡するという、非常に心が痛む事故が起こりました。

現場の状況が明らかになるにつれ、保育園や引率していた保育士の判断だけでは防ぐことが難しかったこと、日頃から安全に充分に注意を払い園外保育を行っていたことが明らかになっています。

また今回の事故が大きく報道される中で、 #保育士さんありがとう というハッシュタグとともに保育士に感謝を伝え、励まそうとする声や、散歩等の園外保育の重要性、現在の保育士配置基準の見直しを訴える声も聞かれています。

ほいくるを見てくださっている多くのみなさんも、保育園や幼稚園などで日々子どもたちの尊い命を守りながら、成長を見守っている保育者さんです。
今回の事故に心を痛め、他人事とは思えないと感じている方も多くいると思います。

だからこそ、ほいくるではこの悲しい出来事を「悲しかった」で終わりにするのではなく、園外保育に限らず、子どもが命を落としてしまうような事故が保育のなかで起きないように、みなさんが日々行っている安全面の配慮についてうかがうアンケートを実施させていただくことに決めました。

それぞれの保育園の知恵や知識を共有すること。
一つひとつの園や一人ひとりの保育者が改めて安全性について考えてみること。

明日また笑顔で登園してくる子どもたちを守る方法を、それぞれの現場でひとつでも増やすきっかけを、みなさんの力をお借りしていっしょにつくりたいと思っています。

多くの保育者のみなさんが協力してくださり、310名にも及ぶ方々が、ご自身の保育現場での安全面の配慮について答えてくださいました。

このアンケートで集まったみなさんの声が、それぞれの園や現場で改めて保育の安全性について考える、ひとつのきっかけになれば幸いです。

園外保育

園外保育時に行っている安全面の配慮を教えてください(自由回答)

特に多かったのは、「職員間の連携」と「移動中のルール」、「事前準備」。
具体的には以下のような回答がありました。

・出かける前は子どもの体調面を把握。

・園外に行く際は、必ず携帯を持って行く。出発前に「お散歩ボード」に携帯番号、行き先、帰園予定時刻、子どもの人数、引率する保育士の名前を記入している。

・携帯、笛、緊急袋を所持。

・初めての道は必ず保育者が下見、車の多い道など確認。

・移動中は自転車、歩行者、車に気をつけますが、散歩中の犬なども気を配る。

・必ず保育者は車道側を歩く。車が来た時には、「後ろから車来てます」などの状況確認を行う。

・信号待ちはなるべく車道から離れたところで待つ。

・信号のない横断歩道では車をとめる。

・安全優先の散歩ルートの設定と安全確認の定期的な更新。

・目的地では危険な箇所がないかを確認してから遊ばせる。

・チェック表を使って人数確認。

・子どもたちと交通ルールを確認する。

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。


園舎内

園舎内で行っているの安全面の配慮を教えてください(自由回答)

子どもたちが最も多くの時間を過ごす、園舎。
みなさん、どのような安全面の配慮を行なっているのでしょうか。

・毎日玩具の掃除を行う際に、壊れているものがないか確認する。

・高い所に物を乗せない。

・角があるものには怪我防止のため全てクッション性のものをつけている。

・置いてある物が倒れたりしないよう固定している。

・口に入れる玩具の消毒 。

・発達や年齢にあった玩具を用意し、誤飲などないようにする。また満足に遊べるよう、ある程度個数も用意する。

・0、1歳児は部屋に鍵、棚は固定する、年齢に応じて口に入らない大きさのおもちゃ、噛みちぎったりできない素材、全体を見渡せる位置で保育する。

・子どもに背を向けないよう、全体が見られる位置に座る。噛みつきや引っ掻きの多い子どもも含めて、誰がどこにいるのか常に分かるように職員同士で死角に入った子の名前を伝える。

・毎月、保育室・廊下・トイレの安全点検を点検表をもとに実施して提出。

・自分のクラスだけでなく全員の子どもたちを見守ろうとする気持ちを保育士が意識できるようにする。

・会議をする。実際に保育をしてみて、気になる場所や遊具は話し合って改善する。

・子どもがケガをした際や、危険だと思った事があったら「ヒヤリハット」を記入し、全職員に周知している。

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。

園庭

園庭を使用する際に行っている安全面の配慮を教えてください(自由回答)

いろんなクラスが合同で過ごしたり、乳児から幼児まで多くの子どもが使用する園庭では、「保育者の配置」と「環境設定」が特に多い結果となりました。
また、園庭がないという回答も集まりました。

・遊具点検は毎朝行う。

・安全点検を定期的に行い、破損個所があれば直す。雨上がりは滑りやすいので必ず拭いてから使用。夏場も遊具の火傷があるので、保育士が手で触り熱ければ遊具は使用しない。

・乳児と幼児でつかう時間を分ける。

・常に広い視野で見渡せる保育士を配置、遊具付近には必ず職員を配置。

・大型遊具で遊ぶ人数と年齢を見ながら職員が臨機応変に対応している。

・園庭使用の際は飛び出し防止のため施錠、人数確認、こどもの動きに目を配るなど

・砂が乾いてる際は風で飛ばないよう水を撒く。また、日差しが強い時期は日除けを設置する。

・夏場にはテントの設置。ウォーターサーバーを置きいつでも綺麗な水が飲めるようにしている。

・雨上がり、滑って転倒するのを防ぐために遊具やテラスを拭く。

・遊具の使い方については繰り返し職員間で共有、確認。

・植栽物の点検(害虫、生育状況)。

・(落ち葉などは危険な場所でない限り、綺麗にし過ぎない。自然物は子どもの大切な遊びに繋がるので、全てを無くさない。)

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。

プール遊び

プールや水遊びの際に行っている安全面の配慮を教えてください(自由回答)

暑い時期に楽しい、プール遊びと水遊び。
危ないから禁止にするのではなく、どうすれば豊かな保育のなかで安全に子どもたちを守ることができるのか。
多くの園がさまざまな工夫をしています。

・プールのある場所はカギが二重。プールの蓋も子どもの力では開かない工夫がされている。

・活動前の体調を把握して判断、また気温等も配慮。

・水量は、年齢に応じて変えていく。

・収納式屋根にて、直射日光を遮断。

・転倒防止のマットを移動コースに配置。

・熱中症対策として活動時間、水分補給を声をかけ合い意識する。

・プールに入る際の約束など子どもたちとしっかり確認してから入水する。

・プールをする保育士プラス、何もしない監視員が一人(監視員が2〜3名という回答も)。

・プールの中に保育者1名、プールサイドに保育者1名必ず配置して中の様子や全体を把握して異変がないかすぐに気付くことができるように。何かあったら、子どもたちから離れることなく園長や主任に伝えられるよう、そばに携帯電話も配置。

・子どもの遊び方、身体の発達に応じて入水する職員の人数や、入水する子どもの人数も変えていく。ダイナミックに遊ぶ子、水が苦手な子がいたら、グループを分けて入水する事もある。

・水深が浅くても溺れると言うことを常に考えて、すぐに手を差し伸べられるような体制で見る。出る時は必ず保育士が最後に出る。

・毎年プール遊びのマニュアル確認や、心肺蘇生法を消防士から指導してもらい職員全員で把握している。

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。

食事

食事の際に行っている安全面の配慮を教えてください(自由回答)

命に関わる事故に繋がることもある、アレルギー。
食事の際の配慮では、やはり「アレルギー児の対応」に特に気をつけている園が多くありました。

・アレルギー対策については毎月要注意日を事前に把握。調理室、保育室ではお互いの動作を声に出しながら安全確認をしている。

・アレルギー児の食事については、調理室と部屋でダブルチェックを行い、トレーの色や食器の色を変えている。

・除去食を読み上げるだけでなく、ラップの中身も確認してから食事。必ず保育士同士で「今日の●●ちゃんは△△が除去です」「代替え食の○◯になります」など確認を行う。

・卵を触ったスプーンでアレルギーがある子の手に触れて赤みが出たり、年齢が低ければ人のものを食べようとしてしまったりすることもあるので、アレルギーがある子は他の子と席を離し、そこについた保育士は食事が終わるまで絶対に離れない。

・食べこぼしの誤飲もあるのですぐに床を拭く。

・アレルギー児のいるクラスでは、テーブル台布巾等すべて別にし、他児と動線が重ならないようにする。

・アレルギー児に対するマニュアルがあり、それに則っている。また、些細なことでもヒヤリハットや、事故報告書などを提出しミーティングしている。

・手洗いは、かならず。 テーブル消毒。

・口に詰め込み過ぎたりしないように、食べ方を確認している。

・ストローの袋やゼリーのパックを口の中に入れたりしないようにしている。

・年令やその子の咀嚼力、えんげ力、食べ方の癖 に合った食べ物の大きさへの配慮。

(お弁当の園)
・夏場は保冷剤などを持ってきてもらう。冬場は保温器にいれ、温かいお弁当を食べている。

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。

午睡

午睡時に行っている安全面の配慮を教えてください(自由回答)

午睡時の安全面の配慮で、特に呼吸やSIDSのチェック。
乳児の午睡チェックでは、目視に加えベビーセンサーなど機械の導入をしている園もありました。

・必ず、一人ないし二人は部屋に居る。

・常に保育士が側にいる。

・全体が見える位置に座る。体調が悪かった子は特に変化がないか細かく見る。

・一定時間での呼吸の確認(5分毎、10分毎、30分毎など年齢に合わせて確認)。

・身体の向き、呼吸、顔色などの確認。

・午睡チェック表の記入。

・室内の温度、湿度管理。

・部屋を暗くし過ぎない。顔が見えるよう部屋の明るさの調整。

・うつ伏せ寝をしていたら体位を変える。

・口元に布団がかかっていないか確認する。

・顔周りに物がないようにする。

・センサーの導入。

※上記は、アンケートに寄せられた回答の一部です。全ての環境や状況に当てはまる配慮とは限りませんので、参考資料の一つとしてお使いください。

子どもの豊かな日々と、命を守る

今回アンケートを実施させていただき、改めて、多くの保育者のみなさんが、子どもの豊かな日々と命を守り、保育をされているのだということを感じました。

また、アンケートの中には、「改めて園で安全面の配慮について話し合いました」、「ヒヤリハットを活用して保育士間での共有や、安全面のルールについてアップデートを行っています」などのコメントもあり、常に変化する子どもや保育環境に合わせ、日頃から話し合いをされているということも知りました。

全国のみなさんから集まった知恵や知識を、各園での配慮についての改めての見直しやアップデートの機会に、一つの参考資料としてご活用いただければと思います。

※各園によって、環境や状況もさまざまだと思いますので、今回ご紹介したものが「正解」ではなく、それぞれの園に合わせた配慮や対応策につながればと思います。

保育における安全面の配慮に関する書籍

すこし調べてみたところ、保育における安全面の配慮に関する書籍を数冊見つけましたので、さいごにこちらで共有します。

重大事故を防ぐ園づくり

著者:猪熊 弘子、新保 庄三、寺町 東子 
出版社:ひとなる書房
(詳細はこちら


子どもの「命」の守り方 ─変える! 事故予防と保護者・園内コミュニケーション

著者:掛札逸美
出版社:エイデル研究所
(詳細はこちら

保育救命ー保育者のための安心安全ガイドー

著者:遠藤 登
出版社:メイト
(詳細はこちら

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