保育士養成校を卒業しなくても保育士になれる!「保育士試験」とは?
「保育士試験」という言葉は聞いたことあるけど、実際どういうものなのか詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?
保育士試験について、基礎的なことを一緒に学んでいきましょう。
「保育士資格」を取得するには?
保育士資格を取得するには、2つの方法があります。
(1)都道府県知事の指定する保育士を養成する学校(大学・短大・専門学校)を卒業する
(2)保育士試験に合格する
1つ目の養成校を卒業し保育士になるという方法は、最短でも2年間は学校で学ぶ必要があり、また学費もかかるので、すでに社会に出て働いている人や養成校以外の大学に通っている人にとっては、なかなか取りづらい選択肢かもしれません。
その一方、保育士試験を受けて保育士資格を取る方法は、仕事など他のことをしながらでも自分で勉強しながら挑戦することができます。
保育士試験を受験するには、「受験資格」が必要。自分が該当するかどうか、まずは確認してみよう!
「全国保育士養成協議会」:
http://www.hoyokyo.or.jp/exam/qualify/index.html
「保育士試験」って何するの?
保育士試験で保育士資格を取得するためには、大きくわけて2つの試験を受ける必要があります。
(1)筆記試験
以下、9つの科目について行います。
保育原理
教育原理
社会的養護
子ども家庭福祉※1
社会福祉
保育の心理学
子どもの保健
子どもの食と栄養
保育実習理論
合格点は、各科目6割以上。
仮に全科目合格できなかった場合も、合格した科目は、最長5年間(※2)「合格」として引き継ぐことができ、その間はその科目の筆記試験を受ける必要がなくなります。
※1 令和2年の保育士試験より、試験科目の「児童家庭福祉」が、「子ども家庭福祉」に変更になっています。
※2 合格科目を最長5年間免除できる対象者については、「全国保育士養成協議会」ホームページよりご確認ください。
http://www.hoyokyo.or.jp/exam/qa/exemption.html
(2)実技試験
筆記試験を全科目合格すると、次は実技試験を受けます。
実技試験は3科目のうち2科目を選択する形式です。
音楽に関する技術
ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかを選択し、幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いします。
<令和6年の課題曲>
1. 『夕焼け小焼け』(作詞:中村雨紅 作曲:草川信)
2. 『いるかはザンブラコ』(作詞:東龍男 作曲:若松正司)
造形に関する技術
当日発表される課題をもとに絵を描きます。保育の一場面を絵画で表現します。
言語に関する技術
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、 子どもが集中して聴けるようなお話を行います。
<令和6年の課題>
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「おむすびころりん」(日本の昔話)
3.「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
どの実技試験も、保育所保育指針「保育の内容」の5領域における「ねらい」及び「内容」を達成するために、保育士として必要な知識、技能、資質の観点から評価をします。
幼稚園教諭免許をすでに持っている人は、筆記試験の「保育の心理学」と「教育原理」、「実技試験」が免除になるよ!
気になる令和6年の試験日は?
保育士試験は、年2回実施されます。
令和6年(2024年)の試験日程はこちら。
前期試験
筆記試験:令和6年4月20日(土)、21日(日)
実技試験:令和6年6月30日(日)
受験申請書受付期間:令和6年1月10日(水)〜1月30日(火)まで※当日消印有効
後期試験
筆記試験:令和6年10月19日(土)、20日(日)
実技試験:令和6年12月8日(日)
受験申請書受付期間:令和6年7月5日(金)〜7月25日(木)まで※当日消印有効
自然災害や感染症等により試験が中止となった場合、再試験は行わないとのことです。
各都道府県における地域限定保育士試験等の情報は、「受験申請の手引き」に掲載されています。
詳しくは一般社団法人全国保育士養成協議会のホームページをご確認ください。
令和5年の受験申請より、オンライン申請がスタート…!
令和5年より「オンライン申請」が開始とのこと。「受験申請の手引き」は取り寄せ不要、スマートフォンやパソコンから直接受験申請手続きが行えるようになりました。
(詳細はこちら)
合格後にすること
筆記試験、実技試験を両方とも合格したら、もう1つ保育士として働き始める前にすることがあります。
それは、保育士登録事務処理センターのウェブサイトから、保育士登録をし、保育士証を発行すること。
保育士証を受け取って初めて、保育士として働くことができます!
保育士登録事務処理センター:
http://www.hoikushi.jp/index.html
合格率は、2割
保育士試験の合格率は毎年10〜20%程度。簡単に合格できる試験とはいえないかもしれません。
ただ、乳幼児期という大切な時期にいる子どもたちと過ごす重要な仕事だと思うと、その難しさも納得な気がします。
独学で勉強する以外にも、通信講座などを利用して勉強する方法もあります。自分にあった方法でしっかり勉強し、試験に挑むことができるといいかもしれませんね。
参考:
全国保育士養成協議会:
http://www.hoyokyo.or.jp/
厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/#04