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【保健コラム】0歳児クラス受け持ち前に知っておきたい“母乳”について

【保健コラム】0歳児クラス受け持ち前に知っておきたい“母乳”について

冷凍母乳を受け入れている保育園もそうでない保育園も、0歳児に関わる保育者さんは知っておきたい“母乳”について。

冷凍母乳ってどうやって扱ったら良いの?つい親にしてしまいがちな、入園説明時のあるあるって…?

知らない部分も多い、“母乳”について、ご紹介。


そもそも母乳とは…?


母乳は、実は「血液」からできています。
簡単にいうと、母親の血液が乳房の中を通るときに色々な過程を経て母乳に変わります。

色が違うのに…?と思うかと思いますが、血液が赤く見えるのは赤血球の色が赤だから。
母乳には赤血球は含まれていません。
母乳の中には白血球やたんぱく質など様々な物質が含まれて乳白色に見えているのです。

母乳って素手でさわっていいの?

血液でできている母乳には何らかのウイルスが潜んでいる可能性があります。
母乳を扱う場合は必ず手袋をしましょう。
また冷凍母乳を預かる場合、入園時面接などで母子手帳を確認させていただきましょう(妊娠中にウイルスの抗体があるか血液検査を実施しています)。

冷凍母乳は受け入れるべき?

冷凍母乳を受け入れる、受け入れないは園の方針によって異なります。
どちらが正しいということはありません。
どちらにしても母乳育児は赤ちゃんを育てる女性にとってとてもデリケートなことであることを認識しておきましょう。

冷凍母乳を受け入れている場合

冷凍母乳を受け入れている園には、冷凍母乳管理のマニュアルがあると思います。
園の方針にの元、全員が同じ手順で安全に行える方法を確立することが大切ですね。

冷凍母乳を受け入れていない場合

冷凍母乳は赤ちゃんの栄養や感染予防になるだけでなく、産後の回復を促し、母子のスキンシップの時間となります。
母子の心にも体にも良い母乳育児。
保育園に預けてからもできれば続けたいと考える方がいらっしゃるのも納得ですね。
冷凍母乳を受け入れていない場合でも、お仕事の都合で母乳育児が続けられない母親の複雑な気持ちを汲み取ることが大切かと思います。

入園時あるある?

入園面接にて、「入園までに粉ミルク(ほ乳瓶で飲む)を試してくださいね。」というひと言をよく耳にします。
保育園側からすると、「入園前にほ乳瓶で飲めるようにならないと、入園後赤ちゃんに負担がかかるから練習してほしい。」という子どもを考えての対応です。

でも、母親側からすると、
「母乳育児をぎりぎりまで続けたいけれど、受け入れてもらえない。」
「泣いて嫌がっているのに粉ミルク(ほ乳瓶であげる)はかわいそう。」
「アレルギーが心配だから粉ミルクを試したくない。」
というような気持ちが隠れている場合もあるかもしれません。

なかなか粉ミルクに踏み切れずにいるうちに、「粉ミルク(ほ乳瓶)を練習できませんでした。」ということにも。
まずは母親の気持ちをお聞きし、そのことを汲み取ったうえで粉ミルクやほ乳瓶の練習をお願いしたいですね。
また保育園に預けて離れている分、おうちに帰った後はゆっくり授乳を楽しんでください。という心遣いも添えてみるのもいいかもしれません。

母乳って何歳までOK?

WHO(国際保健機関)やユニセフでは、2歳かそれ以降の母乳育児を推奨しています。
アメリカ小児科学会でも、2005年の母乳と母乳育児に関する方針宣言の中で母乳育児の継続期間に上限はないと書かれています。
国によって置かれている環境や暮らしぶりが異なるためそれがすべてとは言えませんが、日中母親と離れて生活している保育園通いの子どもたち。
親子の大切な時間ととらえ、母乳について見守っていけると良いですね。

NPO法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会参考

・「イノチェンティ宣言」(2005年改訂版)翻訳文
http://www.jalc-net.jp/dl/Innocenti2007.pdf

・アメリカ小児科学会 母乳と母乳育児に関する方針宣言(2005年改訂版一部改訂)翻訳文A4普通版)
http://jalc-net.jp/dl/AAP2009-2.pdf

保育に役立つ豆知識

母乳育児をしていない、もしくは粉ミルクを足している母親の想いにも寄り添おう

今の日本の現状は母乳育児推進です。
でも、何らかの事情(母乳が出ない、母乳だけでは足りない、母の健康に関わる事情で母乳を与えられない、赤ちゃんの事情で母乳が与えられない、母の意思で母乳を与えない等)で人工乳(粉ミルク)を使用している方もいらっしゃいます。

・人工乳を与えることに納得できている方
・人工乳を与えることに自責の念を感じている方
・気にしていない方
・元々人工乳で育てたかった方

母乳育児と同じく人工乳で育児されている母親の気持ちもデリケートです。
母乳が良い、人工乳が良いと決めつけず、それぞれのご家庭の状況を理解して保育に携わっていくことが大切だと思います。


  • 専門家 Tomoko Kamiya
  • 専門家 Tomoko Kamiya(保健師/看護師/保育士)

1982年に三重県で産声をあげる。
名古屋市立大学看護学部看護学科卒業。
大学病院の周産期医療センター(NICU)、横浜市内の認可保育園に看護師として勤務後、平成28年3月に、「産後を生きるすべての女性がご自分の愛のお花を咲かせられますように」という理念のもと、おうち訪問型で産後女性とベビーへの心と体のセラピーをおこなうmamapanthusを立ち上げる。
プライベートでは4歳になる娘の母(最近女子化している娘についていけないと思っている…)。

国家資格―保健師、看護師、保育士
民間資格―Nao認定3級フィトテラピスト・IHTA認定チャイルドボディセラピスト・JTTMA認定プロフェッショナルセラピスト・TTMS(タイ伝統医療協会)認定セラピスト

URL :
mamapanthus
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