第1回 子どもの遊びに関わる同志のみなさんへ!
みなさん、初めまして!関戸博樹といいます。この度は縁あってこのコラムを書かせていただけることになり、目を止めて下さったみなさんとの出会いに感謝しています。
さて、プロフィールの欄にもある通り私は保育士ではありませんし、自身は幼稚園に通っていたので、子ども時代の体験も皆無です。そんな私がこのコラムでやりたいと思っていること。
それは、保育士として子どもたちの育ちを保つためにがんばっている「子どもの遊びに関わる同志のみなさん」に対して、私がこれまでプレーリーダーとして実践してきた「遊びの環境づくり」や「子どもと遊びを通して関わる」中で感じてきたことを紹介することです。それがみなさんの日々の実践のヒントになれたら良いなと思っています。
前置きが長くなりましたが、今回は私が大切にしていてこのコラムの主題とも考えている「エンパワメント(Empowerment)」という概念について紹介します。
「エンパワメント」とは、私は「その人自身の持つ力を最大限引き出すこと」と解釈して使っています。対義語は「ディスエンパワメント(Disempowerment)」で、「その人自身の持っている力を奪うこと」。ですが、私としては「パターナリズム(Paternalism)」といって「その人自身の意思に反して権力を持つ者が良かれと思って支援すること」という言葉の方がしっくりくるので、我流ですがこっちの方を対義語として使ったりもしています。
「力を奪う」とは例えばこんな話です。
「お年寄りのために何か自分ができることをやろう!」とはりきっている、高齢者施設で仕事を始めた若者。食堂でお年寄りの食事を配膳する業務を見つけてがんばるのですが、自分で運べない方に限らず、自身でできる方の分まで上げ膳、据え膳でやってしまいます。すると、食事の楽しみのために何とかがんばって歩こうという意思を持っていた方は歩行の機会を奪われてしまい、結果として筋力が落ちて車イスでの生活になってしまったのです。
こういった、善意が逆効果のようになってしまうことは、残念ながら社会の様々な場面にあると思っています。しかし、私は一人ひとりの力を信じて伸ばし合う社会が理想だと考えます。子どもの遊びでも、子どもに対して大人が遊びを主導することもあると思うのですが、そのような状態は上記の例に当てはまることも少なくないのではないでしょうか。なぜなら、遊びのプロであり専門家であるのは子ども自身だからです。次回はこのあたりについての話をしたいと思います。
さて、プロフィールの欄にもある通り私は保育士ではありませんし、自身は幼稚園に通っていたので、子ども時代の体験も皆無です。そんな私がこのコラムでやりたいと思っていること。
それは、保育士として子どもたちの育ちを保つためにがんばっている「子どもの遊びに関わる同志のみなさん」に対して、私がこれまでプレーリーダーとして実践してきた「遊びの環境づくり」や「子どもと遊びを通して関わる」中で感じてきたことを紹介することです。それがみなさんの日々の実践のヒントになれたら良いなと思っています。
前置きが長くなりましたが、今回は私が大切にしていてこのコラムの主題とも考えている「エンパワメント(Empowerment)」という概念について紹介します。
「エンパワメント」とは、私は「その人自身の持つ力を最大限引き出すこと」と解釈して使っています。対義語は「ディスエンパワメント(Disempowerment)」で、「その人自身の持っている力を奪うこと」。ですが、私としては「パターナリズム(Paternalism)」といって「その人自身の意思に反して権力を持つ者が良かれと思って支援すること」という言葉の方がしっくりくるので、我流ですがこっちの方を対義語として使ったりもしています。
「力を奪う」とは例えばこんな話です。
「お年寄りのために何か自分ができることをやろう!」とはりきっている、高齢者施設で仕事を始めた若者。食堂でお年寄りの食事を配膳する業務を見つけてがんばるのですが、自分で運べない方に限らず、自身でできる方の分まで上げ膳、据え膳でやってしまいます。すると、食事の楽しみのために何とかがんばって歩こうという意思を持っていた方は歩行の機会を奪われてしまい、結果として筋力が落ちて車イスでの生活になってしまったのです。
こういった、善意が逆効果のようになってしまうことは、残念ながら社会の様々な場面にあると思っています。しかし、私は一人ひとりの力を信じて伸ばし合う社会が理想だと考えます。子どもの遊びでも、子どもに対して大人が遊びを主導することもあると思うのですが、そのような状態は上記の例に当てはまることも少なくないのではないでしょうか。なぜなら、遊びのプロであり専門家であるのは子ども自身だからです。次回はこのあたりについての話をしたいと思います。