芸人は全力で子どもを笑わせる?放送作家・鈴木おさむさんが育休中に気付いたこと<前編>
2015年6月に長男・笑福(えふ)くんが誕生し、自らも同年7月より育休をとって子育てをしている放送作家・鈴木おさむさん。奥様の森三中・大島美幸さんとのおしどり夫婦ぶりもよく知られています。
放送作家というお仕事ならではの人間関係や、子どもとの関わり方、鈴木家流の子育て論まで、たっぷりお聞きしました!
実は父親がやれることってほとんどない!
鈴木さんは育休のことを「父勉(ちちべん)」と称して子育てされていますが、どういうきっかけでその言葉を使うようになったんですか?
ブログでコメントをくれた読者が「父勉」という言葉を教えてくれたんです。母親は十月十日赤ちゃんを身ごもっているし、おっぱいをあげたりもしなきゃいけないから、いわば、生まれた時から母親じゃないですか。
でも男は違う。確かにDNA的には父親なんだけど、男は子どもが生まれて初めて「父親になるための勉強」が始まるんです。父親は自覚を持って子どもと触れて、学んでいかないと父親になれない。そう考えると、いったい世の中に本当に父親と呼べる人は何人いるんだろうって。
だから僕は、ちゃんと父親になろうと思って、「父勉」しようと決めたんです。
なるほど。実際に「父勉」をスタートして、どんな風に家庭内で笑福くんや奥さまと関わられているんですか?
実は笑福が生まれて1ヵ月は、僕がやれることはほとんどなかったんですよ(笑)
オムツ替えとかは?
そりゃしますよ、もちろん。でもオムツ替えって言ったって1日数回でしょ。うちは母乳育児だったので、ミルクをあげることもない。すると子どもは母親と過ごす時間が多くなるから、どうしても彼女になつくんですよ。
せっかく父勉のために育休を取ったのに、それはちょっと寂しい……(笑)
生まれて1ヶ月は妻の母が手伝いに来てくれていて、毎日食事を作ってくれていたんです。まわりのお母さんからは、産後は余裕がなくて、きちんと食事を作って食べるのはなかなか難しいと聞いていました。
だから僕は、お母さんが帰った後も、笑福につきっきりな妻のために、妻の楽しみである食事を作ることと、妻が好きな掃除をしている間だけの子守をすることにしたんです。お母さんはどうしても子ども優先で自分のことが二の次になりがちでしょ。だから妻の健康管理と、おいしいご飯による妻のストレス解消も兼ねて。
子どもと直に向き合う母親が、快適に過ごせるように配慮する必要があるなって。せっかく家にいるから、できるだけ家での妻のストレスを減らしたいと思いました。
やさしい気遣い……!自分が大切に思うものを一緒に大切に思ってくれて、さらに自分のことまで大切にしてくれるなんて、奥さまからしてみたら、ものすごく安心できるあたたかい環境ですよね。その安心感が笑福くんに繋がる部分もきっと大きい。
鈴木さんご自身にとっては、実際に育休を取ってよかったことはありますか?
やっぱり、子どもと一緒に過ごす時間が多いことですね。0歳の時により多く触れ合ったことは、1歳以降のこれからの子どもとの距離感も大きく変わってくるという自信があります。
乳児期は人生の土台とも言われる、ものすごく重要な時期なんですよね。その時に親とどう関わるかがその後の発達に大きく関わる、というのは発達心理学でも言われていて。だから父勉での1年間は、奥さまのサポートを通してみても、きっととても大きいですよね。